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 第百十七話 同士打ち


「うぉおおおおおーーっ!」


 雄叫びを上げ走るジェイルの剣から炎が噴き出す。その前をモモが飛んでエリが走ってる。


「ウォーターボール!」


 ミレの声と共に、モモに向かって巨大な水の玉が飛んでいく。


「きゃーっ!」


 それは見事にモモに背からぶつかり、モモは地上に叩きつけられる。


「何してるんだよ!」


 僕の抗議にミレは薄く笑う。


「ごめんなさーい。狙いが外れたわ。けど、よかったんじゃないの。ドラゴンにやられるよりは」


 外れる? んな訳ないだろ。ミレは性格は置いといて魔法の命中精度はかなりのものだ。強そうなドラゴンを前に同士打ちなんかしてる余裕無いのに。


「超絶爆炎剣! 轟炎無双斬!」


 ジェイルの叫び声に目を向けると、立ち止まったジェイルが炎を纏った剣を真横に振るう。ドラゴンまではあと少し、ジェイルとドラゴンとの間にはエリが居る。ジェイルの剣から大量の炎が噴き出し、エリを包み込んでそのままドラゴンに命中する。


「一番槍はこのジェイルだーーーー!」


 ジェイルは叫び、剣を天に突き上げる。


「エリーーーーッ!」


 エリが炎に包まれてしまった……


 ジェイル! 許さない! 絶対にぶっ殺す! 何があってもお前だけは許さない!


「何が一番槍だ! このボケェ!」


 ジェイルより大きな声。エリだ!


 炎の塊がジェイルに近づくとジェイルが弾け飛ぶ。倒れ込んだジェイルに炎の塊が跳び乗る。よく見ると炎からエリの顔が生えている。顔と髪の毛だけ燃えて無い。なんか昔の妖怪みたいだ。ガツンガツン音がする。マウントを取ったエリがジェイルを殴ってる。派手な音はするけど、ジェイルは元気そうにジタバタしてる。あ、例の盾か。バートンを見ると盾が光ってて、ジェイルが殴られる音がする度にペカペカ光ってる。それに焦った顔でミレが次々と魔石を突っ込んでる。

 コイツらドラゴンの前で何してるんだ? 心臓に剛毛でも生えてるのか? エリを包んでた炎が消えてくる。なんかキラキラしてる。あ、あの金色のビキニ。仮面に金色のビキニの少女が男に馬乗りになってその顔を左右からガツガツ殴ってる。なんか少し、ほんの少しだけジェイルが羨ましい。鎧越しだけど、エリはほぼ裸だもんな。耳にした事があるけど、お金持ちの会員制のクラブとかではこういうショーをやってるとこもあるらしい。王女様? 女王様? そんな感じだったと思う。


「グゥオオオオーーーーッ!」


 ドラゴンが吠える。そりゃそうだ。ガン無視されてたもんな。


「おいおい、どけよ! 今は、それどころじゃないだろ!」


 ジェイルが叫ぶ。


「アンタがそれ言う? それより、後で服弁償しなさいよ。一番高いヤツよ」


 エリはやっとジェイルからどく。ジェイルは立ち上がって体をパンパンすると落とした剣を拾う。


 そして、二人はドラゴンに向かって構える。ちょっと仲良しさんっぽくてイラっとするな。


 読んでいただきありがとうございます。


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