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 第二十二話 武器


「ハルト、大丈夫? こっちは終わったわ」


 エリは近づいてくると、僕の後ろに回る。


「傷は大丈夫みたいね。血も出てないし」


「そうだね。上手く剣の腹に当たったのかなー。そうじゃないと、剣って簡単に折れないよね」


 むしろ、そうじゃないとほぼ折れないから、そうだったんだろう。


「そうね。それより、かばってくれてありがとう。ハルトは命の恩人ね。それに、ハルト凄かったわ。格好よかった。非の打ち所が無い唐竹割りを華麗に棒で打ち払ったの。本職の剣士みたいだったわ」


 本職の剣士もなにも、僕は剣術なんて一度も習った事ない。それより、なんかエリとの距離が今までより近いような?


「いやいやそれは言い過ぎだって。相手が良かっただけだよ。それにしても、なんかアイツ、大した事なかったね。25とか言ってたのに」


 レベル25なら、エリよりも強いはず。けど、そうは思えなかったなー。


「んー、多分、25って年齢の事だったんじゃ無い? こんなツルツル頭だけど、俺は25歳ってアピールしたかったのよ」


 つい、少し笑ってしまう。人の容姿で笑うもんじゃないけど、アイツは悪人だから問題ない。


「訳分かんないね。それじゃ変な人じゃん」


「そもそも、旅人からカツアゲしようとしてる時点で、まともな人たちじゃないわよ。けど、ごめんね。目立たないようにしようって言ったのに、我慢できなくて。あたし、ああいう風に、弱い者をいじめるようなのって、大っ嫌いなのよ」


「いいよ。僕もそういう奴は大っ嫌いだから」


 頭の中に、僕を追放したパーティーメンバーの顔が思い浮かぶ。もっと強く成りたい。あいつらを見返せるように。


「あーあ、ひのきの棒、折れちゃった……次は折れない武器買おう」


 なけなしのお金で買ったものだから痛い。


「折れるからいいのよ。例えば剣で頭を思いっきり叩いたら、人って死んじゃうでしょ。けど、ひのきの棒だったら先に棒の方が折れるから頭を骨折しにくいのよ」


 そっか、エリは万が一でも出来るだけ人を殺したくないんだな。今も間違い無くあっちはこっちを殺しにきてたのに、エリは誰一人殺してない。


「ハルトも見たでしょ。剣も簡単に折れるのよ。折れない武器を買うよりも、ひのきの棒を折らないように戦う練習した方がいいと思うわ」


 そうだな。スキンヘッドの剣なんて2本も折れた。素人はすぐに武器を駄目にするって聞いた事がある。剣はそこそこ値が張る。安いひのきの棒で武器を大事にする訓練をした方がお金の無駄にならなさそうだ。


「で、こいつらどうしよう」


 転がってる男が10人前後。


「盗賊なら、街で役人に売れますよ」


 馬車の影に隠れてた乗客の商人が話しかけてくる。


「残念だけど売れないわよ。多分、こいつら役人よ」


 エリはそう言うとやれやれのポーズをとる。えっ、こいつらが役人?


 読んでいただきありがとうございます。


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