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 第百十話 開戦


「ああ、問題ないぜ。くくっ。嬢ちゃんたちを叩きのめしたあと、ハルトをフルボッコにして裸で土下座のあとお楽しみタイムか。最高じゃねーか。ありがとよ」


 エリが交渉すると、ジェイルは大喜びだ。人を痛めつけるのが好きなんて最低のドSだな。けど、本当はチャイルドプレイ好きなドMな訳で。んー、訳分からない。まあ、最低って事だな。


 ギルドの地下の訓練場はかなり広く、模擬戦スペースが中央にある。そこだけ窪んでいて四方は頑丈な壁に囲まれている。王都とかお金持ってるギルドでは魔道具の結界とかがあるそうだけど、ここでは壁がその代わりだ。

 中央で僕たちとジェイルたちは睨み合ってる。


「ハルトは上で見てて」


 壁は2メートルくらいの高さがあり、その上の手すりにはびっしりと野次馬が集まってる。さっきミレが見学料を取った人たちだ。僕もお金を払わないといけないんだろうか?


「おう、兄ちゃんは主役だから特等席だ」


 ギャラリーのゴツいオッサンに僕だけ真ん中の高い椅子に座らされる。


「聞いてたぞ、姉ちゃんたちの後に戦うんだってな。その時は俺たちが放り込んでやるよ」


 エリたちがやられたら、僕はギャラリーに訓練場に投げ込まれるらしい。


「姉ちゃんたちに賭ける者はいねーか。大穴だぞ。クソっ誰も嫌がらねー。賭けにならんわ」


 賭けしてる人もいる。なんかお祭りみたいになってきたな。

 訓練場では双方共に距離を取り、ジェイルとエリが前に出る。ジェイルたちはフル装備。ジェイルは鎖かたびらに肩胸腹など要所要所を鉄の板で覆っている戦士スタイルで右手に剣、左手に丸盾。バートンは全身金属鎧にフルフェイスヘルメットに大盾に槍。イリスは神官衣にメイスだけど、音からして神官衣の下には鎖かたびらを着てると思う。ミレはローブで手には大きなねじくれた杖を大事そうに抱えている。それに比べてうちは、エリは私服に剣1本、モモも同じく。アイはローブだけで、妖精も私服。なんか冒険者と一般人って感じだ。大丈夫なのか? 僕はゴクリと唾を飲み込む。緊張してきた。


「じゃ、ルールを確認するわ」


 エリが声を張って宣言する。


「なんでも有りだけど、相手を殺すのは無し。事故はしょうが無いわ。降参するか全員気絶した方が負け。これでいい?」


「ああ、問題ない」


 言葉と同時にジェイルは抜いた剣を突き出す。それをエリは大きくかわす。


「シルバーなのにセコいわねー」


「なんとでも言え。勝った方が正義だ。そんな事より、自分を心配しろ」


「なっ!」


 擦ってもいなかったのに、エリの服が燃えている。エリはパンパンして消す。


 ジェイルが剣を掲げると、それが燃え上がる。


「超絶爆炎剣だ! お前らの服を全部燃やし尽くしてやる」


 魔道具か! しかもめっちゃ強そう。けど、やっちまったなー。エリの目がギラギラ光ってる。


 読んでいただきありがとうございます。


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