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 第百四十五話 和気藹々(エリ視点)

 すみません。遅れました。


「ねぇ、エリ、なんのつもり、ちゃんとした私の出しなさいよ! 冗談にしても笑えないわよ!」


 アイがぷんすかしてる。何言ってんのよ? あ!


「アンタもしかして、あたしが数値に細工でもしたと思ったの?」


「そうでしょ! 私だって知ってるわよ。ステータスって出来がいい子供で5くらい。大人が平均7くらいなんでしょ。いくら、か弱い私だって、知力とMP以外が5以下な訳ないでしょ。そんなのだったら風が吹いたら吹き飛んじゃうわ。あたしのほとんどの数値が子供以下な訳無いでしょ!」


「いやー、子供以下。妥当な線じゃないですか?」


「胸デブ! あたしのどこが子供以下って言うのよ!」


「そうですね。全体的に。特に胸」


「うっきー! もぐ! その無駄肉もぎ落としてやるわ」


 アイが立ち上がってモモのブツに手を伸ばす。素早さ5の割には素早いな。そしてブツを握りしめる。


「キャキャッ。力弱すぎて、くすぐったいですよー」


「へぶしっ!」


 くしゃみを飲み込み損ねたような声を上げてアイが吹っ飛ばされる。今確かにモモの胸が不自然に動くのを見た。あれは伝説の技、乳ビンタ。あたしじゃ逆立ちしても出来ない技だ。やりたくも無いけど。


「もうっ。なによそれー。私の力ってあんたの無駄脂肪以下なの。お父さん、父にもぶたれた事無いのに、ブタに乳でぶたれたわ」


 アイは上手い事言ってやったって感じで目をキラキラさせてるけど、大して面白くないから。

 うん、多分そうだ。アイの力はモモのブツ以下だろう。と言う事はモモの胸は子供以上の力はあるって事? もう考えるのは止そう。


「今ので分かったと思うけど、あたしは嘘ついて無いわ。そんな事してもメリット無いし。ステータスが低いのはこれから鍛えればいいのよ。それよりなんで絶対弱者のアンタが誰にでも対してそんなに強気なのかの方が気になるわ」 


「そんなの決まってるじゃない。あたしたちの後ろにはハルトが控えてるわ。あたしたちはハルトの仲間だからハルトな力は私たちの力。だから私が強いのと何らかわんないわ」


 うん、見事なまでに割り切ってる。卑屈さが微塵もない。アイみたいに割り切れたらあたしも悩まないのに。


「て言うか、胸デブ。それよりあんたなんでそんなに強いのよ。おかしいでしょ」


「えっ、言ってなかったですかぁ? 私は幼い頃から山にこもってたんですよ。アウトドアなんてお手のもの。こう見えて、火を点けたり、たき火したり、キャンプファイヤーも出来るんですよ」


 ああ、そう言えばそんな事言ってたわね。初めて会った時にはハルトに喧嘩売って来たし。モモは地味に強い。なんでそんなに火を点けたがってるんだろう。ドヤってるけど、それくらいしか出来ないんだろう。獲物の解体とかも出来ないみたいだし。


「じゃ、自分のステータスは持っててね。アイ、フルーツだけじゃなくて、体も鍛えてもらうから。んー。勿体ない気もするけど、何個かリンゴもあげたがよさそうね」


「そうですね。このままじゃアイは、心も体もダメ人間ですからね」


「アンタたち、覚えてなさいよ。絶対強くなるから!」


 そしてあたしたちは甲板に戻ったけど、ハルトはまだ寝ている。ハルトに寄生するだけじゃなく、横に立てるようになってやるわ!


 読んでいただきありがとうございます。


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