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 第六十四話 追放側 (ジェイル目線)

 また、寝坊しました(>_<)


「クソがっ。また今回も赤字だ!」


 俺は倒したミノタウロスの頭を殴りつける。もう倒してるんだが八つ当たりだな。良くわねー。


「ジェイル、しょうがねーよ。あれはかわせねー」


 バートンが俺の肩を叩く。今日、バートンの盾がぶっ壊れた。新しいのを買うしかない。そうなんだ。しょうが無いんだ。だから腹立たしい。

 なんとかターゲットは倒した。けど、使った薬の金額、傷ついた武具の修理、あと使った魔道具のチャージの金額を合わせれば赤字だ。まだ金は有るが今日もボロ宿で雑魚寝で飯は最低限なものだ。


「ねぇ、バートン。やっぱ装備売ってポートカインに帰らない?」


 イリスが俺に回復魔法をかけながら弱音を吐く。俺だって何度そう思った事か。


「今は辛いけど、レベルアップしてもっと奥に行けば楽になるわ」


 ミレが肩で息をしながら言う。彼女には戦闘では負担をかけっぱなしだ。補助魔法、攻撃魔法を目まぐるしく使って貰ってる。一番きついはずの彼女がそう言ってるんだ。頑張るしかない。

 俺達は戦利品をまとめ、迷宮を後にする。


 ハルトを追放してから歯車が狂って来たような。けど、あいつが居たら俺達はまだ低ランクを彷徨ってた訳だから後悔はしない。パーティーの共有財産で全員に最高の装備を買い、あとは迷宮で手に入れた魔道具で俺達は躍進した。けど、一つの誤算はハルトが居なくなってから、明らかに稼ぎが落ちた。たまにドロップする高額なアイテムが出なくなったんだ。

 街で最高級の武具と防具を手に入れた俺達は強くなった。けど、その維持のためには金が必要で、より強敵が居る迷宮に行かざるを得なくなり、王都に移動した。けど、敵が強くなるとさらに出費が増え、資金が全く増えない。強い敵には更に強い武具が必要で金が飛んでいく。なんか一年前の低ランクだった時の方が裕福だった。

 あの頃は俺らは誰にも認められてなかった。だが今はどこに行ってもチヤホヤされる。それでまた余計に金を使ってしまう。どうしようも無い負のスパイラルだ。


「今日も魔道具ドロップしなかったな」


 横になったバートンが呟く。


「ああ」


「ドロップ率アップって地味にお金になってたんじゃない?」


 ミレが誰にとはなく話す。


 そう、ハルトは生きてた。多分、それは運命だろう。


「そうだな。荷物持ちで雇ってやるか」


 あの辛気臭い顔を見るのは気が進まないが。ドロップ率が上がって稼ぎが増えたらまたどっかに捨てたらいいか。


「じゃ、私に任せて。あいつ、私の言う事ならなんでも聞くから」


「イリス、任せた。それでもグダグダ言うならまたぶん殴ってやるよ」


 まあ、これで、少しは金に余裕が出来るだろう。面倒くさいがポートカインに向かうとするか。


 読んでいただきありがとうございます。


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