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小さく小さい物語・まとめ  作者: 藻ノかたり
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《走馬灯》 《中止》 ほか

《後悔》はっきり言ってバカだった。あの小人の口車にのって、救世主気取りでこの世界に乗り込んで来たものの全然うまくいかない。そして今、目の前でオークが棍棒を振り上げている。あぁ、これで俺は死ぬんだろうな。あの時、TVゲームを続けてりゃぁ、平凡でも長生きできたろうに……。


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《夏時間》サマータイム地獄。いつからそう呼ばれるようになったのだろう。そう、あれは実状をなにも知らない連中が省エネとかで始めたことだ……。その末の残業地獄。でもそれも今日で終わりだ。全国の中小サラリーマンが一斉に立ち上がるはずだ。サマータイム撲滅のための武装蜂起が……。


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《眼》扉の先には僕を糾弾しようとする奴らがひしめいてる。僕は自分に言い訳する「あの宇宙人達に情報を教えたからこそ、地球は征服され戦争も貧困もなくなったんだ。見返りは遺伝子操作で人間の眼が十個になった事くらいだろう」 次の瞬間、僕は何百という眼の中に押し出されていった。


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《走馬燈》いま僕は人生を終えようとしてる。これまでの事が走馬燈のように蘇る。小学校の運動会、合格発表の日、結婚式、そして定年の日……。なにもかも懐かしい。あれ? でもちょっとおかしいぞ。受かったのは他の大学だし、女房の顔も違う。畜生、もっといい走馬燈屋を雇うんだった。


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《中止》台風来い、台風来い。あらし来い。あらし来い。そうすれば明日の体育祭は中止になる。そして僕の願いは聞き入れられた。史上最大の台風が来て体育祭は中止。でも、僕も家ごと吹き飛ばされて人生中止になった。


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《習性》穴蔵の生活になって千年。人に会わずにいられるのがいい。でも時々、人恋しくなってロボットを作る。でも完成してすぐに壊す。そしてまた制作する。結局地上にいた時の繰り返し。もっとも地上のほとんどの人間は、もう殺しちゃったけど。


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《昏睡》眠ってる、眠ってる、眠ってる。みんなグッスリ眠ってる。青い眠りの人、赤い眠りの人、黄色い眠りの人。でも黒い眠りの人が一人。彼はもう目覚めない、二度と目覚めない。彼が目覚めなければ、もう誰も目覚めない。


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《忘れて》ボクのことは忘れてと言ったのに。ボクの言ったことも全部忘れてと言ったのに。それでも心配で、キミの脳を散々いじくりまわしたのに。だけどキミはこう言った。「覚えいるわ。あなたが私の未来を殺した事を」


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《竜と》あの竜は僕の事を忘れない。僕はもう現実の世界へと戻ったのに。でもあの竜は僕の事を忘れない。だから僕の心は、今でもあの竜といた湖のほとりにある。


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