第十九話 街道
忙しくて、時間が無くて、更新回数を減らそうと思います。基本的に12:00毎日更新予定です。
新しい連載の企画や、他作品『最強の荷物持ち』の手直しなどありまして、落ち着いたら、頻度を増やそうと思います。よろしくお願いしますm(_ _)m
「おい、お前ら全員馬車から降りろ」
モヒカンの男が、馬車の荷台に身を乗り出す。まさか噂には聞いた事はあるけど、盗賊団か? 王国のこんな内部で遭遇する事があるとは……
僕たちは、まずはポートカインで冒険者として生計を立てる事にして、乗り合い馬車で向かってたとこだ。いきなり馬車が停まったと思ったら、外から何人かの男の恫喝する声が聞こえて来た。僕はひのきの棒を握り締める。何かあったら、エリだけでも守る。
「騒ぎにしたくないわ。大人しくしましょう」
エリがそう言うならそうしよう。乗客は僕らの他は太った商人みたいなおじさんだけだ。僕たちは荷台から降りる。
「おいおい、四人だけかよ。しょっぼいなー」
外には武装してゴツい男が10人程いて、その中でも一際大きなスキンヘッドの男が口を開いた。御者も含めて僕たちを舐めるように見る。
「しっかも、金も持って無さそうだな。けど、これは規則だ。通行料に全財産の3割払え」
規則? なんの規則だよ。
「ええーっ、待って下さいよ。3割、そんなの無理ですよ」
御者がオーバーアクションでスキンヘッドに話しかける。そして、足下にすがりついてさらに続ける。
「そんなに払ったら今日の稼ぎ無くなりますよ。頼みます。お願いします」
「ちぇっ。しょうがねーなー。俺達だって好きでやってる訳じゃねー。今回だけは見逃してやる。1割、1割でかんべんしてやるよ」
「ありがとうございます。ありがとうございます。助かります」
そう言うと、御者はスキンヘッドにお金を払う。
「私はこれで1割です」
商人も財布を出して、その中からお金を出そうとする。しょうが無いな。僕らも騒ぎにしたくないから払うとするか。
「待ちなさい。何、素直に払おうとしてるのよ」
エリが商人を止める。え、大人しくするんじゃないの?
「その御者とそこの男はグルよ。元々、あたしたちから全財産の1割取る予定だったんでしょ。抵抗されたら面倒くさいから、こんな茶番してるんでしょ。そもそも、なんであたしたちが、あんたたちなんかに通行料払わないといけない訳?」
「ねーちゃん、そりゃ簡単な事だ。ここいらは物騒だ。俺らがお前らを守ってやるが、俺らだって霞を食って生きてる訳じゃねー。働く代わりに少し代金を貰うって言ってるだけだ。ビジネスだよビジネス」
このスキンヘッドのおっさん。弁が立つな、チンピラじゃなくて、しっかりどっかで教育を受けてそうだ。騎士崩れなのか?
「物騒なのは、あんたたちよ。こんな街の近くで危険な事とかある訳無いじゃない。あたしたちみたいな旅人にたかる暇あったら、魔物でも討伐して稼げばいいじゃない。あたしたちは急いでるんだから、さっさと消えなさい」
「ガハハハハハハッ! 威勢いい姉ちゃんだな。どうやら少し痛い目みたいようだな。て言うか、その変な仮面はなんだー? おい、お前ら、コイツが素直になるまで痛めつけろ! その仮面も引っ剥がしてやれ!」
ええーっ。エリ何やってんだよ。こんなゴツい男たちに何喧嘩売ってるんだよ。男たちは武器を抜く。ど、どうしよう……
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