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始まりの1歩

少女は道を歩いていた。

腰に携えている剣は太陽のように赤くして神々しく眩しい。

ずっと眺めていると吸い込まれそうな感じに存在感があり、回りの人々も剣や槍を携えているが、少女の携えている剣とは比べ物にならないぐらい。


左右には屋台が並び多くの人々が賑わっていて、それがひたすら中心へと進んでいる。

中心部には大きな大樹が成っていて、神聖とも言えるほど曲がりのない立派で丈夫な大樹、幅も高さもこの世界でダントツの一位に誇れるこの街、ルーマのじまんだ。


大樹にはギルドがあり、依頼を託されて少女はそこから歩いて来ていた。

ポケットから正方形の紙を手に取り重視する。

依頼内容はとあるレストランが騒がしいから注意してくれのこと。

それを再度確かめた所で少女は深いため息を吐く。


「わざわざギルドが出るほどではないだろう」


ギルドとはモンスターの討伐、街の人が何らかの被害、盗賊に拐われたの報告で動くものなのだが、ここ最近、些細(ささい)なことでギルドに頼んでくる。

しかも些細なことだけに報酬額がかなり少ない。

もはや便利屋と間違えられているのだろうなと再度ため息を吐くのだが仕方がないことなのだ。


ギルドマスターの忠義でたとえ些細な依頼だろうが全力で成し遂げろのこと。

律儀過ぎると思うのだが、マスターの性格を思い出してそうでもないなと口から小さく言葉が漏れた。



ホカホカ亭と看板に書いてある場に立つ。

少女は依頼場に着き扉を開けた。

中に入ると椅子に座っている二人しかいない。

少年に幼女。

騒ぎをたてるならそれなりに凶悪な人と想像していたのだが、二人とも貧弱な身体して、凶悪な柄ではなかった。

この二人であっているのかと怪訝な表情を見せるがここには二人と店主しかいない。


何度目のため息だろうか。

なおさらこの二人ぐらい態様出来るだろうと苛立ちを持つが依頼は依頼だ、店主に睨みをかましたあと少年の方を見る。


「…ん?」


口を開けてポカーンとした表情で少年が少女を見ていた。

私の顔に何か着いているのかと思い自分の顔を撫でるが、何とも着いていない。

そして気付く、少年は自分の顔を見てたの出はなく、腰に携えている剣を見つめているのだと。



***


渡の頬に一滴の汗が流れ、ゴクリと固唾を喉に通す。

目線は完全に目の前にいる少女の剣を見つめていた。


「え、エル、確認するがここは日本ではないと気づいていた僕なのだけど変わりにヨーロッパどこかの国ってことも気づいていた訳だが、違う国はこんな町中で堂々と剣を持っていてもいいのだろうか?」

