シスエン~妹に俺は縁がある。【ショートバージョン】
俺は特異な体質……ではなく、幸運と悲運の両方を同時に起こすことが可能な人間だ。ただし、俺自身に幸運は訪れてくれない。俺に悲運が訪れると同時に、どこかの妹に幸運が舞い降りている……という、何とも理不尽な世界を生きている。
それはつまり、あらゆる妹と縁が生まれていることだ。素晴らしい! これは俺にとって幸運。たとえ俺自身に悲運が待ち構えていようと、これから出会える妹がハッピーであれば、それほど素晴らしいものはないと言っても過言ではない!
さぁ、俺! 早く不幸に遭って、妹に逢わせてくれ!
とは言え、まずはお金を銀行からおろしておく必要があるな。それはもちろん、見も知らぬ妹の為に! 幸せはお金では買えない。だがしかし、お腹だったり、洋服だったり……目に見える所はお金で満たさなければならないのだ!
「お客様……ATMではなく、口座からの引き落としですと手数料がかかりますがよろしいですか?」
「はい。望むところです!」
「は、はぁ」
ATMからの引き落としは簡単だ。だがそれではダメなんだ。誰かと会話をして目を合わせて、お金を手にしないと何かが起きない。そんな予感が俺の中にはあった。そして、不幸は訪れた。
「おいっっ!! そこのお前、両手を上げろ!」
「あ、俺かな?」
「早くしろっっ!!!」
「は、はい」
「今から言うことに従って、金をこのバッグに詰めやがれ! お前は人質じゃなく共犯者だ!」
えー? 人質じゃないと不幸じゃないじゃないか。それは困るぞ。金をバッグに詰めるだけじゃ割に合わないじゃないか。どうしてくれよう。
「嫌です!」
「俺に逆らうのか? いい度胸してるなお前。気に入った! 分け前を与えてやるから、早く銀行員を脅せ!」
ってことがあって、俺は銀行強盗のお仲間になってしまった。そして悲運が起こった。確かにお金はゲット出来た。でも、すぐに捕まってしまった。俺も一緒に。
「何であんなことをした!!」
「いや、おれにもさっぱり。だって、お金おろしに来ただけですもん。だから何の罪にもならないですよね?」
さんざん犯人扱いされた上に、説教をされたけど見ていたギャラリーの証言で釈放? されたのは良かったけど、下ろし途中の自分のお金が何故か減っていた。あぁ、不幸だ。
しょんぼりと銀行を出た俺は、思わず守ってあげたくなる妹に出会えた、これこそが幸運の始まり!
短編バージョンです。長編はまた違った書き方かもしれないです。




