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 第八十六話 吊り橋効果?


「もういいわよ。こっち向いて」


 振り返ると、エリは着替えていた。やたら荷物が多いと思ったら、着替えも幾つか入れてたらしい。さっきの事を思い出す。一瞬だけど、エリの、エリの下着姿を見てしまった!

 けど、本当に大丈夫なのか? エリ、大爆発してたけど……

 服が一瞬で焼け落ちるような爆風を受けて無傷だった。火傷一つ無い。さっき見たエリの素肌は白くてスベスベしてそうでとても綺麗だった。

 ヤバい、思い出すと、心臓が壊れそうなくらいドキドキしてきた。

 もしかして、エリって火炎耐性系のスキルでも持ってるのだろうか? けど、そんな事聞いた事無いな。そんなスキル持ってたら、エリならめっちゃ自慢してそうだ。

 それよりヤバかったのが、箱から出て来た矢を口で受け止めてた。エリはレベルが高いだけの普通の女の子だと思ってたのに、実際は化け物並みに強いんじゃ? 普通の女の子には飛んで来た矢を歯で受け止めるなんて逆立ちしても出来ない。その前にそれだけの技量があるなら避ければいいじゃん。

 今はもう当然ながら気付いている。エリが出来るって言った罠解除は漢解除だ。ゴリ押しで開けて罠をねじ伏せるってやつだ。うん、ねじ伏せてたな。

 漢解除といい、矢の白歯取りといい、なんて脳筋寄りなんだろう……

 気をつけないと怒らせたら、僕なんか軽く首を捻じ切られたりするんじゃないだろうか? そう言えば、エリの精霊のゴールドは軽くオークを倒していた。どうも精霊は主人の半分くらいの力らしいから、エリはゴールドの倍強いかもしれない。怖ぇ……


「どうしたの、ハルト、そんな顔して?」


 ヤバい。顔に出てたか? こりゃ誤魔化さないと。笑顔、笑顔。どうしても引き攣ってしまう。エリの機嫌を損なわないようにしないと。多分、今のエリはおきにの服が燃えて不機嫌だ。けど、どうしてもエリを見るとさっきの光景が頭をチラつく。見ちゃった下着姿。このドキドキは恐れなのか、それとも興奮してるのか? 分かんない。それより、何か、何か話さないと。


「エッ、エリ、本当に大丈夫なの? ヒールかけよっか?」


「大丈夫よ。派手だっただけで全く問題ないわ。ほら、炎とか一瞬触っても火傷しないでしょ」


 エリは笑う。良かったなんとか凌げたか。んー、炎は決して一瞬では無かった。爆炎に包まれてたような? けど、エリがそう言ってるからそう言う事にしとこう。機嫌を損なって暴れられたりしたら僕たちの誰も止める事は出来ないだろう。


「……鮫肌メスゴリラ……」


 アイがボソリと呟く。命知らず過ぎるだろ。エリに踏み殺されかけたのを忘れたのか? ギギギとエリがアイを見る。その瞳には全く光がない。まるで虫ケラでも見るような目だ。まずい。アイがやられる。せっかく仲間になったのに、トラウマ抱えて逃げ出すかもしれない。


「ちょっとー、何遊んでんですか」


 おっ、モモ、ナイス。


「見てくださいよ。箱の中にまた箱が入ってましたよ。あちっ。あちちっ」


 モモの手にはやたら装飾された箱。手提げバッグくらいの大きさだ。それを熱いものを触るかのように、両手の上で跳ねさせている。熱いなら持たなければいいのに。


「えっ、それってもしかして! ギフトボックス?」


 アイは叫んで駆け寄る。


「……アイ、覚えてなさいよ……」


 地獄の底から響いてくるような低い声でエリが呟く。ダメだ。エリは誤魔化せてない。こりゃいつか血の雨が降るかも……


 読んでいただきありがとうございます。


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