第七十一話 性別
ばたんきゅーで、泥沼のようにまどろんでました。ストック欲しい。時間が欲しいです(T_T)
「行けー、バナーヌ!」
「行くのよ! ゴールド!」
アイとエリが檄を飛ばす。部屋の中央には2匹のゴブリン。2体の戦闘能力を試すのには最適だ。
階段を降りて地下2層をうろついての初戦闘。部屋に入る前に僕にはその存在が分かってたので、ゴブリン2匹居る事はみんなには伝えてある。精霊2体を前衛に部屋に入り、戦闘が始まった。
「承知いたしました。エリ様」
ゴールドは金色のモモの姿。モモの声で丁寧に答えるとゆっくりとゴブリンへと歩を進める。
「何やってんのよ、バナーヌ。あんたもゴブリンと戦いなさいよ!」
アイがバナーヌを後ろから軽く押す。
「ご主人様、僭越ながら言わせていただきます。私は戦闘は不得手です」
バナーヌがテノールっぽい声で答える。バナーヌがテノール、なんか語感がいいな。どうでもいいけど、良い声だ。
さらにどうでもいいけど、こいつ性別あるのかな? 剥き出しの手足は人間のそれっぽい、よく見ると毛は全く生えてない。無駄毛処理してるのだろうか? バナナのくせに。さらにさらにどうでもいいけど、僕は元々すね毛は薄かったんだけど、エリと出会ってから人知れず剃っている。エリは髭が好みじゃなかったから、多分モジャモジャは好まないんだろう。僕的には男の毛深いのはワイルドで格好いいから胸毛でも生えてくれないかなーって思ってたけど、女の子はそうじゃないみたいだ。僕の好みより、エリたちの好みに合わせてた方が無難だろう。
それでバナーヌの足に見つけてしまう。よく見ると爪がピンク色に塗ってある。ペティキュアって確か言うんだっけ? 足のマニキュアって呼べばいいのにって思う。僕の頭にバナーヌが椅子に座ってペティキュアを塗ってるビジョンが浮かぶ。なんとも言えない。ただ一つ言える事は、性別があるのかは別として、多分バナーヌの中身は乙女だ。今まで僕の出会った人で、ペティキュアをしてた男は居ない。そうと分かれば、不用意にバナーヌに触らないようにしないとな、セクハラって騒がれるかもしれない。
「やってみないとわかんないじゃない? バナーヌ、戦ってみてよ」
僕が考えてたのは一瞬。アイが話す。スライム島に言ってから、めっちゃ考えるのが速くなった。
「では、質問ですが、ご主人様はゴブリンと戦って倒せますか?」
「私は戦闘職じゃないから無理よ、か弱いから。んー、マジックミサイルをぶつけて当たり所が良かったらやれるかもね」
「そうでしょう。その非力なご主人様の半分しか私の腕力は無いのですよ。戦ったら推して知るべしです。ゴブリンが私の中身で舌鼓を打つだけです。それとも私がマジックミサイルを撃ってもいいんですか? もっとも威力はご主人様の半分しかないですけど」
「んー、マジックミサイルは撃っちゃだめ。魔法、一回しか使えないでしょ。マイトに取っといて。わかったわ。やっぱり私のバナーヌは愛玩用なのね」
そう言うとアイはバナーヌに抱き着く。バナーヌはそれを受け止め、アイの背中に手を回そうとして止める。
「ご主人様が私を愛してるのは承知しておりますが、ここは戦場です。我慢してください」
戦場って言ってるけど、お前、戦わないんだよな?
「無理よ無理。そんなに良い匂いさせて。やっぱりバナーヌは最高だわ」
んー、僕は何を見させられてるんだ?
「グゲッ!」
「グワッ!」
汚い叫び声の方を見ると、ゴブリン2匹が床に倒れ込んでいる。あっちは終わったのか? あーあ、アイとバナーヌを見てたおかげでいいとこ見逃した。やっぱゴールドは強いんだな。
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