Lesson 7 空色のソラ 2
コンコン
手荷物を取り敢えず机の上に置いたところでノックの音でアドリアナは驚いてピクッと身体を揺らした。
「はっ、はい」
「あ...マレ侯爵令嬢、いらっしゃってたんですね。リリアーナ・ウィリデ・フォンスと申します」
部屋に入って来たリリアーナは軽くスカートの端を手で摘むと軽くお辞儀をした。蒲公英のようなオレンジががった鮮やかなイエローの髪色、爽やかなミントグリーンの瞳...優しげな目元はアドリアナが思い浮かぶ深窓の令嬢そのものだった。
「アドリアナ・ステラ・マレです。...あの、私の事はアドリアナって呼んで下さい!これからは朝も夜も同じ部屋だし、堅苦しいのは苦手なので」
アドリアナの言葉にリリアーナはミントグリーン色の瞳を丸くして一瞬固まったようだった。
あ〜...やっぱりいきなり貴族の令嬢にこんな事言うの失礼だったかな?ファーストネームで呼んでほしいとか、親しい訳でも無いのに...
アドリアナが後悔し始めた時、リリアーナはフフフッと笑みをこぼした。
「では《アドリアナ》と呼ばせて頂きますね。私の事もリリアーナ...いえ《リリ》とお呼びください」
「うん。よろしくねリリ!」
良かった〜優しそうなコだ。
「にゃーん」
ほっと安堵しているとマントの後ろに掴まってアドリアナの髪で隠れていたソラがひょこっと顔を出した。
「まあ〜っ!可愛い!!綺麗なスカイブルーの毛並み...私のペットは猫ですがこのコは猫では無いみたいですね」
リリアーナはソラに近づくと喉元を指で撫でながら首を傾げた。ソラはゴロゴロと喉を鳴らして満足そうだ。
「エッ?そうなの?」
「はい猫科の動物ではあるようですが。この様な模様が入った猫は見た事がないので...」
ソラって猫じゃないの?でも鳴き声は猫だけど...
「にゃーん」
「うーん...ヒョウかトラの赤ちゃんかもしれません」
「ええっ??ヒョウ!?」
「もう少し大きくなったら判りますよ、きっと」
リリアーナは何でもない事のように言うが...この世界ではヒョウやトラもペットなのだろうか?アドリアナは思った。
《ヒョウ》って...猛獣じゃない!?
大丈夫なのっ?...ソラが成長したら私、食べられるんじゃ...!?
アドリアナはあどけない仔猫のようなソラをじっと見つめた...ソラが大きな水色のヒョウやトラになった姿を想像したら背筋がぞっとした。
イヤイヤ、ペットだもん食べるなんてまさかそんな事...
「信じてるからね!ソラっ?」
「にゃ...?」
アドリアナの女友達1人目。ソラって猫じゃなくて何なの?
※更新は不定期になります。




