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 第五十話 初討伐 10 (アイ目線)


『召喚のオカリナ』


 本当に極々稀に魔物からドロップすると言われている魔道具。そのものにより性能に色々違いはあるが、吹いたら魔物を召喚して戦わせたりする事が出来るものだ。性能によりけりだけど、安いものでも買い取り値で数百万はするものだ。一瞬懐に入れてしまおうかと思ったけど、さすがに助けてもらってそれは人道に反する。


「ハルト、見てこれ。オカリナよ。オカリナ」


 私はつい、ハイテンションでハルトに話しかける。だってオカリナだよ。


「へー、オカリナだね。ゴブリンって楽器使ったりもするんだね」


 え、知らんの? まじか。うまくやったら貰えるかも。


「違うわドロップアイテムよ」


 アレクもメリーも全くオカリナに興味を示さない。そりゃそっか。激レアアイテムだから知らないのね。


 そして、耳と金目なものを集めて、一端洞窟の外に道具を取りに戻る事にした。




「アレク、メリー、アイ!」


 洞窟を出るなり駆け寄って来る少女バーバラだ。うそ、生きてる。そしてその後ろには見た事が無い人が二人。仮面をした女の子と、仮面をした天使がいる。もう訳が分からない天使がいるって事は、もしかして私はもう死んでてここは天国なのかもしれない……


「ハルト、終わったの?」


 天使じゃない方の女の子が腕を組んで口を開く。


「うん、弱いゴブリンしか居なかったから楽勝だったよ。エリもモモも酷くない? 僕が戦うの見たい見たい言ってたのに」


「あたしは、洞窟は嫌いなの」


「ま、エリさんはそうでしょうね。私も羽根が汚れるからもう少し大きな洞窟じゃないと」


 今の会話から女の子はエリさん、天使はモモさんって名前ね。


「あなたたちは、ハルトさんのパーティーメンバーですね。助けて貰ってありがとうございます」


 アレクが女の子二人に頭を下げる。


「あ、いいからそういうの」


 エリさんは軽く手を振る。


「あたしたちは仕事でやってるから。ハルト、ヒールは何回使ったの?」


「えっ、3回だよ」


「じゃ、3回で一万五千ゴールドね」


「ちょっと待ってくれ。あれが普通のヒールのはずが無い。エクストラヒール以上の魔法だろ。金額は幾らでもいい。命を助けて貰ったんだから、一生かけてもその金額は払う」


 エリさんは腕を組んで考える。意外にアレクって義理堅いのね。まあそうじゃなきゃ神官がついてこないわね。


「エリさん、金づるゲットじゃないですか」


 天使さんの口から金づるって言葉が……


「モモ、黙ってて。ハルト、ハルトが使ったのはヒールよね」


「うん、ただのヒールだよ」


「ハルトがヒールって言ってるからヒールなのよ。はい、一人五千ゴールドづつ払ってねー」


「けど」


 まだ、アレクがごねてる。


「ヒールの代金でいいから、その変わり、今日の事は他言無用。あたしたちはあんまり目立ちたく無いの」


 それは嘘でしょ。天使さんもバケツヘルムのハルトも目立ち過ぎでしょ。けど、多分、このエリさんもいい人だ。私達があんまりお金持ってないのを慮ってくれてるんだろう。

 アレクたちはヒールの代金を払って、エリさんとアレクが交渉して、洞窟の片付けと戦利品を運ぶのに私達は雇われる事になった。けど、その前に私たちはドロドロなので近くの水場で格好を整える事になった。



「俺は兵士になる。もっと強くなる」


 アレクが口を開く。私たちはまた汚れるから服の汚れが酷いとこだけ川で洗ってるけど、アレクは川に腰まで浸かってる。


「私は神殿でもっと修業する」


 メリーも辞めるのね。


「あたしももっと修業する」


 バーバラも。私はどうしよう。私の頭に浮かんだのは、人がいいバケツヘルム。そうだ寄生しよう! ハルトと一緒なら安全に強くなれそうだ。みんなは死にかけたから、もう冒険がトラウマになってるんだろう。私一人で寄生する事にしよう!

 


 読んでいただきありがとうございます。


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ランキングからとりあえず50話まで読んでみるかと思い一気読みしました。 期待はずれでした。時間返して
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