第二話
前投稿したのを見て短っ!と思いました
第一章 多分導入部
第二話 特訓をしてるみたい
「くだらない」
そんな声が聞こえてくる。
これは夢だろう。過去の夢。裏切られ、逃げ回っていたときの夢だろう。
「お前のくだらない目的のために、何人殺した!」
クラスメートの勇者が叫んで来るが生憎とそんな余裕はない。ただでさえ、深手を負っているのにこんなやつの言葉に耳を傾けている場合ではない。
俺は自身のスキルである《倉庫》の中の聖剣を取り出す。作ってもいいのだがコスパの問題で、そんな悠長なことはしてられない。
《「天命剣ゼラクルシアよ、命の輝きを灯せ!!」》
詠唱の完了と同時に傷が回復していく。この剣は手持ちの聖剣の中でも最高クラスの回復能力を持つ。
しかし、
「無駄だ!」
「く!!」
勇者の持つ聖剣の一撃を再び食らう。
そして追撃と放った奴の攻撃で俺の意識は闇に落ちる。
「ガハ!」
はずだった。
「おい、何してんだ。おい、何俺かばってんだよ」
そこにいたのは、元の世界で多分、家族以上に同じ時間を共有していた、最高の親友。
「ハハハ、何してんだろうな」
「おい、何を笑ってんだよ。ふざけんなよ!!もう助からないんだぞ!」
勇者の持っている聖剣は治癒阻害の効果も持っている。
これでは回復魔術も俺の持つ天命剣も意味が無い。
「へっ、死ぬべきじゃないってことだよ。ちゃんと生きろよ。《テレポート》」
「おい!!話は終わってなっ」
言い切る前にあいつが発動したテレポートの光か俺を包み込む。テレポートが完了し、周りを確認する。どうやら王都付近の祭壇、竜王門らしい。ここなら、あと一ヶ月は人が来ない。
警戒を解くと涙が溢れてくる。
「あいつ、この距離を飛ばすのに自分の命を引き換えにしやがって。ふざけんなよ、お前がいねぇと、体育の時間に誰と組めば良いんだよ」
それはいつしか滝のように流れ出し、俺の心臓はまるで握られていかのように締め付けられていた。
________
「っ!ハァハァハァ夢か」
最低最悪な夢だった。そして、おそらくこの夢を俺はこれからも見続けることになるだろう。
「だが、それが何だってんだ」
そうだ。この夢は俺にこれまで受けた傷の痛みを思い出させてくれる。
さぁ、愉快で楽しい復讐の計画を進めよう。そして、生きるべきだった、救われぬ人たちを救うとしよう。
「さあ、最初のアクションは一ヶ月後だ。それまでせいぜい、君たちの観察と、こちらの実験をさせて貰おう」
これからのことに、思いをはせるのだった。
すみませんやっぱり少なかったです