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 第九十四話 自由意志


「ご主人様、奥にあと一体大きなオークがいるのでしょう。それも私が倒してもよろしいでしょうか?」


 僕はビクンと体が跳ねる。エリツーが近くで僕に話しかけて来たからだ。その落ち着いた凛とした声は涼やかで心地よい。けど、それを発しているのは化け物だ。


「いっ、いいんじゃないかなー。みんなどう思う?」


 怖いから送還してしまいたかったんだけど、あとボスのオークナイトが残ってるんだった。


「そうですね。ですけど、せっかくならエリと2人で共闘というのも面白いんじゃないですか?」


 モモが羽をパタパタさせながら握り拳をフルフルしてる。平常運転だなー。モモはエリたちが恐ろしく無いのか?


「……ダブル脳筋メスゴリラ……」


 アイがまたなんか悪口をボソリと呟いている。彼女も全くエリたちに怯えて無い。なんでだろう?


「アイ、黙りなさい。お仕置きするわよ。そうね。あとオークナイトがいるけど、ゴーレムよりかなり弱いから、モモとアイに戦わせてもいいんじゃない?」


「何言ってるのよ。か弱い私一人でオークなんて無理無理無理。エリ、あんたの馬鹿力でなんとかしなさいよ」


「へー。そう。アイは一人でオークと戦いたいのね。大丈夫。やられてもハルトが回復してくれるから」


 まあ、冗談言い合ってるだけかもしれないけど、正直エリはやりかねない気がする。機嫌を損ねないか恐ろしいけど、僕は一言もの申す。


「ちょっと待ちなよ。たしかにアイは口は悪いけど、さすがにそれはやり過ぎだよ。それなら、ぼっ僕がアイと一緒に戦う!」


 腐っても僕は男。目の前で、やられると分かってて女の子をオークと一人で戦わせる程鬼畜じゃない。


「冗談よ。冗談。エリツーに戦って貰うわ。エリツー、あんたもハルトのスキル使えるんでしょ?」


「エリ様、私のご主人様はハルト様。貴方の指示を受ける言われはありません。レアドロップ率アップのスキルは私も持ってます。アップ率は半分ですが」


 んー、エリツーは僕の命令しか聞かないのか。まあ僕の精霊だからね。僕より遥かに強いけど。けど、一々命令するのは面倒くさいな。


「エリツー、僕らは仲間だ。僕以外の三人からの提案も自分で判断して欲しい」


「承知いたしました。では先程のエリ様からのご提案ですが、嫌です。なんで私と同じ容姿で明らかに私の下位互換に命令されないといけないんだよ。一昨日きやがれこんちくしょーです」


 ん、もしかしてエリツーってエリの事が嫌いなのか?


「下位互換……」


 エリがフリーズして小刻みに震えている。こりゃ怒ってるんじゃないか?


「キャハハハッ。エリツー、中身もまんまエリね」


 アイが笑う。


「中身も優れてます。その臭い口を閉じろガリガリまな板断崖絶壁ガキヤローです」


 アイもカチンとフリーズする。お胸に関する事は多分アイにとって逆鱗なんだろう。気をつけよう。


「くっバナーヌがいればアンタなんかぎっちょんぎっちょんなのに」


「繰り返します。その臭い口を閉じろムニューガキです」


 んー、なんかエリツーって力だけじゃなくて口も強いのか。毒舌でアイを圧倒してる。けど、自己判断しろって言ったのは間違いだったか。めっちゃこの人性格悪くないか? 


 読んでいただきありがとうございます。


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