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巫女になりたくないので回避します。  作者: 天ノ雫
【第1章】 ルシウス帝国転移編
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Lesson 10 紺碧の騎士団 1


 ルシウス暦235年第7の月のある日。


 「は〜...」


 〝君が僕より強くなったら教えてあげる...僕の運命を〟


 アドリアナは魔法強化合宿でのルークの言葉を反芻する。


 フォルティスより強くなったら?

 そんな事あるわけナイナイ!


 魔術試験1位、剣術試験2位(1位クラーク)、薬学1位、政治・経済1位、歴史2位(1位クラーク)...


 廊下の掲示板に貼り出された、入学して初めての試験(テスト)結果を眺める。


 こんなヤツにどうやったら勝てるのよ?

 クラークやジャスパーにも負けてるのに!

 ...何気にクラークも凄いな?

 

 アドリアナの成績は薬学が1番良くて8位、魔術試験は9位で他の科目は15位以下だ。


 中身は私の方が3つも年上なのにこの差は一体なに?


 そもそも〝僕の運命〟って...


 私と同じように未来を知ってる?


 運命を変えたいって言ってたけど、変えたいと思うほどの未来って...何だろう?


 私みたいな理由?それとももっと違う別の...?

 もしかしたら私と同じ、他の世界から転移してきたのかもしれない...それともただ未来を視る能力(ちから)がある巫覡シャーマンとか?...ん?巫覡シャーマンがいれば巫女は必要ないんじゃない?

 

 はっ

 

 フォルティスが自分の未来を変えようとしているって事は...私の未来も変わる...?


 私の場合、私がアドリアナになっている時点で未来は変わりつつあると思う。前世では関わりが少なかったアンバー達や通うはずの無かった学院の友達...魔法も巫女になる前に使えるし...


 でも果たしてそれだけで私の未来は変わるのかな?

 16歳になって巫女になったらやっぱり皇太子の婚約者になってしまうんじゃない?

 マレ侯爵は前世では皇室からの申し出を断れなくて(断る事はあり得ないから)アドリアナが皇太子の婚約者になる事を承諾したけど、今回もそう成る可能性がある。

 皇室からの申し出をルシウス帝国に住む貴族が断る事は不敬で反逆と見なされる。


 皇太子の婚約者候補に上がらないように皇室から目を向けられる事なく出来れば巫女になる事も回避したい...


 そもそも《巫女》って何だろう?


 アドリアナはふと原点に立ち帰ってみる。


 私、肝心な事忘れてた...私はこの世界の《巫女》の意味が全然判っていないじゃない!!




   **   **




 アドリアナは授業が終わった後、アンカーズ帝国立図書館を訪れていた。

 巫女に関する書物は数が少なく、閲覧する者も少ないのか図書館の1番奥の棚にあった。


 『ルシウス帝国建国の成り立ち』


 『歴史における巫女達』


 『巫女の恋愛論』


 ...うーんどれを読めば良いんだろう?


 参考に全部読んでみようか...最後の本は個人的に私が読みたいだけだけど。


 巫女についての書物が並ぶ棚の前で眉間にシワを寄せて上を見上げていたが、とりあえず自分から1番近い場所にある1冊を手に取ってみようと本に手を伸ばした...


 あれっ....


 「と...届かないっ」


 思っていたよりアドリアナの身長は低く、精一杯手を伸ばしても御目当ての本の背表紙に中指が掠める程しか当たっていなかった。


 その時アドリアナの横から大きな影が覆い被さる様に背の高い男がアドリアナの御目当ての本をスッと棚から抜き取った。


 あっ...


 紺碧色にホワイトの騎士団の制服...マントの背には金の獅子(ライオン)の刺繍が施されている。

 マントを翻しアドリアナに向き直った男は笑顔で本を差し出した。


 「これが欲しかったのか?」


 「あ...」


 濃い群青色の髪、サファイアブルーの瞳...紺碧の騎士団と呼ばれる第1騎士団の団服姿のテオドールだった。




 

紺碧色の団服に群青色の髪...超似合ってる!!

和瀬君が騎士のコスプレしてるみたい〜〜写メ撮りたいっ!!(アドリアナ談)


※ 更新は不定期になります

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