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小さく小さい物語・まとめ  作者: 藻ノかたり
10/31

《働き蟻》 《ポン引き》 ほか

《一見アホの状況》「話が違うぞ!」

男が虚空に向かってわめく。「どこかで見ているんだろう、悪魔野郎。俺は約束を果たしたぞ。契約通り願いを叶えろってんだ」だが、返答する者は誰もいない。草一本はえてはいない荒涼とした大地。男は一時間以上、懸命に叫んでいた。


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《とある団地の一室にある洗面所の思考》この部屋のたった一人の住人が手を洗っている、血だらけの手を。また誰か殺してきたようだ。今月はこれでもう4回目だな。最近俺もこの血の味に段々なれてきちまったよ……。


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《中年の公共警備隊員》「公共警備隊は市民に愛される警備隊でなくては」だと?だからって正式ヘルメットにハートマークつけるこたぁねぇだろ、あ、向こうにいるバアさん、俺のほう見て笑いやがった。お?アッチの学生もかよ。泣く子も黙る公共警備隊の権威もガタ落ちじゃねぇか……。


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《働き蟻》俺だって好きでオマエ等をこきつかっている訳じゃないんだよ。俺だってつらいんだ。あれ?オマエ等なんでこっちへ来るんだ。しかも集団で。お、おいやめろ。現場監督の俺にそんな事して只ですむと思っているのか? お、おい、やめろ! やめろって。やめて~。


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《瀕死のサイボーグ》「これで、最後か……」俺は大の時になって天を仰いだ。どこからか敵戦車の近づく音が聞こえてくる。「そういえば、子供のころ押入の奥に隠した親父のパイプ、あれどうなったかなぁ」戦車に踏みつぶされる瞬間、そんな事を考えている自分が酷く滑稽に思えた。


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《ポン引き》おいらポン引きの辰。見かけは七歳。でも本当の年は三十五歳なんだ。ポン引きばっかりやってたんで、神様の罰が当たって今の姿になっちまった。反省? とんでもない。こうなったら、この見た目を利用して新しいポン引き道を極めてやるぜ。見てろよ、神様。


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《地球の終わりに立ち会う事になった男の記憶》秤に重りがのっている。あとわずかに増えれば地球は終わる。それが血の一滴だったとしても。


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《クジラ処理監視人》20××年、あまりに増えすぎたクジラを全世界的に処分する条約が結ばれた。しかしかつての反捕鯨国の中には、その義務を果たさない国も多い。私の仕事はそんな国に強制的にクジラを処分させる事だ。ヤツラは私のことを「死刑催促人」と呼ぶ……。


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《ドラゴンの肉》食うべきか食わざるべきか、男は悩んでいた。「ドラゴンの肉に見立てた、他の動物の肉だろ?」「いやいや、お客さん。正真正銘、ドラゴンの肉ですよ。私が保証します」怪しげな食堂の主人がいう保証など、何になるのかと男は思ったが、襲い来る空腹に勝つ自信はなかった。


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《謎の生物》ドンジロゲはゴミの山から海へ逃れ、海中で驚くべき進化を遂げた。怪獣のように巨大な上、特殊な能力を沢山もっている。また非常に高い知能もあるのだが、幼生の頃に捨てられた為、誰にも教育を受けず自由気ままに育ってしまった。知的怪物ドンジロゲ。おまえは何処へ行くのか。


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