第百九話 決心
昨日、働きながら聞いてたラジオで流れてた曲、ずっと誰なんだろって思ってたのが分かりました。玉置浩二さんのメロディーです。浸みる(T_T)
「逃げちゃダメかな。あいつら行っちゃったし」
僕は今、素直に思ってる事を口にする。なんか流れでジェイルたちとパーティー戦するような事になってるけど、よく考えたら何のメリットも無い。勝って得られるものは、あいつらが裸で土下座するだけだ。だけ? いや、それは十分に面白い気がする。今までの気が晴れるだろう。けど、シルバークラスの冒険者たちをやっつけたら、僕らめっちゃ目立っちまうな。何故かエリはあんまり目立ちたくないみたいだが、ギルドでこれだけ騒いだら関係無いだろう。けど勝てるのか? エリ、モモは強いけど、アイはブァッファーで僕はクソ雑魚、妖精はただのマスコットだ。うん、勝てる気がしない。ボッコボコにやられて裸で土下座してる未来しか僕には見えない。逃げるしかない。この街から逃げればアイツらも追っかけて来ないだろう。
「だめよ。ハルト、あいつらに思い知らせてやるのよ」
エリは拳を握り締めてる。相変わらずやる気まんまんだな。
「負けたらどうすんだよ」
「負けないわ。何があっても」
「あいつら、この街で一番強いんだぞ」
「あたしたちはこの国で一番強いわ」
エリは考える事なく言い返す。この国で一番強い? うん、強いね。エリは。彼女の今までの数々の剛力神話を思い出す。
「けど、パーティー戦だよ。四対四、あ、1人余るな」
「ハルト、ハルトは見てるだけで良いわ。あたしたちがあいつらをコテンパンに叩きのめすのを見てて!」
うん、クソ雑魚の僕が居ないなら勝率は上がるかもしれない。
「けど、あいつらは僕の敵だ。みんなに迷惑はかけられない」
「それなら、これでどうかしら。あたしたちが負けたらハルトと交代する。その代わりハルトも負けたらあたしたちが何でもするって条件つければのんでくれるんじゃないかしら?」
「そうですね。このビューティー天使である私を景品にするなら大抵の事は通ると思いますよ」
モモはニコニコで羽根パタパタだ。何も気負ってない。全く負ける事は考えてないみたいだ。
「ちょっとー。何、私も巻き込んでるのよ。終わったら、何か甘いものでも奢りなさいよ」
アイも平常運転。勝つことを確信してるな。
「主様に代わって、私が天誅を下してやるわ。あんなクソ雑魚、主様が相手するまでもないです」
パンドラ、クソ雑魚は僕でアイツらはシルバークラスの強強冒険者なんだけど。まあ、街は初めてみたいだからあんまり分かってないんだろう。
「ハルト。別に逃げてもいいわよ。けど、あたしたちはアイツらと戦うわよ」
狡いなー。そんな事言われたらしょうが無い。僕の心は決まった。みんなが戦うのなら、僕は逃げない。
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