表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/225

 第三十話 天使


「魔王よ、その悪行を悔い土へ還りなさい」


 心を洗うような澄んだ声。僕の目の前に天使が降り立つ。ステンドグラスの光を浴び、まるで女神様みたいだ。キリッとした端正な顔、ウェイビーな金髪に青い目、右手には輝く剣、左手には鏡と見間違うくらい磨かれた盾。背の丈は160センチ有るか無いかくらいだろう。そして、何より目を引くのは大っきな胸。メロン、メロンが二つ生えてるみたいだ。僕は夢でも見てるのか?

 ん、見惚れててスルーしかけたけど、なんか物騒な事言ってたような?


「えっ? 魔王? 僕っ?」


「そう、貴様の事だ。この世に仇なす人類の敵。今ここで、私が引導を渡してくれる。ついて来い」


「何よ? ちょっと待ってよ、貴方は誰? 何者なの?」


 エリが僕と天使の間に入ってくる。


「私の名はモモエル。神に選ばれしスキルを持つ者。先日、神託でこの街に強大な力を持つ者が現れると承った。それは貴様に違い無い。私には見える。その強大な力が」


「ん、なにそれ。確かにハルトは強いわ。けど、邪悪じゃないわ。天使に喧嘩売られる筋合いは無いわ」


 おお、さすがエリ。天使相手にも怯んでない。


「その前に、人違いじゃないのか? 僕は強く無いよ?」


 僕はレベル5のザコだよ。悲しい事に。


「口ではなんとでも言える。正さを示したいのなら力をみせろ。外に出ろ」


 天使、モモエルはツツーと浮かんだまま外に向かう。なんか会話が成立してないような?


「ねぇ、なんなんだろこれ。何も無かった事にして採取に行っちゃだめかなー」


「そうしたいとこだけど、見てる人が沢山いるわ。天使を蔑ろにしたら、今後神殿の治療を受けられなくなるかもしれないし、神官の仲間が出来ないかもしれないわ」


 さっきエリ、思いっきり蔑ろにしてなかった? エリが言う通り、参拝者たちは、驚いて僕らに注目している。


「けど、なんか明らかに面倒くさそうな人だったよね」


「そうね、けど、しょうが無いわ。取り敢えずついていきましょう。ハルト、頑張って」


 エリがそう言うならしょうがない。なんとか説得しよう。


「うん、分かったよ」


 天使なんて物語の中の生き物だと思っていた。正直、今、何が起こってるのか訳が分からない。けど、取り敢えず天使が行った方についていく。  


「準備はいい?」


 外では天使が屈伸運動からの伸脚運動をしている。胸部で何かが跳ねている。本当に人間なのだろうか? あ、天使か。


「だから何の準備だよ?」


「ルールは簡単、戦って勝った方が負けた方の言う事を聞く。私の望みは一つ。私に負けたら、貴様は私と一緒に人がほとんど居ない所でひっそりと暮らす事」


 モモエルの言葉にエリが返す。


「え、それってもしかして、プロポーズ? ハルトを婿にしてスローライフするつもりね。だめっ。ハルトと先に出会ったのは私よ!」


 えっ? プロポーズ? たしかにそう聞こえない事も無いけど、たしかに天使は魅力的だけど、まだ、出会ったばかりだし。エリだっているしどうしよう?


「ハルト、何考えてるのよ。いいわよ。殺さない程度に軽く揉んでやりなさい!」


「えっ……も、揉むの? 軽く?」


 僕はつい天使の物体を見てしまう。


「何勘違いしてんのよ。ほら、ほら、厳ついおっちゃんとかが、言うでしょ。『いっちょ揉んでやるかー』って。あれって、軽く相手してやるよ的な意味でしょ」


「そう……なんだね。けど、僕は女の子相手に手は上げられないよ」


 天使と言えど可憐な女の子だから、戦うのはちょっと……


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