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 第四十九話 初討伐 9 (アイ目線)


「誰か、助けてくれよ」


 アレクが部屋の奥で上体を起こしている。あ、生きてる。あんなにグサグサやられてたのに。


「大丈夫? アレク。うっ……」


 駆け寄ったメリーが後退る。


「なんか、足が痺れて動かないんだ。手を貸してくれないかい?」


「うっ、アレク、アレク、くちゃい」


 メリーは鼻を摘まむ。


「しょうがないだろ。死にかけてたんだから脱糞の1つや2つはするさ。それより、兜の人、ありがとう。助けてくれて。あと回復魔法もありがとう」


 アレクはハルトに礼を言う。あ、そう言えば、私、ハルトにお礼の1つも言ってない。


「あ、あの、言い忘れてたけど、ハルトありがとう」


「いえいえ、困ってる時はお互い様だよ。それでお願いがあるんだけど、誰かナイフ貸してくれない? ゴブリンが使ってたのはあんま切れ無いし、千切るのはなんか気持ち悪いからね」


 ゴブリンの討伐証明は右耳だ。なんで右耳になったか調べたとこ、冒険者は右利きが多いからゴブリンの左耳の方が損傷率が高いからって本には書いてあった。けど、当然やりたくはない事だ。


「ハルトさん。それは駄目だ。俺たちの武器は貸せない」


 うんこたれが何か言ってる。


「なんでよ! 私のナイフ貸してもいいでしょ」


 メリーの態度が今までと全く違う。今まで、なんでもアレクにはイエスだったのに。うんこ漏らしたくらいで変わりすぎでしょ。いや、私もアレク、なんか嫌だ。


「おいおい、メリー、ハルトさんにゴブリンの耳削ぎなんかさせる気かー? それは俺たちがやるべきだろ。ハルトさん、俺ら耳削ぐの得意なんですよ。特にメリーなんてもうプロフェッショナル。子供の頃から色んなものの耳を切って来たらしいっす。パンの耳とか」


 アレクってこんな調子いい人だったんだ。ていうか、なんかハルトにビビってるように見える。そりゃそうよね。


「何いってんのよ。アレク。私はそんな耳削ぎプロじゃないわよ、え、パンの耳? そうねー。得意よ。やっぱりサンドイッチはパンの耳は削いで、耳はラスクにして食べる。これ最高!」


 メリーも愉快な事言ってるけど、これは天然だろう。


「いや、君たち疲れてるだろ。僕がやるよ」


 ハルトはそう言うと、ゴブリンの錆びたナイフで始めようとする。


「あ、それなら、雇ってください。偵察料だけじゃ赤字なんで、討伐料の1割でいいんで、当然運ぶのもやりますんで、俺らに耳を集めさせてください」


 アレクが立ち上がる。パンツの裾から何か転がり出たけど、見なかった事にする。そして、メリーのナイフを奪って耳削ぎし始めた。うん、早い。それに全く躊躇いが無い。私も手伝うべきかと思ったけど、それはアレクに任せる事にして、換金できそうなものとドロップアイテムを集める事にした。そして、私は見つけた。伝説と言っても良い程のレアなアイテムを……


 読んでいただきありがとうございます。


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