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 第八十二話 解体 (エリ視点)


 血抜きしたあと、ナイフでハルトがオーク2体をまるで流れるような手つきで解体する。ハルトの身体能力のお陰であっという間に終わった。素人のあたしには何が起こってるのか全く分かんない。言われるままに敷いたシートに、皮と肉と使えないものに分けられる。それを冒険者ギルドから借りた専用の袋に入れる。


「なんか、ハルトってなんでも出来ますねー」


 モモがハルトを褒める。


「いや、正確に言うと雑用なら結構色々出来るよ。前のパーティーでは戦う事は無かったから、それ以外は頑張ったんだよ。けど、捨てられたけどね……」


 ハルトが悲しそうな顔をする。ハルトの前の仲間達って何考えてたんだろう? たとえ戦えなくても、こういうサポートする人ってとっても助かる。けど逆に、あたしたち3人は逆に何も出来なさ過ぎる。あたしは城育ちだし、モモはチヤホヤされながら生きてきてるし、多分アイは勉強ばっかな人生を送って来たんだろう。これからは色々出来るようにならないと、あたしたちが追放されてしまう。逃げられるって言った方が正しいかもしれない。


「あたしは、頭脳担当だから、知識はあるから、次はやってみるわ」


 アイが口を開くが何が頭脳担当なんだろうか? バナーヌと遊んでばっかじゃない。次は解体やってみるとか言ってるけど、止めさせよう。悲惨な結果になりそうだ。知ってるだけで何でも出来るなら世話ない。あたしには知ってるけど出来ない事が山程ある。たとえば絵を描く事とか。先生から学んで知識はあるのに全く上達しなかった。


「ハルトって絶対いいお嫁さんになれますよ。あ! そうですね。私のお嫁さんになってくださいよ」


 モモがさらりと爆弾を投げる。何言ってるのよ。この胸デブ! あ、アイの言葉が移ってしまった。これは言ったら負けな言葉。負け犬の遠吠えっぽいから。


「ありがとう。モモ。気持ちだけ貰っとくよ」


 え、気持ちだけでも貰っちゃうの? あたしはモモの考え無しの行動が羨ましい。あたしも何か言いたいけど、言葉が口から出ない。恥ずかしいし、怖いし。


「僕なんかにモモは勿体なさすぎるよ。こんな小手先の事が出来る人なんてたくさんいるし、モモにはもっと素晴らしい人が現れるよ」


 ハルトは本気で言ってる。嫌みでも何でもない。あたしは逆だわって言いたいけど言葉がでない。ハルトの方がモモには勿体ないわ。けど、ハルトには自分は大した事無いってまだ思ってて欲しい。なんか良い言い方ないだろうか? どうでもいい事ならどれだけでも口から出てくるのに、大事な事ってどう言えばいいのか分からない。


「えー、私は本気ですよ。私に嫁入りしたら、私になんでも好きな事やってもらえますよ。一緒に空を飛んだりとか」


 モモは諦めずに言い募る。一緒に空を飛ぶ? それ、あたしもしたい。

 あ、もし、ハルトがモモに嫁入りしたら、あたしは捨てられるんじゃ? 今ってもしかしてピンチ?


 読んでいただきありがとうございます。


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