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小さく小さい物語・まとめ  作者: 藻ノかたり
12/31

《孫》 ほか

《乗車生物》オイラ乗車生物のキルキルです。人間を乗せて走るのが仕事です、でもオイラ、年を取り、このままでは廃車、つまり食肉にされそうで心配です。この間ご主人様がオイラを売って旅行に行く相談を奥さんとしているのを聞いちまいました。神様! オイラ死にたくなーい!


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《カモネギ》「カモが葱をしょってやってくる」あの宇宙人達はこの言葉を知らないのだろう。彼らは全てにおいて地球人に都合よく動いてくれる。遠い過去、彼らの先祖が地球にやって来て、それに対応した地球人がこの諺を考えたのかもしれない。実際彼らの顔はカモに大変似ているのだから。


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《狂気》エコ・パーティー会場に突然悲鳴が響く。一斉にその女性の方を振り返る参加者達。「効果が出るのがちょっと早かったわね」博士のつぶやきが終わるか終わらない内に女性の体は跡形も無く消え去り、後には彼女の体を構成していたであろう液体と数十本の美しい花が残されていた。


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《ど》コードネーム「ど」 彼女は三年以上前の記憶がない。彼女の属する組織は有能な人材を見つけるや誘拐。記憶を封印し、記憶の返還を見返りにスパイ活動を強要するのである。彼女のコードネームを笑う者は多い。しかし幹部クラスは皆そのコードネームの重要性を知っていた。


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《ショー》地球がソレッド星人に征服されてから10年、地球人は塗炭の苦しみを味わっていた。そしてこの「死のファッションショー」が最たるものである。様々な死に装束をまとった少女がステージを歩き、一番魅力があった者は毒殺され、ファッションショーの打ち上げパーティーに晒される。


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《孫》今、目の前にいるこの幼児、本当にワシの孫といえるのか。確かに息子の子供には違いない。しかし政府の決めた卵子に息子の精子を受精させただけの、しかも「最適化」などと言って将来欠点になりそうな遺伝子を補助するため、別人の遺伝子を幾つか取り込んでいるっていうじゃないか。


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《笑顔》その女は何でも笑ってごまかしてきたし、それを当然だとも思ってきた。たが終わりの時はあっけなくやって来た。「笑ってごまかそうったって駄目だぞ。警察はそんなに甘い所じゃない」不倫相手の上司を殺害した彼女は無期懲役となった。その後、彼女が笑うところを見た者はいない。


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《花園》「ここはどこなんだ」そこは彼が数分前まで戦っていた荒野とはうって変わって霧深い森の中だった。「とにかく元の場所に戻らねば」暫く歩き、霧の先へ抜け出すと、そこには広い花園が広がっていた。しかしそれは美しさなど微塵もない、恐怖すらおぼえる醜悪な花園だったのである。


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