第七十八話 危惧
昨日アップし損ねてました(T_T)
時間が来て、ゴールドは一枚の金貨、バナーヌは手足が消えてでっかいバナナの中身になった。バナナは綺麗な布でくるんでアイが持ってる。先に進み、現れるゴブリンはエリとモモの連携で軽く倒されていった。
さらに階段を降り、最下層の地下三層に降りる。今までとの違いは、通路が広い。ここから出てくる魔物はオーク。二足歩行の進化した豚の魔物と言われている。前のパーティーの仲間たちは軽く倒していたけど、僕は戦うのは初めてだ。オークは筋骨隆々な体は固い剛毛で覆われている。見た目は豚というより猪だ。山では猪に襲われて怪我する人もいる。その猪がさらにデカくなり立ち上がり知能もある。まさに化け物だ。僕には倒せる自信が無い。ついつい気が沈む。
「どうしたのよハルト。なんか暗くない?」
エリが立ち止まって話しかけてくる。
「いや、別に」
「別にじゃないわよ。さっきからため息ばっかで何も喋ってないじゃない」
いかんな。ため息ついた覚えは無いんだけど、無意識でしてたのかも。みんなに心配かけないようにしないと。
「あ、もしかしてオークが苦手なんですか? ハルトは肉は豚より牛派なんですか?」
残念天使も僕に絡んでくる。なんでこいつは食べ物の事ばっかなんだよ。確かにオークは食べられる。けど、あの化け物染みた風体を見てすぐに食べ物を思い浮かべる人はそうそう居ない。
「あたしは豚肉の方が好きね。あの豚バラの脂がたまんないわ」
「何言ってんのよ。豚バラは乙女の天敵でしょ。エリあんた自身が豚バラみたいになるわよ。そこの豚胸みたいに。私は牛ヒレ。誰がなんと言おうと牛ヒレよ」
またアイがパワーワードを放つ。豚胸って何だよ。なんで事あるごとにアイはモモの胸について攻撃するのだろうか? 頭が良くて知識豊富なアイだからなんか意図があるはず。あ、もしかして僕の緊張を解すためにわざとモモにからんで賑やかにしようとしてるのか?
「二人ともお子ちゃまですね。そんなだから大きくならないんですよ。女子は黙って両方。豚も牛も分け隔てなく美味しく食べましょう」
「何いってんのよ。別に牛を否定してる訳じゃないわ。一番好きなのが豚バラなだけよ」
「私だってそうよ。牛ヒレが一番好きなだけよ。で、あんたは一番何が好きなの?」
「そりゃ、鶏モモに決まってるじゃないですか」
うん、鶏モモは美味い。僕も鶏モモ押しだな。
「何言ってるのよあんたが牛か豚って言ったんでしょ。あんたが鶏食べたら共食いじゃないの」
「アイ、言ってはならない事を言いましたね。私は鶏じゃなく天使です。天罰を与えましょうか?」
「天罰? やれるものならやってみなさいよ。けど、私に触れたり魔法使うのは無しよ。天罰だから出来るでしょ」
「わかりました。けど、もう天罰は下ってます。胸が大きくならない罰です」
「うわ、腹立つわー。胸が大きくないのは罰でもなんでもないわ。体質よ。あんた今の言葉で世界の胸が大きくない数百万人の人を敵に回したわ。今度一緒に銭湯に行った時に報復するから楽しみに待ってなさい!」
風呂で報復? 何をするんだろうか? けど、女風呂は聖域。何が行われるか伺い知る事は出来ない。
「あ、ハルト元気になったみたいね。表情がやらかくなったわ。はいはい、アイもモモもそこまでよ」
ああ、いい仲間だな。今のコントは僕を元気づけるためだったんだな。最後に少しワクワク感を与えるとこまでアイの計算だったんだろう。やっぱアイは凄いや。
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