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惨禍を喰らう  作者: 鵜山鶏五
4/6

「あのさ、人形の破片や通路の焼跡はそのままにして

良いのか?」

階段を降り、迎えが来るのをアパート前で待っている時に

気になる事が有ったので奏は少女に質問する。


2人は奏の両隣に立っており、右側にいる朱音は

イヤホンをして音楽を聴き、逆側の少女はスマホを

触っていて後処理をする気が無い様に感じる。

あのままで放置されてたら騒ぎになりそうだが。


「散乱してた破片は全部消滅させたし、焼跡は認識阻害を

施したから大丈夫だよ」

既に対処済みだと少女が教えてくれるが、今の説明でまた

奏の中で疑問が増える。

「認識阻害って何?」

「簡単に言うと、異常を発見しても普段と変わらないと思い込ませる事かな。そういえば君の怪我も応急処置しとかないとね」

そう言うと奏の隣から目の前に移動して、鎖骨に手を置く。


「あっ、今傷口触ったら駄目だからね」

注意してくれるが態々触る気などなく従う。

「よし、OK。もう傷に触っても良いよ」

少女は元いた位置に戻り、温和な笑みを浮かべ報告してくれる。

何が変わったのか気になり首に付けられた傷に触れると、

既に瘡蓋が出来ていて血が止まっている。

「ありがとう」

奏は戸惑いつつも少女にお礼を言う。

「家に着いたら傷は完全に治しちゃうから。それまで待っててね」



「あのさ、着替えに戻ったら駄目かな?」

左肩を指差し少女にお願いする。

傷は塞がったが服は穴が空き、血に染まって汚れてしまっている。

今から向かう家でうっかりで汚してしまうかもしれない。


少女から了承を得たので着替えに部屋に向かう奏だが

「…何で着いてきてんの?」

鍵を開ける前に振り返って、後ろをつけて来た朱音に問い掛ける。

先程まで着けていたイヤホンは外されていた。

「逃げない為に見張ってんのよ。戻るのが遅かったら蹴破って入るから」

「分かってるよ」

脅しではなく本当に実行してきそうなので、着替えを済ませる為、急いで部屋に入る。



着替えを終え、先程迎えを待っていた場所に戻る。

「あんた達ってさ、何者なの?」

一度朱音に聞き無視された事を少女にも問い掛ける。

「そういえば自己紹介もまだだったね、私は藍塚芽依(あいづかめい)、そっちは三春朱音(みはるあかね)

自身を指差した後に、奥でまた音楽を聴いてる朱音を

指差す。

「矢瀬奏です。」

今更ながら自己紹介をする。

「矢瀬君か、これから宜しくね。それで私達はね、魔女って

呼ばれる不思議な力が使える人間なんだ」

微笑みながら芽依が自分達の正体を明かしてくれた。

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