第十三話 一年トリオの実力
事前の調査による情報では、この遺跡は全部で五階層あるとのこと。
その中でアランたちの現在地は二階層。五階層までの道はまだ遠い。
「にしても変な場所っすよね。一応ここって研究所の跡地のはずなのに、なんでこんな複雑構造になってるんすかね」
「それもそうだけど……研究所を地下に、それもここまで大規模に作る理由もわからないけどね」
「何か後ろめたい研究でもしていたのでは?それこそ周りに害が及ぶような何かを」
「いづれにしても情報不足だな。まぁ進めばその内なんか分かるだろ」
各々考えを話しながら、遺跡の廊下を進んでいく。
この遺跡も元はパレス・ハトラートスが作った研究所の跡地。どのような手段で、そしてどのような目的で作ったのかが一切不明なのが気になるところだが、果たしてその真実はなんなのか。
ここまでの道中でも調べられるだけ調べてみたが、大した手がかりはなし。そもそもとしてここはまだ上層、人間にせよ魔法生物にせよ比較的他者の侵入を受けやすい場所に重要なものを置く理由も無いだろう。もし手がかりになるものがあるとすれば、これより先か。
─────と、その時だった。突然エレカの足元に穴が空いた。
「あえ?」
間抜けな声を漏らすエレカ。少女の体はただ重力に従って穴の中へと落下していき──────寸前で穴の縁を掴んだ。
「あっぶな!危ねぇっす!超危ねぇっす!」
粗い息をしながらも、エレカはひょいひょいと穴から昇ってきた。身体強化魔法も無しにここまでの筋力を発揮するとは、見た目以上に鍛えているらしい。
「大丈夫かエレカ?」
「な、なんとか……ふぅ、心臓に悪いっすね、ここのトラップは」
言いながら足元の穴を覗いてみる。
穴の底までは三メートルも無い。落ちてもまだ助かる高さだが、代わりに穴の底に変な液体が溜まってる。おそらく有毒なものだ。衝撃による被害はなんとかなっても、その後どうなったかは分からない。
二階層ではここまでの道中でいくつか魔法罠が用意されていた。だがそのおかげでここには魔法生物がいない。彼らも魔法罠のある階層は生息地には向かないと判断したのだろう。
「ってあれ、三階層に降りる階段じゃないっすか?」
その時、道の突き当たりに階段が見つかった。
「ああ、あれだな。思ったより見つけるのに手間取ったな」
「ここから先、魔力濃度がちょっと濃くなってるね。いよいよ遺跡探索が始まったって感じ」
「ですね。気を引き締めて行きましょう」
***
そうして階段を降りた先、四人は三階層に降り立った。
雰囲気は二階層と特に変わらない。どこまでも続く石造りの道には光源も装飾品も無い。変化があるとすれば、大気中の魔力濃度が濃くなっていることくらいか。
「ホントに魔力濃度が変わったすね……てことはそろそろ魔法生物が」
「いるかもな、全員いつ敵が来てもいいようにしろよ。一応言っとくが今日俺は戦わねぇからな」
「先輩の助けなんていりませんよ。私たちだけで十分です」
「えぇぇ……私パイセンが戦うところ見てみたい」
「歓迎試合で十分見ただろ。今日は我慢しなさい」
「はぁい」
不満げな声を漏らすナタリアをよそに、アランたちは進んでいく。
未開拓の遺跡故に地図は無いが、大気中の魔力の流れでおおよその行き道はわかる。
遺跡は奥地になるほど魔力濃度が濃くなってくる。そこから漏れてくる魔力の流れを辿れば、遺跡探索は大抵なんとかなるものなのだ。実際アランも過去遺跡に入った時はそうやって探索してきた。
とは言え今回のアランはあくまで引率。戦闘も探索も基本一年生に丸投げだ。
故にさっきから後ろ側で一年トリオを見守っているが、今のところ特に進行方向は間違えていない。一年生といえども聖装士、魔力探知程度は容易だ。
