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 第百六十話 新たな実


「ヌルヌルやーだー」


 文句言いながらもパンドラは怯む事無くスライムに穴を開けていく。


「きりがないわねっ!」


 踊るようにエリがスライムの数を減らしていく。当然僕もガツガツとスライムを潰していく。

 僕は同じ色が集まってるのから先回しにしてるけど、パンドラの攻撃はランダムっぽいし、エリは反撃だから色を選んでない。半分以上のスライムは倒したかな。パンドラやエリの周りには幾つかでっかいスライムが見える。まあ、仕方ないか。キングスライムって言ってもただのデカいスライムだ。フルーツをドロップしないってだけだし。僕は粗方周りをやり終わったので、殲滅にかかる。普通のスライムは踏めばいいんだけど、キングは蹴ったり殴ったりしないとやれないもんな。なんか効率的な倒し方ないかなー。


「ていっ! やっ! はっ!」


 エリがキングに攻撃してる。下手っぴだな。スライム素人だ。当てる攻撃じゃなくて突き抜けるような攻撃じゃないと衝撃を吸収されるんだよね。まあそれでも数回の攻撃でちゃんと倒してる。

 

 ズボッ、ズボッ。


 水に石を投げ入れたような音が二回。パンドラがキングスライムに二回突っ込んだ。


「主様、面倒くさいですね。これ強いです。私だと二回もかかります」


「そうだね。もっと勢いつけないとね」


 けど、今ので閃いた。僕は床の石材を指でむしり取って投げる。


 シュボッ!


 うん、一撃だ。キングが一撃で弾ける。これなら動き回らずにやれる。僕は床をむしって礫を投げまくる。しばらく経つとキングは居なくなった。残りは走り回って踏みつぶすだけだ。プチプチ走り回る。


「見て見て見て見て見て見てーーっ」


 いつの間にか部屋に戻って来たアイが叫んでる。


「キングが、キングがドリアン落としてるわーーっ!」


 アイが嬉しそうに黄色のトゲトゲがついたでっかい実を掲げている。

 まじか、キングもフルーツ落とすのか? ってドリアンってアレだよね。フルーツの王様とか言われてるやつ。売ってるのは一万ゴールドくらいするし、なんか臭いらしいから今までの人生で口にした事は無い。まあ、食べたいとも思わないけど。そんなにお金出すのならステーキ食べるよ。アイは逆にめっちゃドリアン食べたかったのかもしれないな。叫ぶくらいだし。みんなフルーツ大好きだな。

 ドリアンを掲げるアイにみんな集まってる。あ、モモ着替えてる。そういえばさっきパンドラを呼んでたな。さっきは少しやり過ぎたけど、パンドラはとっても役に立つな。

 僕は残りのスライムを殲滅して、みんなでドロップ品を集め休憩する事にする。いつの間にかパンドラがカフェにあるような机と椅子を出している。確かパンドラは箱に入るものしか収納できないはず。どうやって入れたんだろう? もしかして組み立て式? まあ、いいや。テーブルにはソーサーに乗ったカップから湯気が立ってる。この香りはコーヒーか? 僕はテーブルにつく。


「主様、ミルクとお砂糖はどれだけ入れますか? ちょうといいとこでストップって言って下さい」


 パンドラがカップの上で手からミルクと砂糖を出す。いい塩梅で止める。うん、美味しい。まさかこのスライム島でこんな優雅な時間を過ごす事が出来るとは。パンドラ、最高。僕らは戦利品を眺めながらコーヒータイムを楽しんだ。



 読んでいただきありがとうございます。


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