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レガシーロード 〜宿命之運命〜  作者: 紺屋小牙
第一章 幼少期
6/9

第5話 有能 万能 初級魔法

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

訓練 11日目


今日も庭で魔法のレッスンだ。

前回の授業でめちゃくちゃになった庭はじいちゃんが

数時間かけて直した。 魔法で。


「さてさて、では今日から魔法についての勉強と本格的な実践を行う。 準備はいいかァァァア!?」


「イエーイィィィ!!」


ようやく俺も魔法を使う時が来たわけか。


「まずは、魔法の仕組みから教えてしんぜよう。

前回の授業で魔法に必要なのは魔力と言ったが、もう一つ重要なことがある。」

 

「それは一体?」


「イメージじゃ。 魔法は使用者のイメージによって形を変える。 こんなふうにのう。」


じいちゃんは手のひらの上に小さな炎を出して、炎を鳥の形にしたり、文字を書いたりした。


「最初は初級魔法からじゃ。 こいつはいいぞ。 威力はあまりないが、適正がなくとも魔力があれば使えるからの。 まあ聞くより慣れろじゃ、やってみ。」


初級魔法ってスゲー。

俺もやってみよう。


(大事なのはイメージ……。 手のひらから水を出すイメージ……。)


「ウォーター!」


手のひらから水が少し出た。


「なんかショボい…」


「最初はみんなそんなもんじゃ。 これを毎日何時間も続ければ、魔力も上がっていくから日課にしておくといいだろう。」 


「はい、お師匠!」


その返事に満足したのか、じいちゃんは微笑みながら頷く。



「どれぇ…。 最後にワシの『とっておき』を見せてやろう。 ちょっとまっておれ。」


じいちゃんはそう言いながら自分の部屋に戻る。

おそらく、何らかの魔導具でも使うのだろうか。

その間に俺は魔法の練習をした。

5回程、ウォーターを使うと体がちょっと重くなった気がした。

だから少し休んでいると、じいちゃんが戻ってきた。

リアカーにたくさんの楽器をのせて。


「じいちゃん。 何この楽器の山?」


「ワシが昔買った楽器を魔導具に改造したものじゃ。」


「楽器を魔導具に……? なんのために改造したの?」


じいちゃんはその質問ににやにやした顔をする。


「それはこれから分かる…。 よ〜く見ておれ… これがワシのとっておきィィィ!!」 


じいちゃん…いや魔導師 ウルス=アークライトがエレキギターを構える。 おそらくあれも改造した魔導具なのだろう。  


そして次の瞬間!! 

まるで爆発したかのような大音量が鳴り響いた!! 

そこから始まる演奏!!

魂を震撼させるそのミュージックは!?


(ロック!? しかも超うめぇ……!!)


さらにギターの大音量と共に電気と魔力が走っていた!


おそらくあの魔導具エレキギターの燃料は『サンダー』系統の魔法…。 だからエレキギターに必要な電気と魔導具に必要な魔力を同時に使用して奏でているんだ! 

だが、それだけではない!


(ギターに電圧と魔力が蓄積されていく…!)


ウルスはギターを空に向けたその時

ギターから何かが放たれた!!

その放たれた何かは空に浮かんでいた一帯の雲を吹き飛ばした!!


「『ライジングビート』……!」


じいちゃんは静かに呟いた。


「どうじゃ! これがわしのとっておきじゃ!」 


確かに凄い。

あれだけの雲の大群をふきとばした技…。

とんでもない威力だ…!!

さらにとんでもないのはこれだけの大技を出しておいて、

汗1つかいていないのだ。


「ふふふ。 何を隠そうこのわしは…元A級ハンターじゃからの!」


(A級……。 とんでもなく上級のハンターじゃねえかよ!)


