第8話
あの決闘から数分後。
アランは起き上がった。
「なんだよ? あんだけヘトヘトだった癖にもう起き上がったのか。」
「――あぁ僕負けちゃったんだァ〜」
「ああ。 無様にもスキルの過剰使用してぶっ倒れた。
い〜や、実に愉快な負け犬っプリだった。」
相当なゲス顔でヘラヘラしながらユーマはほざいた。
「勝てると思ってたんだけどなー 」
「まぁ。確かに危なかったよ。 お前があん時、俺の策に乗らなければ負け濃厚だった。 ほんっとうにお前がマヌケで助かったよ。」
「ウザっ。」
「フッ。 最高の褒め言葉だよ。」
そう互いに貶し合いしあっていると、パチパチと拍手が聞こえてきた。
「いやいやいや。 まさか幼稚園児がここまでの闘いを魅せてくれるとは思わなんだ。 年甲斐もなく見惚れてしもうたよ。」
「全くだ。 このまま強くなられたら父ちゃんが追い抜かれちまうよ。」
「い〜やユーマには悪いがアランが纏を使ったとき負けると思ってしまったわい。」
「じいちゃんひでー。 つーか纏って何?」
「ホホホ。 纏とはスキルの技の一つでな。 スキルによって作り出される特殊なチカラを全身にコーティングすることで身体全体がスキルを行使出来るという技術じゃ。 ユーマの読み道理燃費はひどいがな。」