第十六話 緊急事態
「ははははははッ!!やっぱり楽しいねぇ!これだから戦いはやめらんないんだよ」
狂気的な笑いを上げながら、ナタリアは大鎌を手元から消滅させた。次いで、エレカとリデラも自身の聖装具を消滅させる。
「いやぁすごい火力っすね。でもちょっとやり過ぎなような……」
「念には念をって言うじゃん、いつだってオーバーキルくらいが丁度いいんだよ」
「それでもこれはオーバーキルが過ぎるのでは……?」
困惑しながら、リデラとエレカはナタリアの元に集まった。
思ったより時間はかかったが、これで無事ゼルヴァータは打倒された。最後の方がやり過ぎな気はするけども。
「お疲れ皆。よく頑張ったな」
労い言葉と共に三人の元までやって来た。ほぼ確実に勝つとは思っていたが、ここまで巧みな戦い方を見せてくれるとは。流石としか言いようがない……のだが、そんな後輩たちの活躍を見るたびに湧き上がる感情もある。
それは『嫉妬』だ。いや皆ズルいって、なんでそんな強い聖装具持ってんだよ。俺の聖装具『ボロボロの石剣』だぞ?何の役にも立たない正真正銘のガラクタだぞ?
マジで誰でも良いから俺のゴミのような聖装具と交換して欲しい。まぁ聖装具の性質上できないけど。
「師匠!どうだったすか!」
「凄かったよ。皆自分の個性を上手く活かせてたし、連携も完璧だった。もしかして事前に打ち合わせとかしてたのか?」
「まぁ一応は。さすがに何の用意も無しに挑むのはどうかと思ったので、私が二人を誘って連携の練習をしました」
「いやぁ、あれ面倒くさかったよねぇ……私は無くていいと思ったんだけど」
「貴方を連れ出すのが一番手間がかかりましたよ。まったく……少しは努力しましょうよ」
「リデラお前意外と真面目だったんだな」
「そりゃあ必要な努力はしますよ。どこかの学年次席さんとは違って」
「俺がサボるのはあくまでアリシアが課してくる役割だけだから。講義は出席してるし、強くなるための試行錯誤もちゃんとやってるからな?」
「ホントですかそれ……」
「ホントだよ。そんな努力もせずに学年次席維持できるほど甘くないから、うちの学年は」
そうだ、俺が逃げるのはあくまでアリシアが持ってくる案件だけ。それ以外は真面目に取り組んでいる。
故に俺はサボリ魔などでは断じてない。そう、断じてだ!真のサボリ魔とは学園にすら来ない第三位や第四位みたいな奴のことを言うのであって、俺はサボリ魔ではないのだ!
まぁ事情によってはたまに講義サボることもあるけど。
「まぁパイセンがサボリ魔か否かはどうでもいいとしてさ、この後どうするの?まだ道はあるみたいだけど」
ナタリアが指差した方向には、まだ一本道が続いていた。この広間が五階層の終着点ではなかったらしい。
「ゼルヴァータも倒せたし、俺としては正直どっちでも良いけど……まぁ道があるなら探索した方が良いよな。お前ら、体力は大丈夫か?」
「大丈夫です」
「問題ないっす!」
「私も元気ピンピンだよ〜」
「じゃあ行くか。あ、でも調子悪くなったら無理せず言えよ。遺跡探索は体力勝負だからな」
念のため言うと、アランたちは歩き始めた。
目指すのは五階層の奥地。だがここより先からは大きな魔力源は感じない。やはりこのルートのボス格はゼルヴァータだったのだろう。
ならこれ以上一年トリオに負担をかけることは無さそうだ───
───ぽちゃんっ……と、水滴の音が響いた。
「……?」
その音に反応したのはアランだった。足を止めて振り返ってみるが、特に変わった光景はない。
先程の戦闘でボロボロになった広間と、床に倒れ伏すゼルヴァータの死体。ただ虚しい静寂が広がっていた。
「先輩?どうかしましたか?」
アランが止まったことに気づき、リデラたちも振り返った。尋ねられて数秒沈黙した末に口を開く。
「……いや、なんでもない。先に行こう」
言って、アランは何事も無かったかのように前に向き直った。
そうだ、たかが水滴の音程度何を気にすることがある。
どうせ天井から漏れてきたのだろう。実際ここの天井にはヒビが入っているし、そのくらいは起こり得る。仮にそこに変わった理由があったとしても、さして気にすることでもない。
そう結論づけて、アランは歩く。アランの内情を知るよしもないリデラたちは困惑するが、本人がそう言っているのならまぁ良いだろう。
困惑しつつも、リデラたちも先へ進むことにした。
だが、
(本当に、ただの水滴の音か?)