これなら今回の探索は問題ないだろう。そう思った矢先──
「「…………」」
全員が同時に足を止めた。何も言わず、ただ道の先を見つめている。
「二人とも、これは」
「分かってる。いるね、ここ」
全員が警戒するその先で、ついに異変が起こった。
床のあちこちが水面のように撓んだかと思えば、そこから大きな腕が生えてきた。
その腕は石で出来ていた。腕の主は床から這い上がり、頭に胴体と次々に姿を現していく。
やがて現れたのは全身が石で出来た人型の魔法生物──ゴーレム。体長はどれも二メートル半ほど。一度領域に踏み入った者を徹底的に迎撃する性質を持つ上に、高い攻撃力と守備力を持つ厄介な魔法生物だ。
「ゴーレムか、定番だね。けどもうちょい下層にいると思ったけど」
「パレス・ハトラートスが遺跡のお守り役に用意した奴って可能性もある。尤も、この様子じゃ俺たちは完全に敵扱いみたいだけどな」
現れたゴーレムの数は七体。しかもその全員がアランたちに敵意を向けている。
安全面を思えば今すぐにでも引き返すべき状況だが、しかし。
「で、誰から行こうか?私としてはやっぱりまずはパイセンがお手本として……」
「行かねぇよ。俺は戦わないってさっき言ったばかりだろ。逃げるにせよ戦うにせよ、お前らでなんとかしろ」
「ケチだねぇ……まぁ私が行ってもいいけど。リデラは?」
「私はいつでも構いませんが……」
「なら私から行ってもいいっすか?」
「どうぞどうぞ」
リデラとナタリアが道を開けると、エレカが前に出る。
堂々としたその佇まいには恐れも不安も存在しない。ただニヤリと、口角を上げてみせる。
そして、
「さぁ行くっすよ───《忠勇なる雷霆剣》!」
呼びかけに応じ、リデラの腰に彼女の聖装具が姿を現す。
次の瞬間、エレカの右手に握られていたのは一本の剣。白銀の柄に、装飾が施された青い刃。刃は水晶のような美しい輝きを放っている。まさに芸術品のような美しさだ。
「見ててくださいね師匠!私やるっすから!」
「はいはい見てるから集中しろ」
忘れることなくアランに声をかけると、エレカはゴーレムに向き直る。
明確な敵意に反応し、ゴーレムはエレカに向かって駆けていた。だがエレカはそれでも焦らない。
両手で剣を握り込むと、落ち着いて一歩足を踏み込んだ────その直後、エレカの姿が掻き消える。
気づけばエレカは一番先頭にいたゴーレムの懐に潜り込んでいた。そしてゴーレムに抵抗の隙も与えず、エレカは剣を振るう。
刃がゴーレムの体に食い込む。そこから止まることなく刃を横へと滑らせ、あっさりとゴーレムの体を裁断した。
だがエレカはまだ攻撃の手を止めない。両断したゴーレムへさらに閃撃を数発。ゴーレムの耐久力がなんのその、エレカは一瞬にしてゴーレムを解体する。
崩れ落ちるゴーレムの巨躯。床に散らばった岩石に構うことなく、エレカは再び地を蹴った。
目にも止まらぬ速さと共に少女の閃撃が乱れ舞う。その優麗な動きはまさしく芸術と呼ぶに相応しい。
エレカが剣を振るえば、それだけでゴーレムの体はバターか何かのようにあっさりと切られていく。ゴーレムたちは誰一人としてエレカの瞬速の閃撃を追うことはできず、ただ一方的に解体されては崩れ落ちていった。
「……ふぅ、こんなもんっすかね」
一息つくと、エレカはアランたちに振り返る。要した時間は一分足らず。あまりに優麗な剣術に、アランは素直に感嘆した。
エレカの生まれであるヴァルパレス家は剣の名家として知られている。エレカはその生まれということもあって、剣の扱いが抜群に上手い。少なくとも一年生の中では間違いなく彼女こそ最高の剣術の持ち主だ。
