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 第七十二話 黄金精霊


「良かったわ。あたしの姿にしなくて。って、何してんのよ、あたしに触んないで」


 エリにモモが手を伸ばすのを、エリはヒラリヒラリとかわしている。何してんだ?


「やっぱエリの精霊だから、エリの格好の方にかえましょう。エリ、金色好きでしょ」


「どうしたんだ? ゴールドがモモの姿だとまずいのか?」


「あっ、そうですよ。ハルト、ハルトにしましょう」


 モモが何か言ってる。


「まずいって、ハルト見てなかったの?」


「バナーヌ達に気を取られてて」


「しょうがないわね。ゴールド、さっきの戦いをリプレイして」


「かしこまりました。ご主人様」


 エリの言葉で、ゴールドが動き始める。

 ゴールドは空中をガシッと掴む。かがみ気味なので、相手は小さい。ゴブリンだな。ゴールドはエアゴブリンを押さえつけて、げっ、おっぱいが尖って伸びてエアゴブリンを串刺しにした! そして、エアゴブリンを捨てて、次のエアゴブリンを掴む。次伸びるのは鼻! 尖った鼻が見事にエアゴブリンの頭を貫通したと思われる。そして、姿は戻り、2匹目のエアゴブリンを捨てて、こっちを向く。怖ぇ、きめぇ。

 ゴールドはモモの姿をしてると言う事は?


「もしかして、モモも今の出来るの?」


 答えによっては、今からモモをモモさんって呼ばないと。


「出来る訳ないでしょ! たしかに動かして殴るくらいは出来るけど、あんなに伸びませんっ!」


「だよねー」


 やっぱそうだよな。モモは天使だからもしかしてとは思ったけど。けど、けど、なんかツッコミたくなるような事言ってるな。『殴る事は出来る?』なんか殴られたいような気もする。これはしょうがない男の夢のうちの一つだから。『あんなには伸びない?』と言う事は多少は伸びるって事か? 見てみたい気がするけど、それを口にしたらエリからは絶交されかねない。こんどエリが居ないとこでコッソリとお願いしてみよう。

 エリ、そう言えば精霊は主人の能力を引き継いでる事が多いようだけど。


「じゃ、もしかして、エリもゴールドみたいな事出来るの?」


 エリの返答次第では、エリへの態度を改めないと。エリ様って呼ばないと。


「えっ、ばれた。実はあたしも鼻がビョーンって伸びて。ってそんな訳無いでしょ。軟体なゴールドだから出来る事よ」


 ちょっとだけエリの鼻が伸びるのを想像してしまった。エリがのってくるのはレアだな。上機嫌みたい。自分のゴールドが有能だからだろう。けど、今までの精霊の力を考察すると、主人の半分くらいの身体能力を持ってるみたいだ。と言う事は、エリはゴブリンを一撃死させる力を余裕で持ってるって事だ。さすがレベル20。人間辞めかけてる。


「それはそうと、バナーヌは戦えないの?」


「エリ様、わたくしめは非戦闘要因ですから、担当は兵站です」


 エリにバナーヌがこたえる。兵站って軍隊用語で補給とかそんなのだったな。まあ、要はバナーヌは動く弁当って事か。ちなみに、バナーヌの先端は剥かれて食べられている。アイ、早弁したな。




 読んでいただきありがとうございます。


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