ここは地下遺跡の五階層、もちろんこの上には四階層がある。そして四階層と五階層の間は岩石のプレートが縦に二十メートル以上は存在する。そこをどうやって上層からの水が通ると言うのだ。
『………………』
元から天井に水滴が張っていたという可能性もあるが、多分それもあり得ない。五階層に入ってからここまでの道中の壁や天井を思い返しても、水滴が張っている場所はなかった。ならこの広間の天井だって同じはず。
『…………ッ』
プレートの間に水源が存在する、なんてこともないだろう。
この遺跡は表面も内側も全てが石造り。しかも地上から五階層までの縦の距離は余裕で百メートル以上はある。そんな場所に水が溜まるとは思えない。
『………………ァァ』
なら今の音は一体何の音だ?水である可能性はほとんど無いに等しい。じゃあ粘液タイプの魔法生物でも入ってきたのか?だがそんな姿はどこにも見当たらなかった。
だったら……
「何が起きて───」
『ガァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
不安に感じて改めて振り返ったアランが見たのは、眼前に迫るゼルヴァータの姿だった。
「《結界》!」
反射的に唱えた。生成された透明な壁がゼルヴァータの進行方向を阻み、寸前で突進を防ぐことに成功する。
「先輩、どうしたんで──って、えぇ!?」
すぐにリデラたちも振り返った。
そして目にした。全身ボロボロでありながらも突進を繰り出す、ゼルヴァータの姿を。
「な、なんでゼルヴァータが!?まだ生きてたんですか!?」
「それは知らん!けど今こうして攻撃してるってことは生きてたんだろ。とりあえず俺が防いでるうちにコイツを殺せ!」
どうして生きていたのか知らないが、生きているのならもう一度倒すしかない。
「《凍結》!」
唱えたのは氷魔法。床を伝って生成された氷がゼルヴァータの脚や腕を氷漬けにし、一時的に床と接着させた。
これで簡易的にだが動きは封じた。今ならやれる。
真っ先に動いたのはナタリアだった。《狂乱の淵鎌》を手元に召喚すると、ゼルヴァータの真横に回り込んで首元へ迫る。
「今度こそ終わりだよッ!」
大鎌をゼルヴァータの首に振り下ろした。刃は想定通り首に食い込み、通り抜けた───だが、通り抜けただけだった。
刃が通り抜けた側からゼルヴァータの首が繋がっていくのだ。まるで液体を切ったかのように、物体が潜り抜けた箇所を埋めていく。
「え、何これどうなってんの!?」
さすがのナタリアもこれには驚愕せざるおえない。先程まで普通に切ることが出来ていたゼルヴァータの体が、今や液体のようになっている。
一体何が起きているんだ。まさか倒してから今に至るまでの間に肉体構造が変化したとでも言うのか。
そう驚愕するのも束の間。ゼルヴァータは自身の脚と腕をあっさりと引き千切って、アランの氷の束縛から離脱。翼を羽ばたかせて後方に跳躍し、床に着地する。
そして、
「おいおい嘘だろ……そんなことまで出来んのか」
ゼルヴァータの欠けた脚と腕が凄まじい勢いで再生していく。切り口から『黒い液体』が溢れ出て、それが形を成して欠けた部位を作るのだ。
そうしてあっとういう間にゼルヴァータの傷は回復してしまった。腕や脚だけでなく他の部位まで、溢れ出た黒い液体によって完全に治癒している。
「師匠!どうなってるんすかコレ!?」
「そんなの俺が聞きてぇよ!ただこれだけは言える。アイツはさっきまでのアイツとは全く別の存在になったんだ。原因は知らねぇけど!」
『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
ゼルヴァータが吠える。同時にゼルヴァータを中心に嵐が巻き起こった。
今までの嵐とは比較にならない規模だ。雷を帯びた暴虐の渦が広間の全域を満たしている。
「《風域結界》!」
唱えた風域結界を自分とリデラたちにも付与した。何が起きてるのかさっぱりだが、これは間違いなく緊急事態だ。こうなったら引率役である俺が介入するしかない。
どういうわけか今のゼルヴァータは体が液状化出来るようになっている。となればマトモな物理攻撃は無意味、それは先程のナタリアの攻撃が証明した。
考えられる有効な手段といえば、炎で焼き切るか氷漬けにして砕くかの二択だが────と、その時、ゼルヴァータが突然上空へ飛び上がった。天井付近にまで一瞬で上昇すると、魔力を身体中に纏う。
この構えはまさか───
「このタイミングで突進かよ……!《結界》!」
風域結界に重ねて結界を自分とリデラたちに付与。その直後、ゼルヴァータは予想通り超高速で広間の床へと突っ込んできた。
大質量が超高速で床に激突したことで、広間全域が激しく震撼する。まるで地震が起きたかのように、床だけでなく壁も天井もグラグラと揺れて………
「……まさかコイツ!?」
気づいた瞬間にはもう遅かった。直後、広間の床は轟音を立てて崩壊した。崩壊した床の瓦礫やゼルヴァータと共に、アランたちも地下の果てへと落ちていく。
「クソッ!この下空洞だったのか!」
この遺跡は五階層までと聞いていたが、まだ下があったのか。事前の話と違うじゃねぇかクソが、王国の遺跡調査団は何やってんだ。
そんな恨みを抱きながらも、しかしこの状況は本当にマズい。出来るなら今すぐにでも再浮上したいところだが、現実は甘くなかった。
下側だけでなく、上側にも大量の瓦礫があった。天井が崩落して落ちてきたのだろう。見た目以上にこの広間は脆かったらしい。
『グゥゥゥゥゥゥゥアァァァァァァァァッ!』
それからもっと最悪なことに、俺たちの真横では今もなおゼルヴァータが暴れていた。結界を張っていなければマトモに落下することもままならない。これで再浮上など出来るはずが───いや、待てよ?そういやここに疑似瞬間移動が出来る奴いるくね?
