最後の日 (前)
まず俺は真っ先に妹の行く黄昏小学校に送りに行っ た。しかしこの近くに面倒なアイツが住んでいるの で、俺は妹を担ぐように抱いてほぼ全力で走った。出 会わないように。
「あらっ、隆元くん。その様子だとまぁ〜た寝坊しか けたのね。ふふっ。」
「くっ…な、奈月さん…」
そう、面倒なアイツとは奈月さんこと権藤奈月だ。正 直な所シカトして行きたいが、このまま行かしてくれ るわけ無い、かといって妹が遅刻してしまっては本末 転倒だ。しかしここから小学校は目の前なので、妹送 りはここまでとなった。
「やっぱり由利奈ちゃんには優しいのね~。すこし妬 いちゃった。」
「そんなことはありませんよ。それよりも、まさかま た『鬼ゴッコ』するためだけに待ってたんですか」
「う~ん…確かにしたかったよ。でもおっちょこちょ いの隆元くんにすこし言っておかなくちゃいけないこ とがあるんだよね。」
「何なんですかぁ~、言うことって。」
焦らしまくる奈月さんに苛立ちを隠せなくなってき た。それを察したのか、急に真剣な顔で話し始めた。
「隆元くん…、最近暑いよね」
「えっ…ええ……まぁ。」
そりゃあ今は7月だからな。暑くて当たり前だ。しか しなぜそんなことことを聞くんだ。と思っている間に も奈月さんはしゃべり続ける。
「今年の夏は異常に暑いんだって。」
「あの……何が何だかわからないんですけど」
すると奈月さんコホンと一息入れて、本題を話した。
「とにかく食中毒に気をつけてね~」
「そんだけやったんかい!」
ついなまってしまったが、今更ながら先に妹を行かせ てよかったと思った。
多少のタイムロスがあったものの、無事に学校に着く ことができた。(4ヶ月前に高校を卒業して、今はと ある医療系の専門学校に行っている。)とはいえ、あ と5分少々で講義が始まるので足を止めず階段を駆け 上がり教室を目指す。
「よぉ隆元!またギリギリだナァ」
教室の手前まで着いたところで不意に後ろから声がか かる。
「なんだ、お前か」
「しっかし…、毎日毎日羨ましいなぁおい、スーパー エンジェル由利奈ちゃんと 『朝のデート』てのはヨォ」
コイツは大坪瑠。物事の割り切りがよく、誰に対して も壁をつくらないのでみんなから好かれているが、俺 だけが知っている欠点がある。 それは――
「うるせぇ、ロリコンキングが!」
「くっ…お、俺は…ロリコンじゃねぇ…」
そう、この男はこの学校で1、2を争うほどのロリコ ンなのだ(本人だけはそう思ってないらしいが)。だ がいつもの瑠ならば5分前には教室に入っているはず だがいったい何があったんだと考えていると
「いや~、実は朝食ったパンが腹に当たったんだよ ナァ」
「おい、しみじみと言うなよ。まぁ最近は朝から暑い からな。」
などと言ったが、今朝奈月が言っていたことをおもい だした。
「お前…もしかして食中毒か…」
「食中毒…というよりただの食当たりだな。…あれ?あれあれ? もしかして心配してくれたのかなぁ、りゅーげんく ん?」
「んなっ…!べ、別にし…しん……心配してねえ よ…」
しまった、ツンデレ口調になってしまった。
「ギャハハハッ!さっすが学校一のツンデレ君だナァ おい」
この野郎…、と思い拳を握るがそれすらも見透かされ ているように思えるので、握った拳をそっとなおし た。 今はツンデレ君というあだ名で呼ばれてるが、 つい2ヶ月前までは針のようにツンツンしている様 と、名前の隆元の隆という文字をとって 『ニードルドラゴン』と呼ばれていたので、その頃に 比べればまだマシだった。
「まぁ、そろそろ講義が始まるから入ろうぜ」
「それもそうだな。ところで瑠、今日の7時ごろ空いてるか」
「まぁ…7時ごろどころか学校が終わったらフリーだゼ。」
「よかった、実は由利奈が昨日に瑠と飯を食べたいってうるさかったからな」
「よっしゃぁ!由利奈ちゃんとのディナーなんて…俺もう死んでもイィ!」
「じゃあ7時だからな」
「わかったゼェ!」
相変わらず由利奈のことになるとテンションが上がるんだよな。
そうこうしているうちに講義を知らせるチャイムが鳴り、慌てて席につく専門学生2人の姿があった。
どうもはじめまして。黒田マサキです。久しぶりの投稿ですが、前回はうっかりあとがきを書き忘れまして(笑)、急きょ書きました。
これからも書いていきますが、コメントをもらうことに憧れているので気が向いたらコメントなどを書き込んで下さい(笑)




