第百八十二話 シーサーペントスタンピート
すみません、遅くなりました(>_<)
「あたしたち、船で島の回りを一周するんだけど、ハルトも来ない?」
エリが水着で部屋に入ってくる。今日はお休み。みんな自由に過ごす事になった。けど、ここで自由と言っても僕はここに1年済んでて行ってないとこも無く、この島には娯楽になるような場所も思いつかないので、家でゆっくりとしてた。
島を船で回る。魅力的だ。それはやった事が無い。
「けどさ、船って一端ポートカインに戻ったんじゃないの?」
「何言ってるのよ。忘れたの? 船、一ヶ月借りてるじゃない」
あ、そうだった忘れてた。もし迎えが来なかったら嫌だからって、エリ、船を一ヶ月借りてたんだった。魔道船をそんなに借りるなんてお金どんくらいかかるんだろう?
「そうだったね。僕も行くよ」
そして、僕たちは、みんなで魔道船に乗って島を一周する事にした。
「んもう。何よこれキリが無いわねー。マジックミサイルっ!」
アイの手から白い丸太みたいなのが生み出され、おおうなぎに向かって飛んでいく。丸太が当たったおおうなぎは弾け散る。なんだあれは丸太投げの魔法なのか?
「どっせいやーっ!」
モモは奇声を上げながら急下降してドロップキックでうなぎを蹴り潰してる。そして、また空に飛び立つ。なんかああいう狩りをする鳥って居たなー。
やばっ! うなぎの群れが船に上ってこようとしてる。僕の横を走り抜ける金色の影。
「ハーッ! シャッ! ていっ!」
エリは近づいて来たうなぎを流れるような動きで殴る殴る蹴る。そしてうなぎは爆ぜる爆ぜる爆ぜる。エリが動く度に船が揺れまくる。あっ、一匹反対側から上ってこようとしてる。エリは間に合わないな。しょうがない。僕は走ってうなぎを蹴っ飛ばす。うなぎの頭が消えて体だけが残る。このおおうなぎって強そうに見えるけど、くそ弱いんだよね。スライムよりちょっと固いくらいで殴ったり蹴ったりするとすぐ潰れる。身は生臭くてスカスカしてて正直美味しくない。調味料をしっかり使えば美味しく出来るのかもしれないけど、やり方分かんないから、それより普通の美味しい魚を焼いたが早い。
「マジックミサイル!」
「あちょー!」
「はい、はい、てーい」
アイ、モモ、エリが暴れまくる。なんでこの人たちこんなに強いんだろう? 見てて分かる。異質、異次元な強さだ。三人がうなぎを狩りまくり、海が赤く染まっていく。たまにうちもらしを僕が処理する。それにしても戦意高すぎだろ。
僕らが海を優雅に船で移動してると、遠くに黒光りするものが浮かんでる海面をモモが見つけた。
「あれっ、あれ何ですかね?」
「魚群? にしては距離から考えるとデカいわね。あ、頭、あれ、ヤバいわよ。シーサーペントの群れよ」
「違うわ。あれはうなぎ、おおうなぎよ」
「何言ってるのよ。あんたバカ? あんなでっかいうなぎ居るわけないでしょ」
「アイ、ハルトがうなぎって言ったら、うなぎなの。ここではアレはうなぎ。分かった? じゃ、パンドラ、船を向かわせて。うなぎ、うなぎ祭りよ。出発進行! よーそろー」
エリが黒い海を指差し、そこに船は突進した。殺意高すぎだろ。海賊みたいだ。そして、彼女らは殺戮を始めた。うなぎ可哀想。
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