第百二十二話 蹂躙
時間無くて、書けた分だけで。時間みつけて書き足します。明日のこの時間までには書き足し終えます(>_<)
バキバキバキバキッ。
木がへし折れるような音を立てながら、ドラゴンの抜け殻が左右に倒れる。そして、それから一本づつ足を抜くと、殻を前足と尾で払う。黒い光沢がある鱗に覆われたドラゴン。大きなトカゲのような体に長めな首。後ろに向けて尖った角に背中には羽根が生え後ろに流れている。後ろ足二つで立ち上がる。大きい。まるで巨大な塔みたいだ。腹が見える。蛇みたいに段打ってる。ドラゴンは上を向き口を開ける。腹が動く。空気を大きく吸い込んでるみたいだ。吸ったという事は吐く。という事は……
「逃げろーーーーっ!」
誰かが叫んだのをきっかけに、冒険者、騎士共に蜘蛛の子を散らすように逃げ始める。けど、その中に逃げない者が。金色のビキニのエリとフヨフヨ浮いているモモ。そして、王子と宮廷魔道士の爺さんだ。僕も逃げようかと思ったけど、エリたちから目が離せない。
ドラゴンが動く。コウモリのような羽根を広げる。それをはためかせると、少しづつ塔のような巨体が浮き上がる。嘘だろ。あんなデカいのが、あれだけの翼で飛べるのか? 多分、なんらかの魔法のようなものが働いてるのだろう。ドラゴンは徐々に浮き上がる。羽ばたきが、砂塵を吹き飛ばす。みるみる浮き上がると、旋回して逃げ出した人たちの上に急降下する。そしてその口が開く。
「ゴォオオオオーーーーッ!」
ドラゴンの口から吐き出されたのは黒煙。その通り過ぎた後は地面が黒く焦げたようになり、煙がくすぶる黒い塊が残る。それらの幾つかは人の形をしている。これが例の腐食のブレスか。ドラゴンの吐く煙は色んなものにまとわりつくみたいだ。黒い塊は動いているから即死はしないみたいだけど、間違いなくダメージは受けてるだろう。クソッ。好き放題しやがって。ドラゴンは浮き上がる降下してブレスを吐くで、動く者を次々と黒い塊にしていく。動く者の半分程はやられてしまった。一方的だ。僕らには何も出来ない。飛べる者と言えばモモがいるが、エリのそばに受かんでるだけだ。疲れてると思うし、打つ手が思い浮かばないんだろう。
「王国に仇成す邪悪なドラゴンよ!」
響き渡る声。王子か? いや、似てるけど王子の声より高く耳障りだ。声がした所を見ると、赤いマントに黄金の鎧を纏った男が居る。兜は被ってなくて短い金髪だ。あんな奴いたか? その男が腰から剣を抜き掲げる。剣も金色だ。
「我が名は、ルーカス・フォン・ミッドガルド。この国の第二王位継承者だ! 我が名にかけてお前を土に還してやる。そして、誰が次の王に相応しいか証明してやる!」
という事はアイツが第二王子か? 王子なのに護衛の一人も居ないんだろうか? 空に浮かんでいたドラゴンが第二王子に首を向ける。