「どうっすか師匠!私の剣は!」
「ああ、凄いよ。一年どころか学園全体で見ても間違いなくトップレベルの剣術だ」
「ふふん!師匠にそう言ってもらえて光栄っす!」
えっへん!と誇らしげに胸を張るエレカ。ただ─────
「それはそれとして早く行くぞ。じゃないとコイツらが復活する」
床に散らばった岩石がカタカタと動いていた。
ゴーレムは基本不死身だ。もちろん体内の魔力が続く限りという限界点は存在するが、その範囲内であればよっぽど酷い状態でもない限りは復活できる。
それを理解して尚、この場に居座る必要は無い。アランたちはすぐにその場から走り去っていった。
***
エレカと出会ったのはちょうど五日前のこと。放課後にアランが一人で学園の廊下を歩いていた時のことだった。
ある一年生が突然アランのもとを訪ねてきた。名乗った名前はエレカ・ヴァルパレス、学年は一年生とのこと。
一年生が訪ねてきたということは、この子も他の一年生と同様にまた勉強や魔法を教えて欲しいと言うのだろう。アランはそう予想していたが───しかし、エレカその予想を軽く上回った。
『お願いします!アラン先輩の弟子にしてください!』そうエレカは言った。この時アランはマジで脳がフリーズする感覚を覚えた。あまりに予想外な情報を前に、思考が現実に追いつかなかったのだ。
一体何がどうしてそうなったのか。やっと動いた口で尋ねたところ、エレカは答えた。というより、アランのことを徹底的に褒め称えた。一体どこでそんな情報を拾ってきたのか、これでもかと言わんばかりにアランの凄さを語ってみせた。
こんなに凄い人は他に見たことがない、だから弟子にして欲しい。そう頭を下げてエレカはお願いしてきたが、さすがにアランも困り果ててしまった。
少なくともアランには弟子を取る気は無かった。なにせアランも所詮は一介の学生。弟子を取るような立場ではないし、そこまで一人の後輩に手間をかけてやれるほどの時間も余裕も無い。
故にアランはエレカの頼みを断った。だがその代わりに言った『弟子には出来ないが暇な時に訓練に付き合うくらいはできる』と。ここまで真っ直ぐ正直に教えを乞う少女の意思を無下にしようとは、さすがに思えなかった。
エレカは喜んでその条件を引き受けた。そして同時に、何故かアランのことを師匠と呼び慕うようになった。
もちろんアランも師匠呼びは恥ずかしいから止めてくれと言ってはみたものの、『これだけは譲れないっす!』と謎の拘りを持たれてしまったため、諦めてその呼び方を許すことにした。
***
「さっきここにゴーレムがいたってことは、この階層はゴーレムの巣窟ってことになるのかな?」
「もしそうだとすれば、この階層は早めに抜けた方がいいですね。あまり足踏みしていたら復活したゴーレムに追いつかれてしまいます」
話しながら、四人は三階層を駆けて行く。ゴーレムの習性を鑑みれば、この階層に長居はしていられない。できるだけ早く次の階層に降りる必要がある────と、その時。
「っと、またゴーレムのお出ましだね」
四人の行手を阻むように床や壁からゴーレムが現れた。数は十体、先ほどより増えている。
「どんだけいるんすかね、この階層……もはやゴキブリっすよ……」
「それだけ先に進めたくないってことなんじゃないのか?」
もしこのゴーレムがパレス・ハトラートスがお守り役に用意したものであるなら、それはこの先に進めたくないという意思表示でもある。
つまりこの先に何か重要な物が隠されている可能性がある。アランとしては是非とも調べてみたいところだが。
「それじゃあ今度は誰が行くっすか?また私が行くっすか?」