思い出したアランはすぐさま叫ぶ。
「ナタリア!お前の聖装能力で俺たちを瓦礫の上側に飛ばせ!」
「ごめん無理!私の《空間短縮》は視界内にしか干渉できないの!」
「マジかぁ!?」
だがその希望は爆速で砕け散った。
上側の視界は天井から降ってきた瓦礫で塞がれている。それ故ナタリアの聖裝能力が干渉できなくなっているのだ。
これで再浮上は不可能と確定した。こうなったら選択肢は一つしかない。
「畜生、やってやる……《空間把握》!」
落下の最中、魔法で今落ちている先の世界の空気の流れを探知した。それで分かったことが二つ。
この穴の最下層までの距離は三キロメートルほど、そして最下層のエリアからは一本だけ道が続いている。どこに続いているかまでは分からないが、とにかくそこに逃げ込んでこの瓦礫たちとゼルヴァータを回避するしかない。
判断し、すぐに指示を飛ばした。
「ナタリア!俺たちを瓦礫の下側に飛ばせるか!?」
上側は無理でも、下側の視界はまだ通っている。ゼルヴァータが暴れているから安定はしないが、それでも見えているのならナタリアの聖裝能力で移動できるはずだ。
「パイセンそれ本気!?そしたら上に戻れなくなるか瓦礫の生き埋めだよ!」
「問題ない!こっから三キロくらい下に床がある!」
「「「三キロぉ!?」」」
「ああそうだ三キロだ!んでそこから一本だけ道が続いてるから、俺たちは瓦礫どもより先に最下層に着いてそこに逃げ込む!」
「なるほど、そういうことなら……《空間短縮》!」
大鎌を振るい、空間の距離を削り取る。
直後、俺たちは瓦礫やゼルヴァータよりも下に転移した。これでまずゼルヴァータの脅威からは逃れた。あとは俺の仕事だ。
「パイセン!私の《空間短縮》は少しクールタイムがあるから、あとはお願い!」
「ああ任せろ!《結界》!」
落下しながら、この大穴全体を塞ぐほどの規模の結界を俺たちと瓦礫どもの間に何重にも展開していく。強度に拘っていない故、瓦礫やゼルヴァータが触れるたびに一瞬で結界が砕けていくが、それでも奴らの落下速度は少しずつ遅くなっていった。
こうすれば俺たちとの距離が離れ、落下までの時間に差ができる。俺たちはその時間内に最下層にある一本道に逃げ込めばいい。
「エレカは着地の準備を頼む!リデラはバハムートを出す準備だ!最下層に着いた後必要ならバハムートを盾にして逃げる時間を稼ぐ!」
「了解っす師匠!」
「分かりました、先輩はそっちに集中してください!」
アランと並行して、ナタリアは《空間短縮》の再発動に、リデラとエレカも自身のやるべき事に集中する。
エレカは落下の衝撃を緩和して安全に着地するための魔法の発動準備と、魔法を発動するタイミングの調節。リデラはバハムートを召喚する準備だ。もし着地後に一本道に逃げ込む時間が足りなかった場合はバハムートを盾にして降ってくる瓦礫たちを防ぎ、その隙に逃げ込む。
結界を大量に張りながら、アランはリデラたちと落下し続ける。もう既に半分は落ちただろう。あと三十秒以内には最下層に着くはずだ。
ゼルヴァータや瓦礫との距離も少しずつ開いている。これならなんとか────
『ッ─────!』
ゼルヴァータが深く息を吸った。直後に口元に莫大な魔力が集約されていくのを感じる。
まさかこの状況で嵐の砲撃を撃つつもりなのか。それはマズい、本当にマズい。この穴に回避できる場所なんて無いし、そもそもとして、そんな余裕も無い。
俺に残された選択肢は一つ、ゼルヴァータの砲撃を真正面から防御魔法で受け止める。この先に何があるか分からない故、あまり魔力は消費したく無かったが仕方ない───やってやる。
『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
最下層まで残り八百メートル───ゼルヴァータが吠えたと同時、嵐の砲撃が放たれた。やはりその規模は今までの砲撃の比では無い。
迫る大破壊の渦に対し、アランは今まで以上の強度の結界を張った。それは五枚の結界を重ねた多重結界。結界と砲撃が衝突し、拮抗する。
