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亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~  作者: 光秋
第八章 王者・無双編

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724 くじ引き(1)


 大闘技会キングストーナメント本戦出場選手一同が試合会場となる闘技場に勢ぞろいしていた。

 そこには無論のこと、予選には参加していなかったウシツノ含む招待枠選手たちの姿もあった。

 会場には大勢の観衆が詰めかけ、その人波は会場の外にまで広がっている。

 当然街中に設置された巨大スクリーンを通して、これから始まる組み合わせ抽選会を今か今かと誰もが待ちかねていた。

 会場中に荘厳なファンファーレが鳴り響くと、正面の高座に妖精女王ティターニアと藍姫サチが現れた。

 今日は特にスピーチをするでもなく早速と席に着くと、代わって実況席に陣取った小鬼族(ゴブリン)のピースウイングがスピーカーを通して会場中に開会の宣言をした。


「強者の雄叫びと弱者の慟哭をお求めの紳士淑女諸君! よくぞお集まりいただいタ! お待たせしたネ、組み合わせ抽選の時間ダァッ」


 会場中から歓声が飛ぶ。

 興奮が足元を鳴らし会場全体が振動する。


「早速だが抽選を開始するヨ! 一週間も延期したんでオーディエンスのみんなも焦れている事だろウ! 余計なスピーチやパフォーマンスはいらないネ。求めているのはただひたすらに闘争と破壊! 勝利と血の敗北だろォ」


 会場中どこからでも見渡せる位置に巨大なスクリーンが展開された。

 そこに三十二チーム分のトーナメント票が映し出される。


「今から順にチームの代表者にくじを引いてもらうヨ。くじに記された番号で対戦相手が決まるシンプルな仕組みサ! ただし」


 トーナメント票を見ると三十二本の横線にそれぞれ番号が振ってある。

 さらに一番から八番がAブロック、九番から十六番がBブロック、十七番から二十四番がCブロック、二十五番から三十二番がDブロックと書かれていた。

 つまり八チームずつ四つのブロックに分けられ、それぞれのブロックで勝ち上がれば四強ということになる。


「ただし一番、十六番、三十二番はすでにどのチームが入るか決定済みダ。彼らは特別招待枠として大会運営側の推薦となっているからネ。紹介しよウ」


 パッと隣のスクリーンにウシツノ、アナトリア、ダーナの姿が映し出される。


「一番はカエル族の剣聖ウシツノ率いるコロッセオのチャンピオンチームだッ」


 真っ先に優勝候補筆頭にして一番人気のウシツノチームが紹介されると会場中のボルテージも爆発的に上がった。


「そして十六番は我が国の誇る頭脳、三博士のひとり、獣魔学士バサナ氏推薦のハイ・ケンプファーチームッ」


 続いてスクリーンに映ったのは三人ともに全身をローブとマントで覆い隠した不気味な者たちだった。

 微動だにせず、なんの反応も示そうとしない様に会場中は戸惑いの息をのんだ。


「最後に三十二番、こちらも三博士の取りまとめ役を担う魔霊学士ホルウ氏推薦、ネオ・ケンプファーチーィム」


 どよめきが起きた。

 先のチームに続いてまたしても全身を見せないローブとマント姿の三人が映し出されたためだ。


「不気味な奴らだ」

「けっ、勿体ぶるほどのものかよ」


 似たような不満や悪態が客席のみならず選手たちの口からも上ったが、実況を務めるピースウイングは意に介さずに進行をつづけた。


「さあここからは誰も展開を知らない運任せの抽選だッ! 呼ばれたチームの代表者は舞台の中央へ進み出てくじを引いてくれたまエッ! まずはコロッセオの剣闘士、山猫のアーシュナン」


 呼ばれた戦士がひとり中央へと進み出る。

 白砂が撒かれた試合場の中央には丸太を組んで即席の台が設けられ、高さ百センチほどの円筒状の黒い箱が置かれていた。

 傍らには露出が多くきらびやかな衣装を身にまとった美女アシスタントが黒い箱の上部に開いた十数センチの穴を指し示している。

 上から覗き込んでも穴には目隠し用のシートが張られていて、意図的にくじを選ぶことはできそうにない。

 戦士が右手を突っ込むと中には少し硬めのカードが複数枚入っているのが分かった。

 取り出した一枚をアシスタントに差し出す。

 カードは封蝋されており、開封するまで番号はわからない。

 中から取り出したカードに記された番号を読み上げながら美女が頭上にかざした。


「二十五番でぇす」


 二十五と書かれたカードが会場のスクリーンに大写しにされた。


「山猫のアーシュナン率いる剣闘士チームはDブロック第一試合に決まりダ。続いては放浪の剣士、憂い谷のウーサー!」


 続けてボロをまとった剣士が引いたカードは八番だった。


「Aブロック第四試合! 次は鬼狩り士ヤクモッ」


 十二番、Bブロック第二試合。


「続けてコロッセオの剣闘士からパンクラチオンの名手ラクレスゥ」


 多少の歓声が沸き立った。

 彼は長年コロッセオで活躍する戦士のひとりで名も売れていたためだ。

 もっとも、裏で八百長試合も厭わないらしく、清廉潔白を旨とするダーナなどは彼を毛嫌いしていたが。

 引いたカードは三十一番だった。


「おっと早くもひとつ対戦カードが決定したゾッ」


 実況に合わせてスクリーンに映されたのはラクレスのチームと招待枠のネオ・ケンプファーチームだった。


「これはいきなり面白い! コロッセオの人気チームと魔霊学士ホルゥ博士推薦チームの激突はDブロック第四試合。一回戦ラストを飾るに相応しい好カードと言えるネ」


 続いて二チームが引いたのは十五番と四番。

 十五番はこれまた剣闘士のチームで対戦相手は獣魔学士バサナ博士推薦チーム。

 四番は双子の女騎士を従えた白髪の壮年騎士だ。


「さあさあ次は全出場選手たちの中でも最も異色のチームの登場だヨ! 灰猫としゃべるフクロウを引き連れた炎のカエル、アマンだァ」


 予選で目立ったアマンは注目される選手のひとりに間違いなかった。

 悪い気もしないと意気揚々にくじを引いたアマンがカードを渡す。

 受け取ったアシスタントは高々とカードを掲げた。



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