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小さく小さい物語・まとめ  作者: 藻ノかたり
17/31

《増税》 《消毒》 ほか

《増税》明日から増税が始まる。困ったなぁ。このぶんじゃ、俺は一体いくら税金を払えばいいんだ。憎しみの心に税金を掛けるなんて政府も感極まったってところだなぁ。折しも俺は浮気をした女房を憎みまくっている。広い心で許してやるか、いっそ殺してすっきりするか。悩むところだなぁ。


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《消毒》チャイムが鳴る。今日は市職員が消毒に来る日だ。「いま忙しいんですが」「駄目です。法律で定められた事ですから」職員は冷たく言い放ち俺の体に消毒液を吹きかけた。途端に爽快な気分になる。「不思議だなぁ。消毒の後は何の不満もなくなるよ。生活に対しても、政府に対しても」


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《消》憎しみの鉛筆でノートに書き殴る。そして消しゴムで消す。また憎しみの鉛筆でノートに書き殴る。そしてまた消す。何度も何度も繰り返す内に、もう消しゴムでは消えなくなっちゃった。無理して消したらノートが破れてしまったよ。同時に僕の心も破れてしまったよ。


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《修正》フォトレタッチソフトで写真を修整したよ。元の写真とは比べようもない素晴らしく美しい出来。誰か僕の心を修正できるソフトを持っていないかい。あの子との思い出が修正できるソフトを。


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《メッキ》僕は自分の心が本物でない事を知った。優しさのメッキが剥げ、憎しみの心がむき出しになる。メッキをやりなおそうか、それともムクの憎しみをさらけ出そうか。悩んだあげく、僕は剥げた部分に欺瞞というメッキをし直した。


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《遺伝》「どうしよう。始まってきたわ」鏡の前で私は呟いた。ちょっと目にはわからないが鼻の先が尖り始めてきたのだ。魔法少女と人気を博したのも今は昔。単に年を取るだけならいい。しかしこれからどんどん鼻が尖り曲がっていく……。魔女の遺伝子を持つ者の宿命とはいえ、何て恨めしい事。


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《音》コチンカチン。心の壊れる音。コチンカチン。世界の壊れる音。


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《正義》政府推奨「正義の米」 度重なる品種改良で食べれば自然と正義の心が芽生える一品。おかげで世の中ずいぶんマシになった。でも本当は誰も食べていない。食べているフリをし、効果があるように振舞っているだけ。皆それを知っている。世の中は前より良くなった。でも少し寒くなった。


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《ベッド》僕は今日も悪魔のベッドで眠りにつく。このベッドで人を殺す夢を見れば、本当にそいつは死ぬことになる。今夜はアイツの夢を見ないかな。本当に楽しみだ。でも寝入る瞬間ふと考える。この僕自身、誰かの見ている夢なんじゃないかって。


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《選挙》投票用紙を前に俺は考える。今回の選挙は日本の将来を決める重大な選挙だ。結果によっては日本滅亡だってありうる。俺は候補者達の名前を凝視し、心の中でつぶやき始めた。"ど~れ~にしようかな。天の神様の……”


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