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小さく小さい物語・まとめ  作者: 藻ノかたり
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《傍らで》 《60億》

《傍で》キミが僕のことを忘れてくれないと、僕は天国へも地獄へも行けない。ずっとキミの心につながれて、キミが死ぬまでキミのそば。ねぇ、キミのそばでキミが不幸になるのを見るのはつらいよ。でもキミが幸せになるのを見るのはもっとつらい。


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《心》僕の心は「死」で出来ている。だから昼間の世界には出られない。だから君の心と取り替えてよ。そうすれば僕は太陽の下へくりだせる。あぁ、そうか忘れてた。君にはもう心自体がないんだね。


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《望み》世界中の動物が死んだ。世界中の植物が死んだ。僕だけがここにいる。これは僕に対する罰なんだね。永遠の孤独を望んだ僕への。


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《夢》毎夜、ぼくらは君の夢を見る。君が断末魔の叫びを上げて無惨に死んでいくさま。これが君が最後に言った、ぼくらへの復讐だったんだね。自分達が助かるために罪のない君を生け贄に差し出したぼくらへの。今日、復讐の夢を見てまた一人死んだ。明日、復讐の夢を見てまた一人死ぬ。


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《天使》夜中僕は奇妙なものをみた。それはガイコツの行列。その中に一人だけ天使がいた。とても綺麗な顔をして、とても悲しい顔をして。僕はフラッと行列の後をついていく。気がつくと僕の体はだんだんとガイコツになっていった。そのとき僕はようやく悟った。彼女こそが、死の天使なんだと。


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《60億》「ムカツクー。誰も彼も死んじまえ」そう叫んだ翌日に飛行機事故が起きた。「世の中のヤツなんて何処かへ行っちまえ」そう思った次の日に豪華客船が行方不明になった。オレのせいなのか? まさか……。でも次の瞬間オレは思った。ま、いいか。世界には60億人もいるんだから。


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《旅の末》僕は約束を守ったのに。やっと、ここへ戻ってきたのに……。ここにはもう誰もいない。苦しい旅は何だったの? 信じた希望は何だったの? でも僕は忘れていた。皆が僕を待たずに行ってしまうのをおそれるあまり、旅立ちの夜こっそり戻ってきて、全ての仲間を殺してしまった事を。


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《大笑い》オレは大笑いした。心の底から大笑いした。だって笑う以外、オレにどうしろっていうのさ。間違って世界破壊爆弾のスイッチを押したオレに。世界最後の人類になっちまったオレに。


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《夜》僕はキミを殺す。キミの夢の中でキミを殺す。だって約束したじゃないか。肉体が滅んでも、僕はキミの心の中で生き続けるって。だからキミが僕を殺した事は許してあげる。だってそのおかげで僕はずっとキミと一緒にいられるんだから。さあ、早くおやすみ。今夜もキミに逢いに行くから。


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《想い》ずっと待っていると言ったキミ。キミはまだあそにいるのだろうか。でもボクはもう戻らない。……アノヒトはまだワタシがあそこで待ってるかもしれないと思い悩むのかしら。ワタシはすぐにあそこを去ったのに。でもこれがワタシの復讐。アノヒトの頭から一生ワタシを消させない復讐。



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