1.日常からの脱却
初投稿作品です。
初めてなので大目に見てくれたら嬉しいです。
同じ日常の繰り返し。
起きて、眠って、闘って、寝る。
同じ。何も変わらない。
また、眠る。
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(あれ?どこだ?ここ?)
いつも通りの日常。見慣れた天井ではなく、そこにあったのは満天の青空。一切の曇りのないお手本みたいな青空。
背中側には何か硬い感触、まるで道路に寝っ転がっているような。
体全体をぐるんと約90度ほど回転させ、後ろ側を見る。
(本当に石だったぞ。どうしてくれるんだ。)
そこにあったのは少し茶色がかった石畳。
ならば、と重たい体を起こし周囲を見渡す。
そこにあったのは中世ヨーロッパに近い街並み。
(俺が寝ている間にこの場所に連れ去られた可能性もある、か。)
だか俺の脳内にはこんな場所が元々俺がいたところの周辺にあるという記憶はない。誰かが遠くまで連れ去ったとしても、ソイツは俺を自身の近くに置いておきたいだろうから、現時点で近くに俺を注意深く見ているヤツは...
沢山いるわ。当たり前か、道路の真ん中で寝てたんだから。
だがそんな考察を無意味と嘲笑うような情報が俺の視界に入ってくる。
恐らく八百屋、もしくはそれに類する物に掲げられた看板。それに書かれてある文字は世界7000以上のどの言語にも当てはまらない物だった。
(なるほど、ここは今までいた世界とは違う世界。つまり異世界という訳だな。)
今までの生活が無くなったのに動揺していない事に驚く。しかしすぐに結論に至る。そう、俺は期待しているんだ。今までのつまらない世界ではなく、新たな世界に。
興奮と期待が冷めやらぬ内、どうやら1人の人間がこちらに来る。
「あの、大丈夫ですか?」
綺麗な黄色の髪の毛を特徴的に束ねた長髪の美少女。恐らくだかまだ16かそこらだろう。がこちらに話しかけてくる。本当に美少女だ。誰が見てもその感想を一言述べるだろう。
「いや、すまない。つい先日までの記憶がなくってね。自分の出自も分からないし、何故俺がここに居るのかさえ分からないんだ。」
この場合において最適解であろう、当たり障りのない嘘を淡々と述べる。実際ここに居る理由は分からないのだから、半分くらい真実かもしれない。
「あら、それは大変ですね。であれば、この後どうするつもりなのですか?」
「この後とは?すまないがこの街や社会の事も分からなくってね。」
この文明レベルなら1社会、国さえあってもおかしくないと判断し、そう述べる。
「本当ですか!ならば私の家に来ませんか?標準的な衣食住もありますし、何より1人暮しです。」
「それは願ったり叶ったりだが、本当にいいのか?」
「もちろんです!」
「ならばお言葉に甘えさせて頂こう。あと。」
「なんですか?」
「その調子じゃ、いつか悪い人に騙されるよ?」
こうして、俺の異世界生活が始まる。
この後知ったのだが、彼女の名はアナスタシアと言うらしい。綺麗な名だ。俺なんかよりよっぽど。
彼女の家に住み始めてから数日がたった。
わかったことといえば、アナスタシアは俺の想像以上にしっかりしている。初対面の俺を簡単に家に住まわせたため、最初はただのお人好しだと思ったのだが、実際は彼女なりの見極め方があるらしい。良い人と悪い人とのね。
「なあ、アナスタシア。俺はこのままダラダラしてていいのか?何か仕事があるんだったら手伝うぞ。このままなのも申し訳ないし。」
「ダラダラはしていませんよ!ちゃんとこの国の常識を覚えるって言う仕事があるじゃないですか!」
「それをダラダラって言うんだよ。」
そう俺が言うとアナスタシアは顔をプクっと膨らませて怒るような仕草を見せる。可愛い。
「でもトオルさんって意外と筋肉質ですよね。何か運動でもしてたんですかね。冒険者とかだったのかも。」
あ、そうそう。名前を教えることにした。これは実名。坂上透。偽名とか覚えてらんない。
それよりも、耳慣れない言葉にピクっと反応する俺の耳。
「冒険者?それはなんだ?」
「あら、そのページまで行ってませんでしたか。冒険者というのは、ダンジョンに入り、内部のモンスターを倒した上で、モンスターのマテリアルを持って帰りお金に換金する仕事です。」
ほほう、そんなものまであるのか、楽しそう。
「その冒険者ってのはどうやったらなれるんだ?」
「ダメですよ。トオルさんはやっちゃ。」
唐突なダメ出し。なんでだよ。
「冒険者ってのは強い人がなるものです。第一、トオルさん魔法使えないじゃないですか。」
(魔法!それは進研ゼミでやったとこだ!)
だが、同時にアナスタシアの指摘が俺の童心にグサリも刺さる。
「でもさ、後衛の人は魔法使うかも知んないけど、前衛の人は使わなくない?魔法。」
「大昔はそうだったらしいですね。けど、現在は前衛も魔法必須。後衛もより多くの魔法を覚えないといけなくなったそうです。」
アナスタシアがキッパリと言う。それほど魔法が重要だということか。というか、なんでそのことをアナスタシアが知ってる?さては、
「アナスタシアって冒険者だった?」
彼女の肩がピクっと震える。図星かな。
1人勝ち誇った気分になっていると、あることに気づく。
(アナスタシアに俺が勝ったら冒険者になれるんじゃね?)
とんでもない事に気づいてしまったかもしれない。
読んでくれてありがとうございます。
感想や指摘等々あったら是非お願いします!
もうちょい書いてみて人気だったら続けます。
よろしくお願いします。
次回はなぜトオルがこんな自信満々なのか分かります。チートスキル等主人公につけるつもりはありません。




