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第一話

第一話


その夜、全世界を統べる祖龍神帝が直接管理している、全世界一安全な世界、ラーズセンドのある暗がりである小さな会合が行われていた…


「…それで、あの方たちの配属先は。」

「第4607世界、あちらでは地球と言う惑星の日本国の大東都、伯竜市だ。」

「ふぅん…これであの老害たちも終わりだわ…」

「…そう言うな、あの方たちは今まで頑張ってきた。そろそろ潮時と言うだけだ。次は我々が全世界を統べる…」

「そうだ、あの者たちは長くあの座に居すぎた。そろそろ、消えてもらわなくては困る」

「…そうね、じゃあ十五年後にね」

「…ああ」「そうだな」

「「「では…」」」


ヒュン…

小さな音がなったあと、そこにはまるで今まで三人ものヒトが居なかったかのように、ただ暗がりだけが佇んでいた…








俺は、龍谷 真 伯竜中学校三年の15歳 本来ならもう帰ってる放課後に学校内で現在絶賛逃走中な可哀想な子ですよ。

えっ、逃げてる理由?後ろのうるさいバカどもとの会話を聞いたらわかるよ?


「おいこら!待てよ!金貸せよ!」

「そうだ!金だけ貸しゃーいいんだよ!」

「無理!お前らに貸す金はねぇ!」

「「何だとこら!」」


…わかったかな?今俺は何か勝手にぶつかってきた奴等に金を取られないように逃げてるんだよ。


あー、だりぃ…久しぶりに"あれ"使おうかな…

まずは、校舎の角を曲がってと…

「よいしょ、っと」


ん?なにしたのかって?跳んだんだよ地面から四階建ての校舎の屋上まで。


「おい!どこ行った?!」

「探すぞ!」


ダダダダ……


「ふぅ、やっと行った行った…」(しっかし、なんでこんな風な完全人外の身体を持ってるんかなぁ…俺は…)


そうなぜか俺は"完全に人外な"身体能力を持っているのだ。

身体能力以外にも、霊と話せたりする能力とか、植物と話せたりする能力とか、

終いには、雷とかも操れたり。

もう嫌になってくるんだよ、これ。

親がいれば、何か分かるかも知れないが、生憎と俺は孤児。

調べようと病院に行ったとしても精神病院に強制的に送られるのは容易に想像がつく。


「はぁ〜…」


溜め息をつきながら、階段を降りて教室に戻っていく俺の遥か後ろに、

巨大な姿があるのに俺は全く気付かなかった…



「やっと見つけた……クレルド…」


そう、少しエコーがかかったこの言葉にも全く気付かなかったのだ…





「こら〜!!!!何で屋上に居た!?龍谷!!答えろ!」

「あー、ハイハイ」


この騒がしいのは、保険医の長田っつーおっさん。何で保険医何だ?と思うほどの熱血漢で、筋肉野郎。

いっそのこと、体育教師に転職しろよ。


「ハイハイとはなんだ!!!ハイハイとは!!はいは一回でいい!!!」

「ハイハイ、わかったから」


……プチ……


あ…、キレた…


「いい加減にしろ!!!このあと直ぐ生徒指導室に来い!!!」

「…了解しました〜。」


行く気なんかあるかこの能無しキン○マン


「おいおい、長田キレさせて良いのか?」


こうたずねて来たのは、人外の能力のせいで怖がられている俺の唯一の心からの親友、白鞘(しらさや)劉輔(りゅうすけ)だ。

さっきのバカどもは俺のことを知らなかったみたいだから絡んできたけど、普通は俺のことを知っている奴はまず近寄っても来ない。

…それなのに、劉輔は話しかけてくるんだから不思議だ。


「別にいいだろ、ああいう奴は気持ち悪いから嫌なんだよ。それに、意外にほっといたら元に戻るもんだ。」

「お前らしい理由だな(笑)」

「そうか(笑)?」


そう笑いながら、話していると、まるで爆弾が近くで爆発したような音が轟いた。


「なんだ!?」


俺が驚いて思わず音を聞いて言うとそういうと、


「…真、ちょっと着いてこい。」


そう言うと、劉輔は何時ものバカみたいな顔ではなく、かなり真剣な顔で、

でも少しだけ困ったような顔をしてそう言うと、爆発音らしきものが聞こえた方へ俺の手を掴んで、走り出した。


「お、おい!どうするつもりだ!!」


そう言っても、劉輔は無言だった…


俺は、あんなに何時もバカ騒ぎしている劉輔が無言と言うことに、少しだけ、怖くなった…











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