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巫女になりたくないので回避します。  作者: 天ノ雫
【第1章】 ルシウス帝国転移編
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Lesson 5 魔法の心得 1


 まさかこんなにとんとん拍子に決まるとは...


 満足気な表情(かお)でアドリアナは広々とした草むらに寝そべっている。

 



 テオドールの成人のパーティーから帰った翌日、アドリアナが1人で勝手に魔法の練習をしないように、ヴァシリスは魔法の教師を決めた。テオドールとフォルティス卿からアドリアナのオーラが暴走しそうになった話を聞いてから、これは早急に決めなくてはいけない最重要事項になったのだ。


 ついこの前まで話すのは侍女だけで読書やピアノを1日中しているような子だったのに、『魔法を覚えたい』『学校に行きたい』なんて言い出すとは...どんな心境の変化だろう?


 ヴァシリスも流石にアドリアナの変化を疑問に思い始めた。だが...


 「パパっ!ありがとう〜っ!!」


 アドリアナの歓喜の抱擁でそんな考えは吹き飛んだ。


 きっと自分を変えようと頑張っているんだな、なんて可愛い娘なんだ!!


 ...親バカだわ。


 エレノアは思った。


 そして、学院の入学迄に時間があまり無い事もあってすぐ頼める魔法の教師...と思い浮かんだのは1人だけだった。ヴァシリスの親友で幼馴染でもある、隣の領地を治めているトラヴィス侯爵である。




 トラヴィス侯爵かあ...

 最初、トラヴィス侯爵から(もと)第3騎士団団長って聞かされた時は超びっくりしたけど落ち着いた素敵な紳士で良かった〜。


 だって第3騎士団団長っていえば大魔導師クラスなんでしょ?どれ位凄いのか私にはあんまりピンとこないけど、そんな人に魔法教わっていいの?って思うじゃない?


 元々研究肌だったらしく、領地も治めながら今は薬草や魔法の研究をしているそうで、パパの仕事も手伝ってくれているらしい。


 「おい、アドリアナ。精霊は見つかったか?」


 お昼前の程良い日差しで程良く温まった草花はふかふかしていて寝転んでいたアドリアナの(まぶた)が自然と閉じかけていたが、男の子の声で現実に引き戻された。


 「アンバー...そんなに都合よく会えるもんなの?」


 「加護受けてたら気に入られたって事だろ〜?」


 アンバー・テラ・トラヴィス。金色の髪に琥珀色の瞳の少年...トラヴィス侯爵家子息だ。


 「...僕も水の精霊に会いたいな」


 ジャスパー・テラ・トラヴィス。金色の髪にアクアマリンブルーの瞳でアンバーの弟。

 

 瞳の色を除けば瓜二つな2人は、トラヴィス侯爵の双子の息子でアドリアナの幼馴染でもある。


 「アドリアナとずっと一緒に居たら会えんじゃね?」


 「そっかー...じゃあアドリアナ、ウチに居なよ。毎日通うの面倒だろう?」


 「ジャスパー...そんな事無理に決まってるでしょ?」


 2人とも何言ってんの、貴族のお嬢様がそんな易々とお泊まり許してもらえるはず...


 「いいんじゃね?俺たちと訓練した方が効率的だし!」


 「じゃあ父上に頼みに行こう〜!」


 2人が指を鳴らすと頭上に黒い大きな鷹が2羽現われた。2人のペットの名前は〝ファル〟と〝ソクル〟である。

 アンバーとジャスパーは鷹に飛び乗り、ファルとソクルは2人を背に乗せて飛び立とうとしている。

 

 「ちょ、ちょっとっ!?2人共っ?コラッ待ちなさいよ!!」


 私にはペットいないんだから!!此処まで連れてきたくせに歩いて帰らせるつもりなの??


 「置いていく訳ないだろ、冗談だよ」

 

 頭上でニヤニヤ笑っているアンバーをアドリアナが睨んでいるとジャスパーが右手を差し出してソクルの背に乗せてくれた。


 ジャスパー優しい!...同じ顔なのになんでこんなに性格違うんだろ?


 ファルとソクルはトラヴィス侯爵邸を目指して飛び立った。


 トラヴィス侯爵邸に魔法の教えをこう為、アドリアナはこの数日間、馬車で通っていた。魔法の訓練の間は2羽の鷹達に何回も乗る機会があり、大分この高さに慣れてきた所だ。


 「こうして一緒にいるとやっぱり君は別人だね」





双子とはすでに仲良さそうだけど... バレてたみたい?


※更新は不定期になります。

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