第九話
ちょっと、進展しています。
読みづらい、意味わかんねー作者シネと言った感想お待ちしてます……すみません、最後のは無しで。心が折れてしまいます(泣)
「チッ。ツマネーことすんなよ『』能力者。その女、目がいってやがったからいつ攻撃してくるかワクワクしてたのによ〜」
「すみませんね。でも、彼女は僕が巻き込んでしまっただけです。勘弁して下さい。そして僕も今日は担任の愛の補習があり、くたくたなので見逃してくr…ガキィーーーン!
「んなわけーねぇだろが‼‼」
秋真が会話で終わらせようとしたが『鬼』は自分の位置から下に向かって飛び秋真に右拳を入れた。が、そこには殴ったことでボルトが緩み、下に落ちて行く鉄格子しかなかった。
「だと思いましたよ…テン‼」
「………コクン……」
秋真は響を抱えて『鬼』が殴った位置から真後ろにくると、秋真の隣には髪は薄緑色のボブカットの少女がいた。見た目は12歳ぐらいの少女は右手を下から上に振り上げた。すると、どこからともなく風が吹いた。
「カカカカッおまえのその技はさすがに避けないとヤバイな」
「テン、しばらく相手を頼みましたよ」
「………コクン、……」
『鬼』は口を吊り上げて、左に飛び引いた。だが、薄緑色の髪の少女、『テン』は『鬼』との距離をとりつつも右手をあらゆる方向へと動かしている。その度に風が吹きテンが動かした手の延長線上には切れたあとが残っていった。
「カカカッ、『』能力者の『鎌鼬』はテメーが出してたのか!」
「……ちょっと…うるさい…」
「あれ?昔、あなたに言いませんでしたっけ?」
「言ってねぇーよ!!バカかてめぇー」
「ム!…主に…悪口。…ゆるさない…」
『鬼』はテンが出している鎌鼬をかわしながら『昔の事』を掘り返した秋真に怒鳴った。
テンはさきほどよりも手に力をいれて振っている。
そして、『鬼』とテンの戦闘を見ていた秋真は自分も戦いに参戦するために抱えている響をひとりの『妖怪』に頼むことを決めた。
「ぬま。いますか?」
「はい、こちらに。主様」
すると、いつのまにか秋真の斜め後ろには片膝をつき頭を下げている、紺色の髪の女性がいた。見た目は24歳ぐらいのお姉さんに見える。そして特徴的なのが肌に蛇のような鱗が疎らにあることと、かなり長い髪である。髪は約6メートルはあるかもしれない。この髪は足元までくると、そこから折り返され後頭部までいき、そこからさらにポニーテイルになっている。
秋真は斜め後ろに振り返り両手に抱えている響を、立ち上がったその女性に託した。
「このままでは戦えません。如月さんを下にお願いします。そして、そのまま護衛を」
「はい。分かりました…。主様?」
『ぬま』は秋真の青紫に光る左目を凝視して頬を赤らめた。
「ん?何ですか?」
「///久しぶりにその『瞳』を見させてもらいました…。いつ見てもお美しいです。」
「そうですか?気恥ずかしいですが、ありがとうございます」
「ふふ。では、ご武運を。たまも、後は頼みましたよ」
「うむ。こんな下っ端、すぐに葬り去ってくれる」
そして、ぬまは秋真の『瞳』を褒めると響を受け取りビルの下の闇に消えた。
ぬまの姿が消えたと同時に秋真の右側に風と薄緑色の髪がなびいた。そこにはテンが来ていた。
「…主…ごめん。あいつ…昔より強くなってる……。」
「テン。謝る必要はありませんよ。よくやってくれました」
「!むキュ!!///」
秋真はとなりにきたテンの薄緑色の髪を撫でた。撫でられたテンは顔を真っ赤にしてテレている。
その様子を隣で見ていた、たまもは眉間にしわを作り口を尖らしていた。
「むぅぅ~…。主殿はいっつもテンばっかりかわいがりおって…」
「たまもも、がんばってくれたらやってあげますよ。他にもいろいろね」
「///な?!……じ、じゃあ、ワシの話を邪魔した下っ端を懲らしめてやるかのぅ///…け、けして主殿にナデナデして貰いたいわけじゃないのじゃからな!う、うぬぼれるのでないぞ!主殿!」
「……たまも姉…照れてる…」
「照れておらん!」
「照れてますね(笑)」
「照れておらん‼///」
二人は戦闘中にもかかわらずのん気に狐女をからかっていた。その様子を見ていた『鬼』は三人の中で異様に光る『青紫の瞳』を指差し、のん気な会話を切り裂いた。
「カカカッ。お前がその『瞳』…『桔梗眼』を出したってことはおまえも戦うってことでいいんだよな~『』能力者!!」
「はい。あなたを倒させてもらいます。」
秋真は会話切り裂いた『鬼』にさきほどの笑みを消して真剣な眼差しで答えた。左目の光はより一層光を増し、瞳の中には一輪の花が咲いていた。
「『倒させてもらいます』…か、あいかわらず、あまいな~おまえは。」
『鬼』は秋真の返答にすこし微笑んで会話を受け返した。そして、指をポキポキと鳴らし構えた。
「ま!こっちは殺す気で行くけどな」
「たまも!テン!行きますよ!」
