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 第百八話 横槍


「へー、おもしれー冗談だな。おめーが許さなくてどうなんだよ。言っただけで、おめーの意思は関係ねーんだよ。俺が連れて行くって言ったら、おめーはついてくるしかねーんだよ」


 ジェイルは腰に佩いた剣を抜く。まじか、ここでやる気か? ここギルド内だぞ、て言うか誰か止めに来いよ。後退る僕の腕からエリが離れて前に出る。


「よくもまあ、そんな沸いた考えで生きてこれたわねー」


 何真っ向から立ち向かってるんだよ。


「ハルトはお前らみたいなクズ共にはついて行かないって言ってるのよ。さっさと出ていって王都でのたれ死になさいよ」


 そんな事言ってないし。どうやったら穏便に済ませられるんだよ。


「何煽ってんだよ。話し合い、話し合いでなんとかしようよ」


 僕はエリの前に立つ。怖えぇ。殺気バシバシだ。そして、振り返りジェイルに話しかける。


「すまない。争う気は無い。けど、お前たちにはついて行かない。どうしたら大人しく帰ってくれるんだ?」


 ジェイルが僕を睨みつける。うん、武器を持ったジェイルより、エリの方が恐ろしいわ。


「馬鹿かっ。何度も言ってるだろ。おめーは俺たちについてくるしかねーんだよ」


 ダメだ。会話が通じない。動物なのか? ジェイルの横にバートン、後ろにイリスとミレが構える。背中にチリチリするような圧を感じて振り返ると、エリとモモと妖精が横並び後ろにアイが立ってる。双方共に僕を挟んで戦闘隊形に入ってる。どうする? このままじゃここで大乱闘が始まっちまう。


「待ちなさい」


 渋い男性の声。スーツでバシッと決めた髪をオールバックにして顎髭を蓄えた中年男性だ。


「ここで、争うなら相応の覚悟はあるんだろうな?」


 男性の言葉にジェイルが武器を降ろす。


「ちょっと可愛いがってただけだ。あんたが来るような大事じゃねーよ。地下の訓練場借りていいか」


「相変わらずだな。好きにしろ」


 おいおい、お偉いさんだと思うけど止めないのかよ。すぐに帰っちゃったし。


「ハルト、下で遊んでやる。ついてこい」


 ジェイルはギルドの奥へと向かう。


「舐めた口叩いた事後悔させてやるぜ」


 バートンが頭をピシピシしながらついていく。


「ふふふっ。公開処刑よ。大丈夫、死にかけても回復させてあげるから」


 イリスが顔を歪めて小声で言うと奥に行く。さっき少しでも心が動きかけた自分がやになる。


 パンパン!


 ミレが両手を叩いて衆目を集める。


「今から地下でパーティー決闘をするわ。負けた方は裸で土下座よ。上玉がそろってるわよ。サービスするからみんな地下に来なさい。見学料は1人千ゴールドよ。この街でここより安いストリップ小屋は無いわよ。並んで並んで」


 なんと、商売始めてやがる。裸で土下座? そんな事みんなにさせられない。



 読んでいただきありがとうございます。


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