表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

わたしの “ろん” !!

作者:Mr.ナゲット
日課のランニングから帰ると、それに気づく。

真っ黒な地面の上で何か白いモノがうねうねしている。

「何だろ……?」

気になった私は、その場にしゃがむ。

 小さめの白い幼虫が地面で悶え苦しんでいた。

その表面には小さなアリが6匹ほど。

幼虫は彼らに噛まれていた。

私は人の目を気にすることなくその場で観察し続けた。

(これは助からないな……)

 私は幼虫が死ぬまで、それがどんな反応を見せるのか気になった。

変なことをしているな、とは思った。

それに、

残酷なことをしているな、とも感じた。

私の入っていた部の顧問のひとことが脳内に浮かんだ。

「苦しんでいるなら踏みつけて殺してしまえ」

虫のためだ、とのことだった。

私は観察しているだけで、踏みつけなかった。

私は苦しんでいるのを興味深く見ているだけで、

幼虫を助けなかったわけだ。

 しばらく観察を続けた。

その体に赤い、長くて細い線が2本くらい出始めたところで、(表皮が顎によって裂かれたのだろう)

私は観察をやめた。

 生物が死ぬまでの苦しみのプロセスに興味を持つ。

靴が汚れるのを嫌がって、
幼虫を踏みつけずに観察を続ける。

その死のシーンに飽きて家に帰る。

主語は全部、私。

残酷な私。

 そんな私が創り出した物語。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