「渡、根本的に勘違いしている、ここは日本でも違う国でもない、というより地球でもないんだよここは」

「まさかの発言!?」


なぜ早く気づかなかったんだと渡は憂鬱に手を頭に乗せる。

思えばここの街には沢山の不可思議なことがあった。

このレストランに来る前に列になっている屋台があったのだが、まずそんな賑やかな街ならば噂が流れたり記者やカメラマンが訪れていてもおかしくはない。

だが渡が道のりを歩いている時にそんな人はいなかった。

つまりそう言うことだろう。

ここは異世界、この場のレストランは現代とは程遠い雰囲気、レストランと感じない。

現代科学についていけてないのだろう。

だからカメラマンがいないのも頷ける。


「も、もしかしてモンスターも?」

「もちろんいるよ、じゃないと剣を持っている意味がないし」

「えーと」


不意に記憶にない見知らぬ声が聞こえて、渡は1人の少女を忘れていたことに気付く。


「ああ、ごめん、今物凄く混乱していたものだから、あと君の剣が凄くきれいだから見とれてしまったんだ」


と。

本音の言葉を吐き少女の顔を見て謝る。

さっきは剣に見とれて顔なんて見る余裕はなかった渡だが今こうして見たことに美人だ!と、頭の中をかき混ぜた。

赤く燃えたような赤いロングヘア、まさに剣と色が一致している。

スマートな身体をしており、触ったらおれるのではないだろうか。

だがその裏腹に出るところはきちんと出ている。


「あ、ああ、ありがとう、これは私の家で代々伝わるカナシバという剣でな、お爺さん、いや、その前のお爺さん、いやいや、その前のお爺さんが使っていた気が」

「お前は混乱している僕を余計混乱させるつもりなのか!?」


渡にとってお爺さんのことはどうでもいいが、剣について長く語られそうになったので早いうちにつっこんだ。

正直の所、剣の話題を出したのを後悔した。

こんど会えた時はじっくり話を聞くとしよう。


「すまない、えーと」


名前に困っていそうなので渡は自分の名前、黒住渡と名乗る。


「黒住渡か、少し違和感があるがいい名前だ、では私も名乗るとしよう、ルシファだ、よろしく」


何をよろしくされるのかはいまいち分からないが何となく渡もよろしくとのる。


「てい!」

「いたっいた!」


唐突にエルが渡の足のすねを蹴る。


「何するんだエル、すねを蹴られるとけっこう痛いんだ、ていうより僕がエルに何かしたか?」

「いや、話について行けなかったからちょっと苛立ちを持っただけだよ」

「…自由気ままに生きてるな、エルは」


はぁとため息1つ。


「私はエル、よろしくねルシファ」

「うむ、よろしく、と、こんな話をしている場合出はなかった、お前たち宛にこのレストランの店主からうるさいと苦情がギルドに届いたのだ」

「そうなのか、じゃあもうここを出たほうがいいな」

「…」

「ん? どうしたんだエル、黙りこんで、それにそんな汗だくにして」


見るとエルの顔から沢山の汗が吹き出し、体の水分が無くなるのではないかと思うほど、地面に垂れていた。

エルはというと。


「な、何でもない、別にお金がないからどうしようとかそんな食い逃げじみたことは考えていないよ」

「果てしなく分かりやすい性格だな、お前は」


ようはお金が無い、参ったな。

お金が無ければ当たり前のように店主にどしかられる、下手したら警察。

この世界に来て初日でカシャンはないだろう。

いや、そもそもこの世界に警察なんているのか、こんな文明だ、いないのかもしれない。

もしかして死刑かもしれない。

…それだけは避けないと。

彼女しか頼む方法しかないなと思った渡は頭を下げて言う。


「ルシファ、初対面でこんなことを頼むのは図々しいかと思うが、僕らにお金を貸してくれないか?」


ルシファは少し考える表情を見せて、数秒を経つと笑みを見せて言う。


「取引だ、私の頼みを聞いてくれるのなら食べた物を全部私が払ってやる。どうだ?」

「分かった、エルもそれでいいか?」

「うっ、面目ない…」


顔を俯かせて言うエルの表情が可愛い、トマトみたいに真っ赤に染まっている。

頼みが非情に気になるが、どっちみち僕らが断る事は出来ないだろう。

だって異世界であるこの場で取引を断ればこれからどうなるのかが分からないのだから。


「よし、じゃあ会計を終わらせてよう」


ルシファは会計に向かい、店主に話しかける。

銀のコインが数枚。

あれがこの世界のお金なのかと渡は感嘆した。

会計を済ませ渡のいるところへと足を運ぶ。


「所でルシファ、頼みは何をするの?」


ごもっともな質問だ。


「では説明しよう。私の友人二人が今年で12才になってな、ギルドでのまともなモンスター討伐が出来るようになるのだが、そのまえに儀式があるのは知ってるか? 二人とも」

「いや、知らない」

「私も知らない」

「てことは他国からの来客か? なら知らないのは当然だな、儀式についてはただ特定されたモンスターを討伐をすれば良いだけだ、だが今年は12才になる子達が少なくてな、ギルド長が二人では危ないと討伐が来年に回される所だったんだ、そこでお前達二人が登場ってな訳だ、やってくれるな」


渡の喉に固唾が通る。

正直行く気にならない。

まだ戦い方もまともに知らないし、それにまだモンスターと戦えるほどの勇気なんて存在しない。

それに複数で行くほどだ、それなりにモンスターが強いのだろう。

だから今さらながらお金を持っていなかったエルに向けて、心の中で愚痴を吐く。


「やりますっ!」

「よし、分かった、ではさっそくギルドに向かうとしよう、二人とも着いてきてくれ」

「ちょっ!」

「よーし、やる気でできた!」


僕の意見は!

と心の中で叫んだ渡だった。


だが渡にとってこれは大きなチャンスだった。

ギルドに出逢って、友達もたくさん出来て、未来にはハーレムも待っているだろう。

今後、渡には想像の出来ない出来事が嵐のようにやってくる。

渡は死んで短い人生だったが、ある意味これからが渡の本当な人生かも知れない。

この世界で様々な事を知って様々出来事に立ち向かって、この世界に来て後悔する日もあるだろうが、最後、果実をてにいれたときにはもう後悔はないと思う。


さぁいま、少年の歩むストーリーが刻まれようとしている。























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