第百九十九話 蒲焼き祭り
遅れてすみません。色々、『最強の荷物持ち』の書籍化の事とかありまして。素晴らしいものになりますので、そちらもよろしくお願いします。
「野菜も食べないとダメだよ」
僕は美味そうに焼けたタマネギ、キノコ、ピーマン、人参もみんなの皿に配る。野菜を乗せる度にアイは嫌そうな顔をする。多分アイが小っこいのは食べ物の好き嫌いが激しいからだ。アイは食べ物を残す事は無いけど、普段は肉や魚ばっかり食べてるイメージしかない。まあ、ここではフルーツばっかり食べてるけど。ここは心を鬼にして野菜を沢山食べさせないと。
「ハルトぉ、私は、野菜はもういいわ。ぐふぅっ」
アイ、今、なんか凄い音がしなかったか? 今のはしゃっくりなのか? もしやげっぷなのか? どっちにしても背中トントンしてあげたがいいかなー? けど、僕は心をオーガにする。
「ダメだよ。アイ。野菜もちゃんと食べないと体に悪いよ」
「そうですよ。ちゃんと野菜も食べないと立派に成長できませんよ」
モモが会話に割り込んでくる。胸をブルブル揺すってる。めっちゃ頭悪いこと人っぽい。多分モモはただ煽りたいだけっぽいな。エリは僕が焼くだけじゃ満足出来ず、自分でも焼いて食べてる。大丈夫かなー? 今のやつ生じゃなかったか?
「分かってるっ、けど……、もう、野菜食べる余力がないわっ。それに、成長率したとしてもあんたみたいにはなりたくないわ。妖怪おっぱいお化け!」
「妖怪? 何言ってるんですかぁー? ひがみにしか聞こえませんねー。んー、私はこれくらいにしときます。体型維持は大事ですからねー」
モモはそう言ってるけど、かなり食べたよな?
「そんなに無理して食べなくても、まだうなぎはパンドラが沢山ストックしてるよ」
「ダメよ。これじゃないとダメなのよ。ちょっとー、エリ、私の分も少しとっててよ」
何が彼女たちをそんなに大食いに駆り立ててるんだろうか?
「アイ、そんな無茶して食べなくても。お腹壊しちゃうよ」
「そうね。けど、女には引いちゃいけない時があるのよ。まだ、まだいけるわ。ハルト、おかわりっ! 野菜も食べて見せるわっ!」
まあ、本人がそういうなら好きにさせとこう。アイは負けず嫌いだからな。けど、エリは真正の化け物だ。張り合う事自体が間違ってると思う。多分、彼女は自分の体重くらいの蒲焼きを食べてるんじゃないか? それなのに体型は全く変わらず、美味しそうにまだ食べ続けてる。見てるこっちが胸焼けする。
「もう、無理ー」
しばらくしてアイはダウン。それでも頑張ったと思う。途中で脱落したモモの倍は食べてると思う。十分にアイも化け物だ。けど、エリと違うのは明らかに体型が変わってる。簡単に言うと胸より腹が出ている。中年男性みたいだ。
「だらしないわね。じゃ後はあたしがいただくわよ」
まだ、エリは蒲焼きを食べ続けてる。味に飽きないんだろうか。しかも野菜もかなり食べてる。けど、エリが美味しそうに食べてるのを見ると、なんか頑張って良かったなって思えるよ。
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