表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/211

 第一話 追放

 新作です。頑張りますので、よろしくお願いします。


「ハルトお前は追放だ。役立たずの能なし野郎! さっさと消えろ! このグズがっ!」


 ジェイルが唐突に立ち上がって口を開く。うわ、船が揺れるだろ。と思った時には僕は激痛に体を折り曲げる。蹴りやがった。息が出来ない。こみ上げてきた何かが口から溢れそうだ。僕の頭を誰かが無理矢理髪の毛を掴んで引き上げる。


「おいおい、訳分かんないって顔してるぜ。もっと分かり易く言ってやる」


 バートンが顔を近づけてくる。


「俺らは結構稼いだ。何もやってねーお前に金払うのがヤになったんだわ」


 確かに僕は大して役には立ってないかも知れない。けど、僕らが稼げているのは僕のスキル『ドロップ率アップ』が関わっているはず?


「ウガッ!」


 僕の顔に激痛が走る。バートンが頭突きしやがった。掴まれた髪の毛が何本も抜ける。くそっ。痛ぇ。顔を押さえて舟底に蹲る。


「グワガッ!」


 頭が上から押さえつけられて床に顔が押し付けられる。


「アンタキモいのよ」


 この声はミレ。もしかしてミレに頭を踏みつけられてるのか? なんでいきなり僕がこんな目に?


「こんな汚物、早く捨てちまいなよ。見てるだけでムカつく」


 イリスの声がしたと思ったら、僕の体が浮き上がる。手と足をだれかに掴まれてる。ジェイルが手、バートンが足を掴んで僕を持ち上げている。必死に抵抗するが、僕の力じゃ彼らには敵わない。僕の体が大きく揺さぶられる。


「じゃいくぜ、せーの」


 顔を上げるとジェイルが笑ってるのが見える。


「発射」


 僕の体が宙に投げ出される。


 バッシャーーーーン。


 大きな水音と共に僕は水の中に沈む。服が邪魔で動きにくい、それにさっき蹴られたお腹がまだ痛い、けど、浮き上がらないと死んでしまう。水をかき分け首を水面に出す。船はまだ近くにある。


「頼む。助けてくれ! 何でもする」


 四人はこっちを見て笑ってる。


「ドジだな。船から落ちるなんて」


 ジェイルが僕を指差して笑っている。


「落ちたんじゃないだろ!」


「いいや、落ちたんだ。お前のようなクズが何を言っても誰も信じない」


 腹が立つが、なんとかして助けて貰わないと。


「分かった。なんでもするから助けてくれ!」


「ほう、なんでもするのか?」


 バートンとは付き合いが長い。多分、これは冗談だろう。


「じゃ、溺れて死ね。お前の金は俺らが有意義に使ってやるから安心して死ね!」


 何言ってるんだ冗談だろ?


「ねぇ、あんなのほっといて早く帰りましょー」


 イリスがジェイルの腕に抱きついている。イリスは僕の事を好きって言ってたのに、全部嘘だったのか? 


 僕は全力で泳いで船を目指す。


「あらあら、しぶといわねー。しつこい男は嫌われるわよー」


 ミレは杖を手にしている。えっ、もしかして、僕に向かって魔法を放つのか?


「ウォーターボール」


 杖から放たれた水の玉が僕の顔に命中する。沢山の水が口に入り、僕は海の中に沈んで行った。

 


 読んでいただきありがとうございます。


 みやびからのお願いです。「面白かった」「続きが気になる」などと思っていただけたら、広告の下の☆☆☆☆☆の評価や、ブックマークの登録をお願いします。


 とっても執筆の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