2/2
彼はそして後悔する
それから数時間が経った頃、俺はすでにどん底に落とし入れられていた。
なんで焦ってしまったんだよ俺は…と、何度も自分に問いかける。
「葵、私ね、好きな人がいるの。」
その言葉が何度も脳で繰り返される。
現実が俺を追いかけて、逃がそうとさせてくれない。
これは夢であったと思い続けたい。
フラれたら諦めがついたと、先人たちは言った。
でも現実は違う。
とても辛い。そして未練もまだある。何よりまだ俺は彼女のことを思うと胸が張り裂けそうになる。
そう俺はまだ、夕鶴のことが好きなんだ。
だがあいつには好きな人がいる。
俺にはその恋を邪魔することはできない。
そんなことをしたら嫌われるだろうという恐怖もある。邪魔をしたとしても、あいつの気持ちをねじ曲げるかのようで俺のポリシーから外れた行動になってしまう。
俺は何をすれば彼女に好かれる?
俺はどうすればあいつを振り向かせられるのか…
俺は考えた。頭をいつもより何倍も使い、考えた。
答えは簡単だった。
あいつを振り向かせるために、
あいつに相応しい男になるために、
俺は自分を輝かせる!!