「いや、今度は私がやるよ。そろそろ私も準備運動しとかないとだからね」
言って、次に前に出たのはナタリア。獰猛な笑みを浮かべながら、右手を横に突き出すと、
「おいで───《狂乱の淵鎌》」
その手に握られたのはナタリアの体躯よりも大きな一本の大鎌。黒い柄に、紫色に鈍く光る巨大な刃。鎌全体がゴツゴツとした作りをしており、それがどこか禍々しさを醸していた。
あまり聖裝具という名からは考えられない見た目だが、これでも列記とした聖裝具だ。本当に『危険な物』ならちゃんと別にある。
「さって、それじゃあささっと片付けるよ。エレカの記録を更新しちゃうくらいの勢いで行こうかな」
軽々と大鎌を動かすと、水平に構える。刃に込められた魔力が紫色の光を帯びていた。
当然ゴーレムもそんなナタリアを放置はしない。攻撃の気配を察知してゴーレムが動き出すが、
「せ───のッ!」
かけ声と共に勢い良く大鎌を振る。刃に込められた魔力は重たい音を響かせながら、斬撃となって解き放たれた。
斬撃は遺跡の壁を抉りながらゴーレムへと直進。斬撃は触れた側からゴーレムたちの体を抉り、あっさりと両断してしまった。
「んんー!気持ちいねぇ。けどやっぱ物足りないや」
両断され、棒立ちするゴーレムの死骸を前に、ナタリアは大鎌を掲げて背伸びをする。手早く終わらせるつもりだったが、これではかえって消化不良だ。これならエレカの時と同じく一体ずつ斬った方が良かったか。
「ゴーレムなんざこの先でいくらでもいる。斬りたいならそこでやれ」
「分かってますよーっと」
アランもここ数日で何度かナタリアと関わってきたが、まだ彼女の考えていることは掴めない。とりあえず分かっていることは、彼女が生粋の戦闘狂ということくらいか。
***
ナタリアとの出会いは一週間前のこと。その日は休日で、アランは遅くまで一年生の対応に追われていた。
やっと解放された頃にはほとんど夜。暗くなった学園の敷地を一人で歩いていたところ、急に背後から奇襲を仕掛けてきた不届き者がいた。
斜めからの大鎌の振り下ろしの一撃を直感で回避し、同時に放った風属性の衝撃魔法で相手を吹っ飛ばしたが、相手は全く堪えていなかった。
見れば、相手はアランと同じ黒のローブを羽織っていた。つまり相手は自分と同じこの学園の生徒ということになる。警戒しながらもとりあえず相手の正体を尋ねてみたところ、相手は普通に名乗ってくれた。
ナタリア・ヘンリエッテ───それが相手の名前だった。学年は一年生で、曰く近頃話題となっていたアランと戦ってみたかったとのこと。
ならせめて正面から来いよ。て言うか何で俺の同意を得ようとしないんだよ、お前頭おかしいだろ。そう叫び散らかしたが、ナタリアはただ笑って『ごめんねパイセン、私我慢できなかったの』と訳の分からない返事をするだけだった。
これがナタリア・ヘンリエッテとの出会い。それ以降も度々アランのもとを訪れては『パイセン勝負しようよー』と言ってくるが、アランは一度も相手にしていない、というかしたくない。
アランにとっては戦闘なんて面倒そのもの。疲れるし頭使うし怪我するしで大変なことだらけ。そんな戦闘をどうして好むのか、ナタリアの考えはアランには全く理解できなかった。
***
それからも四人は行く手を阻むゴーレムを倒しながら、三階層を走り続けた。
四人とは言ってもアランは後ろで見守るだけ。ほとんどのゴーレムは消化不良のナタリアが倒し、それに競争心を抱いたエレカが割って入って倒したりもしていた。リデラは『やることが無い』と言って退屈そうにしながら、アランと同じく二人の快進撃を傍観していた。
そうして走ること十分ほど、ようやく四階層が目前まで近づいてきた。