「うむ!」
「…コクン!」
そして、鉄格子だらけのビルの上で戦闘が再び始まった。
◆◆◆
「……」
「ん、ん…」
「!…目が覚めましたか?」
「ん…ああ。イッタ…」
建設中のビルのふもとでは気がついた響を案ずるぬま、ベンチから上半身を起こし首をさすっている響がいた。周りはビルの建設を逃れた公園になっている。外灯が照らされる中、響は自分を心配する紺色の髪の女性を見た。肌には蛇のうろこのようなものが見える。
「先ほどは主様が失礼しました」
「あんたは…」
「申し遅れました。わたくしは『ぬま』と申します。主様からはそう呼ばれているので以後お見知りおきを」
ぬまは自己紹介を終えると響に執事みたいな挨拶をした。
「あ、ああ。よ、よろしく…」
「ふふ」
「な、なんだよ…」
「いえ、わたくしの姿を見れることも驚きですが、この肌、髪を見て驚かないなんて…ましてやよろしくときたものですから…つい」
「つうことは…あんたも?」
「はい。お察しのとおりわたくしも『妖怪』です」
「やっぱりそうか…。あの狐野郎と話していた時にあいつが来てうやむやになっちまったが、『妖怪』その言葉だけは覚えていた…あいつ…変態は?」
「?主様ですか?」
「ああ」
「主様でしたらまだ…」
そう言うとぬまは顔をビルの方に向けた。響もつられて見る。二人が見つめる先には鉄と鉄がぶつかる音が聞こえ、秋真がいるらしい所が明るくなっていた。
しばらく見ていると暗くなった。そしてまた明るくなった。この明暗を繰り返していた。
「なぁ、聞きたいことがあるんだがいいか?」
「はい。かまいませんよ」
不意に響が口を動かした。ぬまは再度、響を見て次の言葉を待った。
「さっき、狐野郎に聞きそびれたことをあんたに聞く。」
「さっきといいますと…」
「あの狐野郎の…つうよりあの変態とあんたら『妖怪』についてだ」
響は覚悟を決めたのように真剣な表情で身構えた。その姿勢をみたぬまも真剣な眼差しで答え始めた。
「わかりました。今、お答えできることはお答えしましょう。主様の所に戻るのはそれからですね。では、まず始めにさっきもいったように我々は人とは違う、『妖怪』というものです。そこはご理解できますね?」
「ああ」
「では、あなたは我々『妖怪』についてどのぐらいご存知ですか?」
「そ、それはうまくはいえねーけど、人には見えなくてなにかしら災いや呪いや恨み、人の体を乗っ取ることをするやつら…だろ?」
「半分正解で半分不正解です」
「????」
「いいですか、我々『妖怪』は『幽霊』とは違います。『妖怪』は人々の創造、昔の伝書などから生まれます。それらから『妖怪』に対しての『思い』が強ければ強いほど実体や怪異ができあがります。つまり、『妖怪』とは人々から造られた存在なんですよ…」
「?よ、よくわからねー」
響の答えを聞いてぬまは口を緩めた。
「ふふふ。『よくわからねー』それでいいんです。『妖怪』とはさきほども申しましたが人の『思い』で造られた存在です。100人がここに何かいるといえばいますし、100人がいないといえばいない。そういうあやふやな存在なんです。人々が妖しい、怪しい、といえばもうそこには『妖怪』ができあがっているのです」
「???じゃあ、てめぇーらが言っている『幽霊』とはなんだよ」
「半分正解で半分不正解とわたくしいいましたよね?」
「ああ」
「半分不正解それは呪い、恨み、体を乗っ取るこれらは『妖怪』にはありません。」
「じゃ…」
ここでぬまは再び真剣な顔を作った。響もつられて真剣になる。
「そう、『幽霊』とは人が何かしらの思い、恨み、願望、妬みを残したまま死んでしまった魂のことをいいます。それらは自らの望みを叶えるためにあらゆる手段を使います。生きている人を使って人を殺したり、まだ生きたいと望む『幽霊』は体を乗っ取ってあたかもその人になりすましたりもします」
「な!…そんな…人って、醜いな…死んでも生きたいなんて…」
話を聞いていた響は自分達、人間がこんなにも醜いことをしり、怒りと嘆きが湧いていた。しかしぬまは微笑んでいた。
「わたくしはそうは思いません。だって『今』は『妖怪』、『幽霊』を代弁してくれる方々がいますもの」
「?どこにそんなやついるんだよ?」
「響さんあなたは主様のことも教えてほしいといいましたよね?」
「あ、ああ」
響はいきなりなにをいっているんだこいつは、と思いながらもぬまに当たり障りのない言葉を出した。
「この世界が米国に支配される前はさまざまな名前がありました。陰陽師、巫女、イタコ、僧侶、祈祷師。ほかにもいろいろとあります。ですが世界が変わり超能力というものが出てきてからは一つの名前になっています」
そこまで言うとぬまはビルの方にまた首を動かした。その行動に響は察しがつき、目を見開いた。
「ま、まさか!!」
「はい。我が主様…東山 秋真は『霊能力者』です」