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 第八十一話 圧倒(エリ視点)


「うっ、さすがオーク。凄く力が強いわー」


 あたしはオークに押されてるふりをする。


「か弱いあたしは腕が折れちゃいそう」


 そう、ハルトを安心させるよりも、ハルトに嫌われないように、か弱い女の子を演じるのよ!


「エリ、遅いですよ。今さらです。腕が折れちゃいそうなのはオークさんの方ですよ」


 モモがちゃちゃ入れてくる。


「そんな訳ないでしょ。あんた見てないで助けなさいよ」


「えっ、オークさんを助ければいいんですが? 見てくださいよ。オークさん、目が泣きそうです。もう家畜や愛玩動物のような目をしてますよ」


 あたしはオークの目を見る。目があった途端に反らされる。あ、まじだ目があたしに怯えている。


「エリっ! 危ないのか? 僕が助けようか?」


 いけない。ハルトがオークに興味をもってる。


「大丈夫よ。あたしは平気よ」


「ぶぎぃーーーーっ!」


 オークが悲痛の叫びを上げる。あ、ハルトに気を取られたお陰で握り潰しちゃった。オークの手……


「ぷぎっ。ぷぎっ」


 オークは手を抱えて蹲る。


「もうっ。うっとうしいわねー」


 もう、なるようになれだ。あたしは、思いっきりオークに蹴りを入れる。オークは大きく吹っ飛んで動かなくなる。


「んー、オーク体調不良だったのかしら」


 つい、言い訳がましい事言ってしまう。


「あーあ、そいつの肉は美味しくないですね。あんまり怯えさせたらお肉が臭くなるんですよ。エリはゴールドを見習ってください」


 モモがゴールドの方を指差す。視界の隅に捉えてたけど、あっちは秒殺だった。


「エ、エリ、大丈夫か?」


 ハルトが優しい声をかけてくる。なんか心無しか声が震えてるような? 多分、オークに対して怯えたいた以上の恐れをあたしに抱いてしまったかもしれない。どっかで挽回しないと、愛想尽かされるかも、いや、逃げられるかもしれない。しくじったわー。


「大丈夫に決まってるじゃないですか。オークを素手で力で圧倒し、蹴り一撃で沈める。全く危うげ無しでしたよ」


 モモが余計な事を言う。


「……怪力メスゴリラ」


「何か言った!」


 ボソリと呟くアイを一喝する。より酷い悪口に進化してる。


「それはそうと、誰かオークの解体できるの? 私は無理よ」


「まあそうでしょうね。アイは態度はデカいけど、胸は小っさい駆け出しの冒険者ですからね」


「鶏、あんた喧嘩売ってるのね。MPが回復したら、私のバナーヌであんたをぎっちょんぎっちょんにしてあげるわよ」


 また、口喧嘩始めてる。けど、モモとバナーヌが戦ったら、やられるのはバナーヌの方だろう。

 なんだかんだで中身はお嬢様なモモは解体出来ないだろうし、城暮らしだったあたしは逆立ちしても出来ない。


「解体なら、僕が出来るよ」


 そう言ったハルトにみんなの目が集まる。


 読んでいただきありがとうございます。


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