ハンターとは魔獣への抑止力になっている勢力だ。

ハンターズギルドが取り仕切っており、危険視された魔獣を討伐し、報酬を受け取ることで成り立っている。

もちろん、 階級も存在し、E〜S級に分けられている。

階級を上げることは簡単なことでは無く、ランクに応じた実績がいるのだ。

そのためA級ぐらいになれば国有数の実力者ということになる。


「まあ。 お主には将来これぐらい出来るようになって欲しいと思う。 もちろん強制はせん。 どうする?」


そんなの答えは決まっている。


「やる!! 俺、じいちゃんを超えるくらいの魔法が使えるようになりたい!」


「ほほう! わしを超えるか! 大きく出たのォ! よーしビシバシ鍛えてやるとするかの!」




▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

訓練 20日目


初級魔法を使いこなせるようになった。

この魔法はいい。

コストが少なく何度でも使える。

魔法を多く使えば、その分魔力も増える。

じいちゃんに鍛えて貰う前は、一桁しかなかった魔力が今では40くらいになった。

魔力が増えれば、その分強力な魔法が使える。

今はじいちゃんから貰った『魔導の書』を読んでいる。

この本には、大体の魔法が記載されているので今後の為に習得したい魔法を選んだいる。

目星をつけているのは『身体強化』系統の魔法だ。 

これを使えるようになれば出来る事も増えるだろう。

あとは『呪術』系統だ。 呪術は敵のステータスを下げたり、状態異常を起こす魔法………つまりデバフだ。

これらは、もし魔獣などに遭遇したときに役立つだろう。

現代並みの科学を持ってしても魔獣は恐ろしい存在と言われている。 

だから呪術で動きを止め、身体強化で逃げるという動きも出来るだろう。

情けないって?

命あっての物種なんだよ!

俺はじいちゃんのようにハンターになりたいと考えている。

ハンターであれば魔獣を討伐する程に給金が貰える。    

手頃な雑魚を狩りまくって穏やかに人生を謳歌する。

俺はこの素晴らしい目標のために強くなる。

そのためには強力な魔法が必要不可欠だ。

強力な魔法を使うには多くの魔力がいる。

だから魔力を増やすためには、まず初級魔法を極めようと思う。

適正のある水属性の『ウォーター』が最適だろう。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

訓練 25日後

 

『ウォーター』で出した水を操れるようになった。

水の形を変えたり、放出する水の向きを変えたり、温度を変えて、温水を出したり出来るようになった。

じいちゃんがやっていたように鳥や文字には出来ないが進歩はしたのだろう。

コツは掴んだ。

他の属性でも試して見よう。


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

訓練 30日目


ヤッベ〜な。

初級魔法の応用性が高すぎる。

とあるアニメのように『ファイヤー』の熱の温度を下げたら、冷気が出せるようになった。

さらに【『ウインド』を洗濯機のように回したら、竜巻みたいになるんじゃないか説】をやってみたら小さいが旋風を起こすことが出来た。

この2つを組み合わせたら、擬似的なエアコンの完成だ。

この上コスパもいいのでまだ魔力に余裕がある。

今のところ、このレベルで操れる属性は【水】【炎】【風】の3つだ。

いつか、全ての属性をフルに使いこなしたいな~。


あのあと、じいちゃんに訓練結果に先程の魔法を見せると、結構驚いていた。


「う〜む…。 この短期間でここまで行くとは……。ユーマは魔導の才があるのかもな!」


流石はワシの孫!と言いながらじいちゃんは笑った。


「魔導の才?」


「そう。 魔導の才とは、魔法への理解。 魔法をどれほど知り、扱うかが重要だとわしは思っておる。」


「へー。 そうなんだー。」


「お主…あまり理解しておらぬな…。 まあいつかわかる時がくるじゃろう! ガハハハハ。」


▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

とまぁ

これが一ヶ月の間に俺が頑張った成果だ。

 じいちゃんからは「わしが余計な口出しをしない方がお主は伸びる。 困ったことがあれば頼るといい。」と言われたので今では、まだ操りきれない属性である【雷】と【土】を使いこなせるように苦心している。

 今後の課題だな。

 あとは、先程の冷気や旋風の出力を上げる訓練をしたり、他に何が出来るか、思いつくたび実行している。

 母さんからじいちゃんと一緒の魔法バカと呼ばれてしまったが、楽しいのだから仕方がない。

どんどん試すぞー!! オー!



氷属性って強キャラですよねー

ハンターズギルドはシステム的には、モ○ハン的なやつです。



次回予告

次々に魔法を使いこなすユーマ。 

強くなっていくユーマを尻目にあの男も置いていかれたくないと、立ち上がる。 


次回 第6話 炎を統べる幼馴染み 

お楽しみに。

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