第六話 人外 (エリ視点)
「フルーツ、大好きなんだね。ゆっくり食べなョ。沢山あるョ」
ハルトがニコニコしながらこっちを見ている。うー、さすがにフルーツこんなに食べたらお腹一杯になってきた。ちょっと小休止。
「沢山あるって、どういう事? この島にはアンブロシアが生るの?」
「何? アンブロシアって?」
「フルーツ、フルーツよ」
「ああコレね。これ、スライム倒したらたまにドロップするんだョ」
「ドロップ!?」
「うん、僕のスキルはドロップ率アップだから」
え、何言ってるの? スライムがアンブロシアをドロップする? そんな話聞いた事も無い。ちょっと疲れるけど、鑑定のスキルの上位スキル、『詳細鑑定』を使う事にする。
『ハルト・バークレー
ヒューマン
17歳 レベル5
力 251
器用 203
敏捷 215
耐久 288
知力 201
魔力 211
ヒットポイント 296
マジックポイント 255
スキル レアドロップ率アップ』
「はぁあ? な、なにコレ?」
あたしはあたしのスキルがバグったのかと思った。あたしはあたしの手を見て、自分自身を鑑定してみる。
『エリザベス・フォン・ミッドガルド
ヒューマン
17歳 レベル20
力 11
器用 15
敏捷 12
耐久 13
知力 18
魔力 15
ヒットポイント 19
マジックポイント 21
スキル 鑑定 レベル10
プリンセス レベル3』
うん、バグってない。それに、ヒットポイントとマジックポイントが特に上がっている。さっきの実の中でも特に貴重なヒットポイントが上がる『命の桃』とマジックポイントが上がる『奇跡のチェリー』を多めに食べたからだ。能力値の数値はレベルアップしてない人だと20が最高だと言われている。10あれば凄い方でだいたい一桁だ。能力値はレベルアップするたびに、一つか二つ、めっちゃ幸運で三つ上がる。だから、ハルトの数字はあり得ない数字。レベル換算すると1000くらいの、それこそ伝説の生き物相当なんじゃないだろうか?
あたしはじっとハルトを見つめる。そして、出来るだけ自然な笑みを浮かべる。言葉を間違えちゃいけない。あたしの前に今居るのは世界最高クラスの化け物だ。
「ね、ねぇ、ハルトはなんでここに居るの? あ、あと、ここはどこなの?」
どうしても声が震える。だって力251だよ。あたしなんか簡単に捻り潰せる。
ハルトの顔が一瞬曇る。もしかして、あたし、踏んだ、地雷!
「面白くない、話だけど、ボクの話シュるよ」
たどたどしくハルトが語り始める。少しはマシになってきたけど、まだ聞き取り辛い。
どうやら、ハルトは元々冒険者で、仲間達にこの島に置き去りにされたらしい。酷い話だ、聞いてて腹が立つ。ただスキルが微妙ってだけで置き去りにされるなんて……
あと、ここはスライム島。聞いた事はある。冒険者には人気が無く、人が立ち寄らない魔窟。困ったわ。どうにかして、ここから大陸に帰らないと。
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