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亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~  作者: 光秋
第六章 英雄・奇譚編

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463 アカメの冒険その8 追跡


「あったよぉ! アカメ、こっちこっちぃ」


 両手を振っていたハクニーが、こっちこっちと足元を指差している。

 アカメは走り寄ってハクニーの指差すその足跡に、ホワイト・ランの蹄鉄を当て嵌めた。


「間違いありません。ナイス発見です、ハクニーさん」

「んふふ」


 夕暮れの荒れ地をホワイト・ランの足跡をたどりつつ歩き詰めた。

 雨の後ということもあり、最初のうちは比較的判別もしやすかった。

 けれど次第に固い土や岩に覆われ始めた頃から足跡たどりは難航していたのだ。


「所詮は付け焼き刃でしたね」

「帰ったら盗賊ギルドに入会して本格的に学んだらどう?」

「その時間は読書に充てたいです」


 周囲を検分しながら軽口を叩く。

 いつの間にやら二人の仲は以前のように戻れていた。


「御覧なさい。この辺り、足跡が行きつ戻りつしています。それにこれは」

「ブーツ跡だね」


 蹄鉄以外に人の履くブーツの足跡が追加されていた。


「もちろんキーヴィスでもドワーフでもありません。第三の男の登場です」

「どうして男だってわかるの?」

「歩幅からして身長は百八十に近いです。足のサイズも大きめですね」

「大柄の女性だっているよ」


 アカメが生い茂る草むらからカミソリを拾い上げた。


「持ち主はここで髭を剃っていたようです。恐らく毎朝の日課だったのでしょう。赤毛の立派な髭を蓄えている御仁ですね。何本か纏わりついたままです。……スンスン。微かにタバコの匂いが残っています。銘柄はスタンシラでしょうか」

「あ、キーヴィスもタバコ吸ってたね」

「彼のではありませんよ。彼はエディンブエラを吸っていました。おやっ」


 カミソリを凝視していたアカメが刃先に着いた赤点を見る。


「どうやら驚きのあまり口許を切ってしまったようですね」

「え、どうしてわかるの?」


 アカメが刃先の赤い点を示す。


「それって血?」

「よほど驚いたのでしょうね。こんなところにカミソリを放り捨てて。それに足跡が右往左往しています」


 アカメが遠くを見た。

 その先には厩舎が見える。


「どうです? これこそが想像の力です。ディエイ隊長はなかなかに、堂のいった決め細やかな人物で頼りにはなりますが、この想像力というものに欠けています」

「うん」

「私たちは状況からひとつの仮定を立て、そしてこの仮定に沿ったことでここまで到達しました。では参りましょう」

「あそこの厩舎? でも調べても何もなかったって隊長さんが」

「行けばきっと教えてくれますよ」


 もはや足元などは見ず、二人はまっすぐアークライズ卿の厩舎へと向かった。


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