第四十五話 初討伐 5 (アイ視点)
明日から、また、ハルトが出てきます。ハルトのイカレポンチ具合は、他人目線の方が分かり易いかと。やっと、ハルトのパーティーが集まるので、それから進撃です。
あと、来週は忙しいですけど、再来週にはペースをあげられそうです(^-^)
「よっしゃ、これにしよーぜ。まあ、ゴブリン退治なんてどれも一緒だろう」
アレクが掲示板から依頼書を取る。綺麗で新しい。多分、今朝貼られたものだろう。新規依頼がこの時間まで残るのはおかしい。そう思って内容を精査する。
『洞窟に住み込んだと思われるゴブリンの討伐』
なんかモヤッとした文章ね。けど、ゴブリンが居なくても探索料は貰えるみたいだ。一見問題ないように見えるけど。
「ねぇ、アレク、これ止めましょう。ゴブリンの予測個体数が書いてないわ。多分、こういう事よ。その洞窟近辺で依頼してる村の誰かがゴブリンを見かけた。洞窟に居着いてると思うけど、数は分からない。数が分からないって事は、こっちも対策が難しいわ。23匹かもしれないし、十何匹かもしれない」
出来るだけ客観的に私見を述べる。
「そっかー。そう言えば数書いて無いな。けど、関係ねーよ。ゴブリン如き何匹来ても俺の剣の錆にしてやるぜ」
「そうよね。アレクならゴブリン何匹でも大丈夫よね」
神官のメリーがアレクにしなを作る。ぱっと見清純そうに見えるメリーだけど、なかなかしたたかなのかもしれない。
「そう、安心しなよ。あたしたちは前衛二枚のパーティーなんだから」
バーバラが不敵に笑う。
「任せとけ。なんかあったらアイの事は俺が守るから」
そう言って微笑むアレクに私は安心してしまった。さすがに何十匹もゴブリンが居るとは思えないし、調べるのは洞窟。前衛二人居るパーティーで、ゴブリンにやられるビジョンは見えない。かなり色々ミスをしない限り。
私たちは、準備して冒険に向かう事にした。乗り合い馬車が往復してる村だから、今から出発しても昼過ぎくらいには着く。それから探索して、夜までには帰って来て換金して私の歓迎会を開く事になった。
「まじかよ。ゴブリンのくせに見張りなんか立ててやがる。ひっひっひ」
アレクは洞窟の入り口に立ってるゴブリンを見て笑ってる。見張りは二匹で、明らかにやる気は無く、一匹は座って寝てる。しかも鼻提灯が出来てる。初めて見た。それにアレクがツボってる。あんまり声を立てないで欲しい。見つかるわよ。
「で、どうすんのよ」
バーバラが問いかける。
「決まってるだろ。突撃ーっ!」
アレクは剣を抜き駆け出す。
「あっ、待ってよー」
バーバラもそれに続く。もうっ。幾らなんでもゴブリン舐めすぎでしょ。一瞬、帰ろっかなと思ったけど。ゴブリンがいる森を一人で帰るのは心細い。歩き始めたメリーに私もついて行く。私もゴブリンを舐めてたんだと思う。ゴブリンだけじゃなく冒険も。討伐依頼には常に命の危険があるって事を忘れていた。
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