「すぐこの先からもっと濃い魔力が出てきてるね。やっと四階層ってことかな」
「ならようやくゴーレムともお別れってことっすか。いやぁ長かったすね!」
「私、ほとんど何もしてないんですけど……」
「まぁ四階層に行ったらやることあるよ。ここまで私たちが倒してきた分代わりに戦ってくれたら───」
言いかけて、全員が同時に足を止める。前方から大きな魔力反応を感じたからだ。
「おっと、これは……」
「良かったっすねリデラちゃん!まだ仕事残ってたっすよ!」
「みたいですね」
今度はエレカとナタリアが退き、代わりにリデラが前に出る。その時、ようやく敵も姿を現した。
地面から這い上がってきたのは一体のゴーレム、それも今までの個体より体格も魔力量も倍大きいゴーレムだった。
『──────────ッ!!』
体を震わせ、ゴーレムが叫ぶ。この階層全体を震撼させるほどの叫びを目の当たりにしながら、しかし。
「ボス格って奴だなこりゃ」
「関係ありませんよ、そんなの」
この程度敵では無い。そう言わんばかりに、リデラは堂々とゴーレムの前に立ってみせる。
そうだ、こんなデカいだけの魔法生物の何に恐怖する必要がある。少なくとも今自分の後ろにいる怪物に比べれば取るに足らない。
「《炎天の霊杖》」
手にしたのは歓迎試合の時にも見せた聖装具。
杖を床に突き立てる。直後に足元に魔法陣が展開され、そこから炎が立ち昇った。
現れたのは一匹の巨大な虎。目の前のゴーレムほどでは無いが、少なくともアランたちよりは大きい。
獰猛な唸り声を上げながら、炎の虎はリデラの傍らに佇んだ。
『─────────ッ!!』
叫び、ゴーレムがリデラへと駆け出す。足を踏み出すたびに振動が起こり、それが敵の脅威を示していた。
そんな脅威を前に、リデラは一言。
「はぁ……うるさいですね」
お前は邪魔だと、そう吐き捨てる。そしてその杖の先端をゴーレムに向けると、
「吠えろ」
『ガァァァァァァァァァァァァァッ!!』
直後、主の命に従い傍らの虎が叫びをあげた。
開かれた大口から放たれたのは極太の火炎放射だ。この階層の廊下を埋め尽くすほどの火炎放射は、ゴーレムに一切の逃げ場を与えない。
よってゴーレムにこれを躱す場所などなく、そして何より躱す暇も無い。抵抗することさえ許され無いまま、その炎の渦に飲み込まれた。
数秒後、火炎放射がその場からかき消える。後に残ったのは堂々と立つリデラの姿と、全身を灰にされたゴーレムの残骸だけ。
勝利を手にすると、リデラは傍らの虎を消した。
「おお、相変わらずスゲェ火力。さすが新入生代表だな」
「私の最大火力の一撃を魔法だけで叩き切った人に言われても嬉しくありません」
「そ、そうか……」
言って、リデラは我先にと進んでいく。これで少しでもフォローになってくれたらと思ったが、逆に不機嫌にさせてしまった。
己の選択ミスを悔いるアランに、
「パイセン。今のは嫌味にしかならないよ」
冷静に諭すナタリア。いやお前に諭されるの癪でしか無いんだが。
「はぁ……どうしたら機嫌直してくれるんだよ……」
「原因が分からないなら地道にやっていくしか無いと思うっすよ。急いでも逆効果っす!」
「そういうもんなのかなぁ」
「そうそう、だからまずは私で後輩女子に慣れてみよう」
「ざけんな、お前は俺と戦いたいだけだろうが」
「バレちった」
これまでもアシュリーやフィアラ、そしてアリシアと、それなりに異性とも関わってきたし、異性相手の対応方法も身についてきたつもりだったが、今ばかりはお手上げだった。
出来るだけ他人とは仲良くしていきたいとは思うが、これはどうしたものか。悩みながら、アランは一年トリオと共に四階層へ降りていった。