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 第十七話 約束


「ねぇ、ねぇ、ねぇ」


 僕は興奮して起き上がる。朝飯の後また泳いで、今昼飯の後の休憩をしてたところだ。


「何よ、どうしたのよ」


 エリはまだフルーツを食べている。僕と違ってエリの食事はゆっくりだ。女の子だもんな。

 僕は海の一点を指差す。


「陸、あれって陸だよね」


「んー、そうだと思うけど、もしかしたら島かもしれないわ」


「よしっ、じゃ、急いで確かめよう!」


「待って。1つ、1つだけ約束して欲しい事があります」


「ん、なんだよ。畏まって。エリの頼みだったら何でも出来る事なら聞くよ」


 何でもって言いたいとこだけど、僕に出来る事ってあんまり無いから。


「あなたや、あたしに命の危険が無い限り、人とは戦わないで欲しいの」


「えっ? 何だよ。そんな事かよ。大丈夫だって僕は今まで喧嘩もしたこと無いんだから。パーティーでは他のみんなが戦ってたから」


「よく聞いて。ハルト、島であなたは強くなったわ。その力を人を傷つけるんじゃなくて、人を守るのに使って欲しいの。国に帰ったら、嫌な人や、悪い人も居るわ。けど、もしハルトが殴られたりしても、命に危険が無い限り、手を上げないで欲しいの。もし、あなたが人を攻撃するような事があったら。あたしは、あたしはあなたとは一緒には居られない」


 何言ってるんだろう。確かに野生生活で1年前よりは強くなった気もするけど、僕は弱い。スライムは死ぬ程倒したけど、弱い魔物をどれだけ倒しても一定までしかレベルは上がらない。戦闘スキルも無く、武器も使えないし、魔法も使えないから、多分駆け出しの冒険者より弱いだろう。


「大丈夫だって、僕はそんな喧嘩とかしたりしないよ。分かった。エリが言うように正当防衛じゃ無い限り人とは戦わないよ。だから、居なくなるような事言わないでよ」


「そうよね。ハルトは優しいから。けど、約束してね。もし、そういう荒事に巻き込まれたら、まずはあたしが何とかするから。それで、無理って思った時はお願いするから。だから、ハルトは人には危害を与えないでね。約束よ」


 えー、それって、何、僕がエリに守られるって事? なんか格好悪いけど、ここまでエリが言うのなら。


「分かった。約束するよ。エリが危険だって思わない限り、人とは争わないよ。じゃ、早く、あそこへ行こ」


「うん、ハルト、頑張り過ぎないでね」


「分かった。しっかり舟につかまっててね」


 チャポン。


 僕は海に入り、頑張り過ぎない程度に。バタ足する。


「キャッ。ハルト、速い、速すぎるわよー。けど、最高ーっ。風が気持ちいいわー」


 エリの髪が風に靡いている。振り返ったその顔はまるで女神のようだ。彼女が来てから、僕の生活は単純なものから、驚きの連続に変わった。出来ればずっと一緒に居たい。うん、喧嘩はしない。絶対にしない!


 読んでいただきありがとうございます。


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