残り七百五十メートル───砲撃だけでなく降ってきた瓦礫まで、次々に結界と激突していく。結界にかかる質量は砲撃込みで数百トンに及ぶだろう。とても防ぎ切れるものではない。
結界の一枚目がすぐに砕けた。二枚目が代わりに食い止めるが、瞬く間にヒビが入る。
残り六百メートル───パリンッと音を立てて二枚目が割れた。次いで三枚目が盾となるが、長くはもたない。
結界の強度は結界の表面積と反比例する。アランはこの穴全体を防げる規模の結界を張っているため、その表面積は千平方メートル以上。
表面積が大きい分強度は落ちるし、しかもその全体に大質量がかかっているのだから、耐えられる時間も必然短くなる。
残り五百メートル───限界を迎え、三枚目が割れた。残り二枚、四枚目でどうにか食い止めるが、落下するまで何秒保つか。
空中でバハムートを出して上の奴らを一掃する手段もあるが、それだと多分俺たちまで一掃されてしまう。仮に俺たちが耐えられたとしても、落下後にバハムートの下敷きになるのがオチだ。リスクしかない。
バハムートは強力だが加減が効きずらいのが何よりものデメリット。少なくとも現状を打開する手立てには成り得えない。結局どうにか出来るのは俺一人、だがこのままでは……
「くッ……!」
残り四百メートル───遂に四枚目が割れた。こうなったら最後の一枚に魔力を注ぎ込んで落下までの時間を稼ぐしかない。
ヒビが入った側から結界に補強をかけていく。これで少しは長持ちするが、それでも限界がある。
加えられる結界の強度には上限があるのだ。それはどれだけ魔力が余っていても変わらない。魔法を発動した時点で既に決まっている。
最後の結界がパキパキと音を立てて、ヒビを増やしていき───
(クソ、こうなったら……!)
残り二百メートル───やるしか無いかと、逡巡して。
「準備出来た!《空間短縮》!」
ナタリアの声が響いたと同時、四人の姿が掻き消えた。
気づいた時にはゼルヴァータたちが先程より遠くにいた。下側を向けば最下層が視界に映る。
目算で最下層まで五十メートルほどだろうか、最下層は円形の広間のような空間だった。そしてそこに一本だけ道がつながっている箇所がある。
エレカはすぐに魔法を発動した。
「《風波動》!」
落下の衝撃を緩和するため、落下するアランたとは逆向きの風が巻き起こる。
強すぎたら逆に体が持ち上がって落下時間が無駄に長引くからダメ、弱すぎても落下の勢いが殺せないからダメ。調整をかけながら落下すること数秒、遂に四人は最下層に降り立った────と、同時。上から轟音が響いた。
遂にアランの最後の結界が砕けたのだ。ゼルヴァータや瓦礫がこちらに落下してきている。彼らはあと十数秒で落ちてくるだろう。
目的の一本道は目の前、あとは逃げ込むだけ────だというのに。
「ッ……!」
アランはその場で膝をついた。必死に立ち上がろうとするが、やはり足が動かない。
数百トンに及ぶ大質量の激突を無茶して止め続けた反動が、ここに来て身を襲った。
「クソ、体が……!」
「二人とも先輩を運んでください!ここは私が!」
言いながら、手にした《炎天の霊杖》を地に突き立てる。リデラの足元に魔法陣が展開され、
『我が命の下に馳せ参じよ───炎王龍バハムート!』
『ガァァァァァァァァァァァァァッ!!』
直後、地面の魔法陣から巨大な龍が現れた。
炎王龍バハムート、リデラ・アルケミスの奥の手だ。着地後に即召喚できるよう、詠唱は落下中に済ませていた。
バハムートはアランたちに覆い被さると、身を挺して瓦礫やゼルヴァータを受け止める。そう長くは保たないが、これで多少なりとも時間は稼げる。
エレカとナタリアはすぐにアランを抱えて一本道へと駆け込んだ。リデラも続いて一本道に入ると、振り返ってバハムートを帰還させた。
直後にバハムートの姿が消滅、代わりにゼルヴァータや瓦礫たちが降ってくる。それらは轟音を立てて地面に落下し、積み重なってこの一本道の入り口を塞ぐのだった。